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「黒子」は「くろこ」と読みますが、他の読み方も存在します。肌にできる斑点を指すのですが、何でしょう? この記事では、「黒子」の意味や読み方から、大人気漫画『黒子のバスケ』まで紹介していきます。
「黒子」とは? 読み方・意味・由来を解説
「黒子」という言葉は、肌にできる斑点を指すこともあれば、演劇の裏方を意味することもあります。まずは、読み方と意味から確認していきましょう。
「黒子」の読み方と意味
「黒子」という言葉には、複数の読み方があります。主な読み方としては、「くろこ」と「ほくろ」が挙げられますよ。それぞれ異なる意味を持っています。まずは、辞書の定義を確認してみましょう。
まずは、「黒子(くろこ)」から。「くろご」とも呼ばれ、舞台や物事の裏方としての役割を持つ言葉です。
くろ‐ご【黒▽衣/黒子】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「くろこ」とも》
1 歌舞伎で、俳優の演技や舞台進行の介添えをする人が着る黒い衣装。また、その人。人形浄瑠璃では、人形遣いが着る黒い衣装。くろんぼう。黒具(くろぐ)。
2 表に出ないで物事を処理する人。陰で支える人。「―に徹する」
3 大坂で、俄(にわか)が流して歩くときにかぶった黒頭巾(くろずきん)。
次に、「黒子(ほくろ)」についてです。こちらは皮膚にできる黒褐色の斑点を指します。
ほくろ【黒=子】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
皮膚にみられる黒褐色の斑で、母斑の一。周囲より隆起し、アズキ大までのものをいう。こくし。
「黒子(くろこ)」は舞台や物事を裏で支える役割を表す言葉であるのに対し、「黒子(ほくろ)」は皮膚にできる黒い斑点を意味します。同じ漢字を使いながら、全く異なる意味を持つ言葉であることがわかりますね。

「黒子(くろこ)」の語源は?
「黒子(くろこ)」という言葉は、「黒具(くろぐ)」が変化した言葉だといわれています。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「黒子(くろこ)」の使い方と例文
「黒子」という言葉は、さまざまな文脈で使用されます。具体的な使い方を例文とともに紹介しましょう。
「この企業の成功の裏には、多くの黒子の努力がある」
企業の成長を支えるのは、表に出る人だけではありません。事務、開発、サポート部門など、多くの人々の貢献があってこそ成功につながることを表しています。
「彼は表に出ることを好まず、あくまで黒子に徹している」
リーダーとして目立つ役割を担うのではなく、支える立場を選ぶ人の姿勢を表しています。

「黒子(くろこ)」の類語や言い換え表現は?
「黒子(くろこ)」には、似たような意味を持つ言葉がいくつかあります。場面によって適切な表現を選んでみてください。
縁の下の力持ち
表に出ることなく、陰で努力しながら支える人を指す言葉です。周囲の人が気づかないところで重要な役割を果たしている場合に使われます。
例文:「彼女は縁の下の力持ちとして、チームを陰で支えている」
名脇役
映画や舞台では、主役を引き立てつつも、時にはそれ以上の存在感を示す脇役のことを指します。ビジネスシーンでは、リーダーではなくても組織に不可欠な人物を表しますよ。
例文:「このプロジェクトが成功したのは、名脇役である彼のおかげだ」
『黒子のバスケ』とは? 人気作品の魅力を紹介
『黒子(くろこ)のバスケ』(集英社刊)は、藤巻忠俊さんによるバスケットボールを題材とした漫画作品です。2009年2号から2014年40号にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載され、全30巻が刊行されました。アニメ化や映画化もされましたよ。

『黒子のバスケ』のストーリーと登場人物
物語は、帝光中学バスケットボール部の「キセキの世代」と呼ばれる5人の天才プレイヤーと、彼らが一目置いていた「幻の6人目(シックスマン)」黒子(くろこ)テツヤを中心に展開します。
黒子は目立たないプレースタイルを持ち、その特性を活かしてチームメイトをサポートします。高校進学後、彼はアメリカ帰りの才能あるプレイヤー、火神大我(かがみ・たいが)と出会い、共に誠凛高校バスケットボール部で全国制覇を目指します。
「黒子テツヤ」とは?
主人公の黒子テツヤは、異常なまでに影が薄いのが特徴。試合中は、この目立たない動きを生かし、味方のプレーを支援するスタイルを持つキャラクターです。これは「黒子(くろこ)」の意味と重なる部分がありますね。
最後に
「黒子」という言葉には、舞台裏の支援者や「ほくろ」を指す意味があり、使われる文脈によって異なるニュアンスを持ちます。また、『黒子のバスケ』の影響で、キャラクター名としても広く知られるようになりました。言葉の持つ多様な使い方を知ることで、より適切に活用できるようになるでしょう。
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