「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」の意味とは?
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」とは、自分の足元をよく見なさいという意味の四字熟語です。禅語のひとつであり、戒めの意味を持ちます。
まずは、「脚下照顧」の具体的な意味を確認していきましょう。
「脚下照顧」は戒めの意味をもつ禅語
「脚下照顧」は、禅宗の教えのひとつです。他に対して悟りを追求する前に、まずは自分の本性を見つめなさいという戒めの意味を持ちます。
そもそも「脚下」とは足元のこと。転じて、本来の自分自身を表しています。「照顧」は、反省しよく考えること、確かめることです。つまり「脚下照顧」は、周囲に向かって屁理屈を言うのではなく、自分の足元を見て反省することの重要性を説いています。
また「脚下照顧」には、身近なことに気を付けなさいという意味も含まれます。靴をそろえなさいという意味合いで使われることもありますが、禅宗の教えを考えると自分の立ち位置を確認し、目標への道筋を考えるきっかけとなるともいえる言葉です。
きゃっか‐しょうこ【脚下照顧】
出典:小学館 デジタル大辞泉
禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語。

ビジネスにおける「脚下照顧」の意味
禅語である「脚下照顧」の考えは、ビジネスにも役立つといえます。物事を達成するためには、現状を理解したうえで、解決に向けた具体策を導き出す必要があるためです。
「脚下照顧」の考えを意識すれば、トラブルが生じた際も周囲のせいにするのではなく、自分に非がないか立ち止まって振り返られると考えられます。日々小さな気づきを得ることで、自分の成長へとつなげられるでしょう。
「脚下照顧」の使い方を例文で確認
四字熟語である「脚下照顧」は、スピーチや挨拶に盛り込むと思いが端的に伝えられます。ここからは、「脚下照顧」の具体的な使用例を確認していきましょう。
- 今後も脚下照顧の精神を忘れずに、日々精進いたします
- 取り扱う商品について顧客からクレームが入った。責任は他部署にあるという意見もあったが、まずは脚下照顧、自分にできることがなかったか考えてみよう
- 脚下照顧、他世代を批判する前に同世代の行いを見直してみてはどうだろう
- 何があっても他人を責めず、いつも前向きな先輩は、脚下照顧の考えを大切にしているらしい
「脚下照顧」のような戒めに関する四字熟語
以下の四字熟語は、「脚下照顧」のような戒めの意味を持ちます。
- 反面教師(はんめんきょうし)
- 孟母三遷(もうぼさんせん)
- 一罰百戒(いちばつひゃっかい)
- 座右之銘(ざゆうのめい)
- 殷鑑不遠(いんかんふえん)
活用シーンがイメージできるよう、ここでは正しい意味とともに、具体的な使用例を紹介します。

「反面教師(はんめんきょうし)」
「反面教師」とは、悪い見本のことです。本来の教師は行動を見習うべき存在ですが、「反面」と付けることで、反省材料となる行動や人物を表しています。
「反面教師」は、自分の行動を見つめ直すきっかけや、失敗から学ぶ大切さを教えてくれる存在といえるでしょう。会話のなかでは、以下のように活用します。
- 約束を守れなかったり遅刻をしたりする同僚は苦手だが、自分はそうならないようにと反面教師にしている
- 過去の暗い歴史を反面教師に、明るい未来を築いていきたい
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「孟母三遷(もうぼさんせん)」
「孟母三遷」は、子どもの教育における環境の重要性を説いています。「孟母」とは、中国の戦国時代の思想家「孟子」の母のことです。「遷」は、移ることや転居することを意味します。
言葉の由来は孟子の母が子どもの教育のため、墓地のそばから市場、学校のそばへと住まいを移した故事にあります。
会話や文章では、以下のように「孟母三遷の教え」として使うのが一般的です。
- 子どもの将来を考えると、孟母三遷の教えのように住まいを変えるべきだろうか。移住情報を見ながら悩んでいる
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「一罰百戒(いちばつひゃっかい)」
人の罪や過失を罰することは「一罰百戒」と言い表します。「一罰」は1つの罪のこと、「百戒」は100人の戒めのことです。
「一罰百戒」は同じ過ちが繰り返されないよう、1人の罪や過失を罰することを多くの人への戒めとする行為を表しています。
- 彼が起こしたトラブルに対し、一罰百戒ともいえる処分が下った
「座右之銘(ざゆうのめい)」
「座右之銘」は、自らの戒めとする格言のことです。「座右」は座席の右側や手元を指し、「座右之銘」は常に見えるところに掲げることを前提としています。
「座右之銘」にはことわざが選ばれることもあれば、著名人の格言であるなど、人によりさまざまです。
ビジネスシーンでは以下のように、「座右之銘」を通して自分の価値観や考えなどを伝えられます。
- 私の座右之銘は、「初心忘るべからず」です。入社から5年経った今も、当時の気持ちを大切にしています
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「殷鑑不遠(いんかんふえん)」
身近な失敗例を自分の戒めとすることは「殷鑑不遠」と言い表します。「殷」は中国の古い国の名前、「鑑」は鏡や手本のことです。
殷の前は、「夏」という国が中国を治めていました。「殷鑑不遠」は、暴政により滅亡した夏の存在を、身近な失敗例として捉えています。
また、四字熟語の読みは「いんかんふえん」ですが、会話では「殷鑑遠からず(いんかんとおからず)」のような訓読が用いられるのが一般的です。
- 身内のトラブルを殷鑑不遠としたからこそ、今の成功があると考えている
「脚下照顧」の気持ちを忘れずに日々を過ごそう
「脚下照顧」は、戒めの意味をもつ四字熟語です。周囲にあれこれ言うより、自分を見つめ直す重要性を説いています。
ビジネスにおいても、自分の立ち位置を振り返る意識は大切です。現状を明確にすることで、問題解決への道筋を見出せます。
四字熟語には「脚下照顧」のほか、戒めの意味をもつさまざまな言葉があります。それらの正しい意味を参考に、有意義な日々を過ごしていきましょう。
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