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「優柔不断」とは?
「優柔不断でイライラする!」。あなたの周りにそんな人はいませんか? また、あなた自身が「決めるのは苦手」と思ったりはしていないでしょうか。なかなか決められない「優柔不断」な人について解説します。
◆「優柔不断」の意味
「優柔不断」とは、決断力に乏しいことを表す「優柔」と、絶えないことや決断力がないことを表す「不断」が合わさった言葉。物事をなかなか決められず、決めた後もグズグズと迷い続ける性質を指す言葉です。
[名・形動]気が弱く決断力に乏しいこと。また、そのさま。「―な(の)態度」
(小学館 デジタル大辞泉より)
「優柔」は「ゆったりとした」「柔らかい」という意味でも使う言葉なので褒め言葉のように捉えがちですが、そうではありません。「あなたって、本当に優柔不断ね」と言われた場合、非難されていると思ったほうがいいでしょう。
優柔不断な人の特徴
「優柔不断」な人の特徴を挙げてみます。あなたに当てはまる点はないでしょうか。
何ごとも、決めるのに時間がかかる
その日の服装や昼食のメニューのような些細なことから、旅行先のセレクトや会社選びなど、どんなことでも、なかなか決められないのが、「優柔不断」な人の特徴。AとBを選ぶ際に、Aを選んだ時、Bから得られるメリットのことばかり考えてしまい、なかなか決められないのです。
決定したことに自信が持てない
「優柔不断」な人は、自分に対する評価が低い傾向にあります。自分の決めたことや考え、感情に自信が持てず、一度決めたことに関しても、いつまでも「これでよかったのかなあ…」と悩み続けてしまうのです。
決めるべきことを後回しにする
「優柔不断」な人は、「決める」「決断する」ことに対して逃げ腰です。重要な問題になればなるほど、後回しにしてしまい、決めたころには「時すでに遅し…」となりがちです。
特に恋愛などのシチュエーションでは、相手がヤキモキしていても、モジモジするばかりで決められないということも。これでは、チャンスを逃してしまいます。
過去にこだわる
「優柔不断」な人が決められない理由のひとつに、過去にこだわってクヨクヨしてしまうという心理があります。先に述べた自信のなさともつながりますが、「前に同じようなミスをして、上司にきつく叱られた」、「同じようなタイプの男性と付き合ったことがあり、悲しい結果に終わった」などと、過ぎ去ったことにこだわり続け、前に進めなくなってしまうことが、「優柔不断」な人には見受けられます。
他人任せにする
「優柔不断」な人は、自分で決定することをできる限り避けようとします。たとえば、友人グループで旅行をしようという時、「優柔不断」な人は、人の意見を聞くだけでそれらをまとめて決めるということはせず、自分でない誰かが決めるのを、ひたすら待つ傾向があります。
優柔不断な人のメリットとは?
「優柔不断」とは、人柄、性格ですから、いい面と悪い面があります。それぞれ3つずつご紹介します。まずはメリットから解説していきましょう。
人の意見を素直に聞く
「優柔不断」な人は、自分で決められない分、人の意見をよく聞きます。周囲の声をやわらかな物腰で聞くので、やさしい人という印象を持つ人もいるでしょう。
例えば、介護の現場などでお年寄りの話をゆっくり聞く、というようなシーンにおいては、こうした人柄はとても好意的に受け止められると思います。
慎重であることが評価される
決断をするとき、早ければいいというわけではありません。さまざまな状況やリスクを検討して、熟考する姿勢は、場合によってはとても評価されます。大きなプロジェクトチームの一員として、さまざまなパターンを検討するという立場にはぴったりな資質といえるでしょう。
危機管理能力に優れている
メリット2とも重なりますが、慎重に物事を進めることで、リスクを軽減できるというメリットがあります。リスクを犯してでも押し進めるという気迫には欠けるかもしれませんが、たとえば仕事などにおいては、リスクを減らすことのほうが重要な場合もたくさんあるのです。
優柔不断な人のデメリットとは?
メリットがわかったところで、次はデメリットについて紹介していきます。
人の信用を得られない
決められない、決めても迷い続ける「優柔不断」な人。そのような人を客観的に見ると、なかなか信用できないものです。一度「優柔不断」だと思われてしまうと、「あの人の意見はどうせ変わるから」と意見を言ってもまともに取り合ってもらえなくなる場合があります。
物事が進行しない
「優柔不断」な人がリーダーを務めるチームでは、決定がなされないわけですから、話が前に進みません。それでは、周りが困ってしまいます。
チャンスを逃してしまう
例えば、恋愛のシーン。お互いに惹かれあっているのに、どちらも告白しないとなると、その恋は実ることなく、枯れていってしまいます。せっかくのチャンスが目の前にあっても、「優柔不断」であるがゆえに逃してしまうこともあるでしょう。
優柔不断な性格の改善方法とは?
「優柔不断」であることのメリット・デメリットを見てきました。メリットがあるといえども、やはり「優柔不断」でないほうがいいシチュエーションの方が多いでしょう。では、「優柔不断」の直し方を考えてみましょう。
「ま、いいか」の気持ちを持つ
「優柔不断」な人は、完璧を目指す傾向があります。そのため、少しでもデメリットがあると、躊躇してしまうのです。そこで、取り入れたいのは「ま、いいか」とまず実行に移してみること。のちのち、「あ、あの時こうしていたらよかったかも」と思うことがあるかもしれませんが、その時はその時、とポジティブに捉えましょう。
ことあるごとに、ありとあらゆることを考えるのではなく、いい意味で適当に決断する経験を積むことで、「決定すること」への恐怖心を軽減していきましょう。
締め切りを決める
「優柔不断」な人は、時間があればあるほど、考え続けてしまいます。そこで、決定に締め切りを設けてみましょう。「30分だけ考えよう」、「1ヶ月、じっくり考えてみよう」など、具体的な時間や日数を決めてから考えてみてください。
過去を振り返るのはやめる
過去から学ぶことは大切ですが、過去を振り返ってばかりいても何も始まりません。「優柔不断」な人は、自分に自信がない人が多いので少し難しいかもしれませんが、自分に自信を持って、一歩踏み出す勇気を持ちましょう。「案ずるより産むが易し」と思えることは、意外とたくさんあるものです。
「優柔不断な人」との付き合い方
「優柔不断」な人が身近にいて困っている場合は、上手な付き合い方を知っておくといいでしょう。夫や恋人が「優柔不断」だという人は、イライラしてしまったり。そんな時に使える付き合い方のコツをお伝えします。
選択肢を提示する
ただでさえ、決めるのが苦手な人に、「今度のデート、どこに行く?」などと、漠然とした質問を投げかけても、答えは「うーん…」で終わってしまうことが多いもの。
「優柔不断」な人に質問をする時には、「AとB、どっちがいい?」のように、選択肢を提示すると、比較的、決定しやすくなります。
褒めながら、変える
「いつも優柔不断なんだから!」と否定ばかりされると、「優柔不断」な人はさらに自信をなくしてしまいます。「いつも私の話を聞いてくれてうれしいんだけど、たまにはあなたの意見も聞きたいな」というように、現状を受け止めてあげることで、少しずつ自信を持てるようになるのではないでしょうか。
いったん離れる
決定を迫っている間、ずっとそばにいると、「優柔不断」な人は、それだけで困ってしまいます。「AかB、どちらの企画を進めるか、明日の会議までに考えておいて」と、いったんその場を離れましょう。そうすると、ストレスなく考えられるはずです。
相手のペースにも配慮して
「優柔不断」に感じられる人は、割と身近にもいるはずです。けれど、それも人柄のひとつ。自分の人柄を否定されるのは誰しも辛いものなので、あまり押し迫らないように、相手のペースを考えてあげることも大切だと思います。
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