【目次】
・5大栄養素とは?
・5大栄養素の役割
・5大栄養素はそれぞれどんな食品に含まれる?
・バランスよく5大栄養素を摂る方法
5大栄養素とは?
生命活動を営むために必要な成分のこと
5大栄養素とは一般的に「人間が生命活動を営むために必要な成分」のことを言います。
全部で以下の5つに分類されます。
・炭水化物(糖質)
・脂質
・タンパク質
・ビタミン
・ミネラル
特に重要な栄養を三大栄養素という
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルのうち、特に重要な「炭水化物」「脂質」「タンパク質」のことは、一般的に「三大栄養素」と呼びます。
現在は「エネルギー産生栄養素」と呼ばれることも多く、この摂取比率をタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとって、PFC比率といいます。
ちなみに理想的なPFC比率はおおよそ、タンパク質(Protein)が15%、脂質(Fat)が25%、炭水化物(Carbohydrate)が60%です。
5大栄養素の役割
炭水化物(糖質)
炭水化物は脳や体の重要なエネルギー源。
国立がん研究センター研究所がん幹細胞研究分野分野長の増富健吉先生によれば、炭水化物は1回の食事でお茶碗に1杯弱程度の100g相当摂るが理想だと言います
「『ダイエットの目的ならば、基本的には少ないほど良い』というのが答えだが、これは体に良くないし、本来の目的である基礎代謝を上げるために必要な筋肉の維持にも良くない。では、どれくらい食べるのがいいか。1回の食事で、お茶碗に1杯弱程度の100g相当が理想。これでおおよそ、1回の食事の糖質によるエネルギーは160kcalになる」(増富先生)
どんなにダイエットをしている人でも、炭水化物を抜くのはNG。最低摂取の炭水化物量は守るべきだそうです。
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脂質
脂質は一般的に、炭水化物と同じようにエネルギー源になるだけでなく、体の細胞膜や精神組織、ホルモンの材料になり、皮下脂肪として臓器を保護したり、寒冷から体を守ったりする役割があると言われています。
ただし、生きるために欠かせない栄養素とは言え、摂りすぎると肥満の原因になる可能性も。
また、私たちに聞き馴染みのあるコレステロールも脂質の一種。有害なイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、適正内であれば人間にとって重要な役割を果たします。
産業医・労働衛生コンサルタントの加藤杏奈先生によれば、コレステロールは以下の3つに分けられるそう。
総コレステロール、中性脂肪
「コレステロールは血管の強化、中性脂肪はエネルギー源として使われます。ただし多すぎると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクになり得ます」(加藤先生)
HDLコレステロール
「善玉コレステロールとも呼ばれるコレステロールで、動脈硬化を阻止する働きが。低値の場合は喫煙、肥満、運動不足を原因として考えられますが、生まれながらに低いこともあります」(加藤先生)
LDLコレステロール
「悪玉コレステロールと呼ばれ、数値が高い場合、またはHDLが40mg/dl未満の場合は「脂質異常症」が考えられます。食事や運動習慣での改善が必要になってきます」(加藤先生)
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タンパク質
タンパク質は筋肉を作る上で非常に大切な栄養素として周知されていて、ダイエットなどの美容でも注目されていますよね。
でも実はそれだけではありません。
内臓や皮膚、髪の毛など、筋肉だけでなくあらゆる体を作る元になると言われています。さらには神経伝達物質やビタミンの元にもなると言われているので、不足すると免疫力や体力が落ちてしまう原因にもなります。
増富健吉先生によると、タンパク質は現時点での体重分の量を摂るべきだそう。
「例えば50kgの人なら最低50gのタンパク質を摂りましょう。タンパク質50gはどれくらいかというと、ささみに換算すると200gが必要です」(増富先生)
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ビタミン
ビタミンとは一般的に、体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素だと言われています。
ビタミンは全部で13種類あり、炭水化物や脂肪、タンパク質のように直接エネルギーにはなりませんが、他の栄養素がうまく働くための手助けをする役割があります。
イメージとしては機械をスムーズに動かす“潤滑油”のような存在。
野菜不足=ビタミン不足と決めつけてしまう人も多いですが、ビタミンは野菜や果物だけでなく、タンパク質が多い食品にも多く含まれています。
大切なのはバランス。同じ野菜でも緑黄色野菜と淡色野菜では含まれるビタミンが異なるので、さまざまな食材からいろいろな種類のビタミンを摂ることが大切。
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ミネラル(無機質)
ミネラルとは一般的に、体の調子を整えたり、骨や血液の元になったりするものだと言われています。
体内で合成することができないため、食物から摂る必要がある栄養素で、不足すると欠乏症や不調が起きやすくなってしまう可能性も。
100種類以上ものミネラルがあると言われていますが、一般的に人間の体に必要な必須ミネラルは、カルシウムや鉄、ナトリウムやカリウムなどを含む16種類です。
5大栄養素はそれぞれどんな食品に含まれる?
炭水化物が豊富に含まれている食品
炭水化物は主に、ご飯やパン、麺類などの穀類の他、芋やでんぷん類に多く含まれていると言われています。
炭水化物は人間が生きるために必要なエネルギー源ですが、ダイエットしている人は特に、以下の食品の炭水化物の過剰摂取に気をつけたほうが良いかもしれません。
・パン
・米
・果物
・いも類
・根菜
・ビール
・フルーツ
・はちみつ
・糖分の多い野菜
・果物ミックスジュース
など。
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脂質が豊富に含まれている食品
脂質は、オリーブオイルやえごま油などの植物油脂類はもちろん、ショートニングやマーガリン、バターなどにも多く含まれていると言われています。
他にも、豚や牛のロースやもも、アーモンドや落花生などにも多く含まれています。
食品そのものだけでなく、調理法によっても脂質は多くなることがあるので、摂りすぎには注意が必要な栄養素と言えそうです。
タンパク質が豊富に含まれている食品
増富健吉先生によると、タンパク質は以下のような食品に多く含まれていると言います。
・鶏のささみ
・鶏の胸肉
・牛の赤身
・マグロ赤身
・かつお
・卵の白身部分
・ほっけやさば、あじ、シーチキンなどの白身(青い)魚
・大豆
しかし、タンパク質が他の食品よりも多いとは言え、タンパク質含有率は10〜25%程度。豆腐はほとんど水分。
一日の理想摂取量は体重と同じ数字のg数なので、積極的に摂取することを心がけると良いですね。
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ビタミンが豊富に含まれている食品
ビタミンは種類によってさまざまな働きをしますが、含まれている食品もビタミンの種類によって変わってきます。
疲労回復に効果があるビタミンB1→穀類のはい芽、豚肉、レバー、豆類など
メラニンの生成を抑えるビタミンC→果物(特に柑橘類やイチゴ)、野菜など
新陳代謝を促すビタミンE→アーモンドなど
コラーゲンの生成をするビタミンA→レバー、うなぎ、バター、チーズ緑黄色野菜など
他にもビタミンB2はレバーやうなぎ、納豆などに、ビタミンB6は魚、レバー、肉、バナナなどに多く含まれています。
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ミネラルが豊富に含まれている食品
以下の食品はミネラルが豊富だと言われています。
・大豆や豆腐、納豆、油揚げ、高野豆腐など大豆製品
・ごまやナッツ
・わかめ、ひじき、のり、昆布、もずくなどの海藻類
・野菜類
カリウムやカルシウム、鉄、亜鉛は普段の食事で不足しがち。上記以外にも小魚や魚介類、肉などバランスよく食べるよう心がけるといいかもしれません。
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バランスよく5大栄養素を摂る方法
簡単にバランスの良い食事にするなら「毎日5色」を意識
アスリートフード研究家の池田清子さんによると、「色のバランスは栄養のバランス」なのだそう。
「オリンピックカラーの5色がテーブルにのっていればよし。色のバランスは栄養のバランスを表します。一食で全部が難しければ、1日単位で調整するところから始めましょう」(池田さん)
【食事例】
【赤】
血に関する作用をもたらす食品。細胞の形成を促したり、貧血予防などに効果的。
食材例:トマト・ビーツ・パプリカ・唐辛子・いちご・赤身の魚(マグロ、カツオなど)・赤身の肉など
【黄】
抗酸化作用があり、動脈硬化や老眼の予防に。肺機能の向上や胃腸のぜんどう運動の促進、便秘解消などにも◎。
食材例:にんじん・かぼちゃ・とうもろこし・玉ねぎ・レモン・バナナ・パイナップルなど
【青】
青は紫に置き換えるのだそう。抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富。ちなみに黒豆も紫の食材として考えてOK。
食材例:なす・ぶどう・ブルーベリー・紫キャベツ・黒豆・あずき・プルーンなど
【緑】
葉物野菜を中心に積極的に摂ると○。抗酸化作用、疲労回復、消臭抗菌などが期待できる。
食材例:小松菜・ほうれん草・モロヘイヤ・ブロッコリー・アスパラガス・ピーマンなど
【黒】
見た目は黒くなくても、時間の経過で切り口が黒く酸化する野菜も含むそう。糖の吸収を抑え、血糖値を安定させるものが多いので、ダイエットを意識する人にも。
食材例:玄米・ごぼう・のり・黒ごま・ひじき・昆布など
ちなみに5色以外では、かぶ・白菜・大根など、白もあるとのこと。状況に応じて取り入れてみるのもアリ!
毎日5色摂れるようになったら、いつも赤がトマトなら、パプリカや唐辛子を加えるなどステップアップすると良いでしょう。