あなたの身の回りに、話を途中で遮ってきたり、被せ気味で相槌を打ってくる人はいませんか? きちんと最後まで話を聞いて欲しいのに、途中で入り込んでくる「食い気味」な人に、ついイラッとしてしまったこともあるかもしれません。
今回は、「食い気味」の言葉の意味や類語、「食い気味」に話をしてくる人の特徴や心理を解説します。思い当たる節のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
「食い気味」とはどんな意味?
「食い気味」とは、「食い込み気味」を省略した言葉。人が話している最中に、相槌を打ったり、自分の話を割り込ませることを言います。相手の話が終わる前に、自分の話をし始めることから「食い込み気味」という表現になったようです。大抵の人は、人の話を最後まで聞いてから返答するものですが、「食い込み気味」の人は、話を遮ってしまうので、あまり良い印象を持たれないこともあるでしょう。
「食い気味」に話す人の特徴とは?
「食い気味」に話す人には、どんな特徴があるのでしょうか? 自分自身や身の回りの人に、当てはまる特徴がないかチェックしてみましょう。
1:話の腰を折る
「食い気味」な人は、話の腰を折ることが多いです。友達や同僚が話している途中で「でもさ〜」と言って自分の話を始めたり、「うんうん、それわかる!」と被せ気味に相槌を打ってきます。大袈裟にリアクションをして、そのまま自分の話に持っていってしまう、「会話泥棒」な一面もあるかもしれません。
2:聞くより話す方が好き
「食い気味」な人は、おしゃべりなことが特徴です。自分が体験したことや感じたことをすぐに言葉にして話さないと気が済みません。人の話を聞いている間も、話したくてうずうずしていて、落ち着きのない人が多いでしょう。身振り手振りが多く、調子に乗るとついつい話を盛ってしまう「お笑い芸人」タイプの人なのかもしれませんね。
3:せっかち
「食い気味」に話す人は、せっかちな性格であることも。のんびり待つということが苦手なので、ついつい相手が話し終わる前に「これってこういうことでしょ?」と結論づけてしまいます。ゆっくりと会話のキャッチボールを楽しむよりも、スピーディーにテンポ良く会話をするのを好む人が多いようです。
「食い気味」に話す人の心理とは?
落ち着いて人とコミュニケーションを取りたい人にとっては、あまり人の話を聞かない「食い気味」な人は理解し難いかもしれませんね。ここでは、「食い気味」に話す人の心理を探っていきます。
1:話の結論が分かっている
友達や知り合いと会話をしている時、話の途中でオチが想像できてしまうことってありませんか。ほとんどの人は、それでも辛抱強く最後まで話を聞こうとするものですが、「食い気味」な人は、結論が見えた時点で早く話を終わらせたくなってしまうのです。相手より先に、「つまりこういうことだよね」と結論をまとめてしまいます。
2:周囲の注目を集めたい
「食い気味」に話す人は、目立ちたがりやな傾向があります。「え〜すごーい」などと大きなリアクションをとったり、「このあいださ〜」と自分の話に持っていくことで、周囲の気を引きたいと思っているようです。常に自分が注目されていないと気が済まない、自己中心的な一面を持っているのかもしれません。
3:相手の話に興味津々
相手の話に興味津々な時に、「食い気味」になることもあるでしょう。早く続きが聞きたいとうずうずしていることから、ついつい「食い気味」に相槌を打ったり、「それでどうなったの?」と矢継ぎ早に質問したりします。目を輝かせながら前のめりになっている場合は、あなたの話に興味津々になっていると見て良いかもしれませんね。
「食い気味」な人との付き合い方
「食い気味」な人は、「人の話を最後まで聞かない」「強めな相槌を打ってくる」ことが多いので、話していて不愉快に思う方もいるでしょう。「食い気味」な人は、基本的に自分の話を聞いて欲しいという思いが強い人が多いので、その欲求を満たしてあげると喜びます。会社の上司や目上の人がそのようなタイプの場合は、ある程度辛抱強く聞き手に回る必要があるでしょう。
また、「食い気味」な人は、「自分の話がしたい」という気持ちが強いあまり、他人の気持ちに鈍感になりがち。もし、大事な話をしたい場合には、前もって「これは大事な話だから最後まで聞いて欲しい」という思いをはっきりと伝えることも大切です。
類語や言い換え表現とは?
「食い気味」と同じような意味を持つ言葉を知っていますか? 言い換え表現としていくつか覚えておきましょう。
1:被せ気味
「食い気味」と良く似た表現が「被せ気味」です。「被せる」には、「上から覆う」「全体にかける」というような意味があります。このことから、間を置かずにすぐ次の言葉を話すことを「被せ気味」と言うようになったようです。人の言葉に重ねるように、自分の話をしてしまうところが「食い気味」と共通していますよね。
・祖父は人の話を最後まで聞かず、被せ気味に相槌を打つことが多い。
2:前のめり
「前のめり」は、「前方に倒れそうに傾くこと」「積極的に物事に取り組むこと」を意味します。「先生の話を前のめりになって聞いていた」という姿からは興味津々で話を聞いている様子が伝わってきますよね。人はやる気に満ちている時、無意識に前のめりになる傾向があるようです。
・兄は新商品の開発を、前のめりになって取り組んでいた。
3:遮る
「食い気味」に話すことは、言い方を変えれば人の話を遮っていると言うこともできるでしょう。「遮る」には、「進行や行動を邪魔してやめさせる」という意味があるので、よりネガティブなニュアンスが強くなりますね。
・Aちゃんは人の話を遮ることが多いので、あまり好きになれない。
最後に
「食い気味」の意味や類語、性格の特徴などは理解できましたか? 「人の話を最後まで聞かない」「自分の話ばかりしてしまう」などの困った傾向も見られる「食い気味」な人ですが、本人は案外自覚していないことも珍しくありません。本当に話を聞いてもらいたい場合には、「大事な話だから聞いて欲しい」ということをきちんと伝えることも必要かもしれません。身近に当てはまる人がいる場合は、参考にしてみましょう。
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