「主体性がない」とは?
「今年の新入社員は主体性がない」などと、職場で耳にしたことはありませんか? 社会人になると求められることの多い「主体性」。そもそも「主体性」とはどのようなことを表すのか、言葉の意味からみていきましょう。
意味
まずは、「主体性」の意味について解説します。「主体性」とは、「自分の意志で行動しようとする態度」「自らの判断に基づいて行動する性格」という意味です。つまり、「主体性がない」とは、「自分の意志で行動しない性質」という意味になります。
例えば、周囲からの指示がなければ動けなかったり、言われたことだけしかしないような受け身の人は、「主体性がない人」と言われることも。対して、どんな状況にあっても、自分で判断し行動に移せる人のことを「主体性がある人」と言います。
類語や言い換え表現は?
「主体性」と似た言葉には、「自主性」があります。「自主性」とは、「周りに頼らず、自ら考えたり行動できる性質」のこと。例えば、上司の指示がなくても自ら課題を見つけ出し、解決に向けて動き出せる人は、「自主性がある人」と言えるでしょう。使い方としては、「転職先は、自主性を重視する会社だ」「自主性のあるAさんは、周りから頼りにされている」などです。
主体性がない人の特徴は?
職場やプライベートなどで、指示がないと動けない人や消極的な人はいませんか? そうした、主体性がない女性および男性は、周りからイライラされてしまうことも。ここでは、主体性がない人の特徴を紹介します。
1:ネガティブ思考
主体性がない人の特徴の一つは、ネガティブ思考なところ。自分に自信がなく、「どうせうまくいかない」「意見を言っても否定されるかもしれない」など、常にマイナスなイメージを膨らませていることも…。失敗することが怖いため、主体的に動いていけません。
2:決断するのが苦手
行く場所や、料理のメニューを決める時に、「なんでもいいよ」「○○ちゃんの好きな方でいいよ」と言うのも、主体性がない人の特徴。自分で決めることが苦手で、相手に判断を任せることが多いようです。「こっちに合わせてくれて優しい」ととらえることもできますが、もしかしたら責任を取りたくないのかもしれません。
3:指示がないと動けない
ビジネスシーンでは、積極的にアイデアを出したり、発言をしたりすることが求められますよね。しかし、主体性がない人は、他人からの指示がない限り、自ら考えたり行動していけません。言われたことだけしかやらないので、上司や先輩は常に指導しなければいけないケースも多いようです。
主体性がなくなってしまう原因は?
自分の考えに基づいて行動できない、主体性がない人。では、なぜ主体性がなくなってしまうのでしょうか。様々な原因が考えられますが、いくつかピックアップして解説していきます。
1:周囲の人による影響
例えば、上司や社長が威圧的なタイプの場合、その下で働く社員は萎縮してしまいがち。もし何か意見を言おうものなら、「それは間違っている」「意見に従っていればいいんだ」などと怒られることもあるでしょう。そうした状況だと、自ら考えることや工夫を取り入れることをやめてしまいます。
2:プライドが高い
上記に挙げたものは外的な要因でしたが、その人自身に原因があることも。「周りに馬鹿にされたくない」「否定されるのが怖い」など、プライドが高すぎるのも原因の一つ。自分のメンツが潰れるのは避けたいので、必ずうまくいくという自信がない限り、行動に移さなくなってしまいます。
3:他人任せな性格
「自分が動かなくても、周りがやってくれるだろう」という考えの人も、主体性がないことが多いです。責任感がなく、周囲の人を当てにしたり、仕事を押し付けることもあります。
主体性がない人に向いてる仕事は?
一見マイナスに思える性質ですが、主体性のなさを長所ととらえてみると、適した仕事が見えてくることも。例えば、ルーティンワークはいかがでしょうか?
ルーティンワークは、仕事の手順がすでにしっかり決められていて、それ通りにこなせばOK! ですから、きちんと業務を遂行できる人こそ力を発揮できます。また、自ら新しいやり方を考える機会も少ないです。職種としては、事務系のお仕事やカスタマーサポートなどが代表的でしょう。
主体性を高めるには?
主体性がない自分に合う環境を探すのもいいですが、「主体性を高めたい」と思う人もいるでしょう。主体性は、日々の努力で身につけることもできます。主体性を高める方法をいくつか紹介しますので、ぜひトライしてみてください!
1:何事も自分で決断する
すぐに始められることとして、まずはどんな物事も自分で考え、決断するようにしてみてください。例えば、今日のランチは何を食べるか、A社とB社のどちらを先にアポをとるかなど。その時は、周りに合わせたり、なんとなくで決めないようにするのがポイント。
「自分の意志に基づいて決めた」という自覚を持つことが大切です。これを繰り返していると、少しずつ主体性が身についていくでしょう。
2:根拠を考え、それを発信する
自分で決断をする時には、「なぜそう思ったのか」「なぜそれに決めたのか」など、根拠もセットで考えるようにしましょう。根拠がしっかり導き出せていれば、自分の決断に自信を持てるようになります。ひいては、自分の意見を堂々と言えるようにもなるかもしれません。
3:自分で考える癖を身につける
与えられた仕事をただ単にこなすのではなく、「なぜこの仕事をやるのか?」「目的は何か?」「本当にこの方法がベストか?」などと、一度考えてみるようにしましょう。自分で考える癖を身につけられると、より良い方法やアイデアが思いつくようになるはずです。
最後に
今回は、「主体性がない」という言葉の意味や、主体性がない人の特徴、主体性がなくなってしまう原因、主体性を高める方法などを解説しました。主体性は生まれつきの性質でもありますが、日々の努力で高めることもできます。ぜひ、今回紹介した方法を実践し、主体性を高めていってくださいね。
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