「潮騒」という言葉は、海の波音を指すだけでなく、文学や音楽の名称としても広く使われています。しかし、なんと読むのでしょうか? この記事では、「潮騒」の読み方から意味、三島由紀夫の小説や観光スポットまで幅広く紹介します。
「潮騒」の読み方と意味、語源
海辺で聞こえる波の音は、静かで心地いいものから、力強く荒々しいものまでさまざまです。この「潮騒」という言葉には、どのような意味が込められているのでしょうか?

「潮騒」の読み方と意味とは?
「潮騒」は、「しおさい」もしくは「しおざい」と読みます。辞書の定義を確認すると、以下のように説明されています。
しお‐さい〔しほさゐ〕【潮▽騒】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《「しおざい」とも》潮の満ちてくるときに、波の騒ぎ立つ音。
「潮騒」とは、潮が満ちるときに、波が音を立てて騒ぎ立つことを指します。
「潮騒」の語源は?
「潮騒」の語源には、諸説存在します。数ある中から、ここでは2つを紹介しましょう。1つ目は、「潮騒(しおさわぎ)」が約転したという説。もう1つは、「塩先(しほさき)」を語源とする説です。
三島由紀夫の小説『潮騒』とは?
「潮騒」と聞くと、三島由紀夫の小説を思い浮かべる人も多いかもしれません。この作品は、日本文学の名作として今なお語り継がれています。
あらすじと作品の背景
『潮騒』(新潮社刊)は、1954年(昭和29年)に発表された三島由紀夫の小説です。伊勢湾に浮かぶ小さな島・歌島を舞台に、漁師の青年・新治と美しくお金持ちの娘・初江の純愛が描かれています。
純粋な恋愛の物語でありながら、島の厳しい自然や人々の生活がリアルに描かれているのが特徴です。
参考:『日本大百科全書』(小学館)

映画化された『潮騒』の魅力
『潮騒』は、これまでに何度も映画化されています。特に、山口百恵と三浦友和が共演した作品(1975年製作)は人気が高く、原作の雰囲気をそのまま映像化した作品として知られています。
物語の舞台となった場所
『潮騒』の舞台となったのは、三重県鳥羽市にある神島。鳥羽市にある港から市営船に乗って約40分ほどの場所に存在する島です。
ここには、作品の雰囲気を感じられる「神島灯台」や「監的哨(かんてきしょう)跡」などのスポットが点在しており、文学ファンにとって訪れる価値のある場所になっています。
楽曲としての「潮騒」
潮騒という言葉は、多くの音楽作品のタイトルとしても使われています。代表的な楽曲について紹介しましょう。

『潮騒のメモリー』とは?『あまちゃん』の劇中歌
「じぇじぇじぇ」というセリフで話題となった、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年4月〜9月放映)の挿入歌として登場した『潮騒のメモリー』(作詞:宮藤官九郎)は、ノスタルジックなメロディと歌詞が特徴的な楽曲です。小泉今日子さんが歌いました。役名の天野春子名義でリリースされましたよ。
第55回日本レコード大賞作曲賞を受賞しました。
参考:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)
最後に
「潮騒」は、海の波音を指す言葉でありながら、文学、音楽とさまざまな分野で親しまれています。この記事を通じて、「潮騒」という言葉が持つ多様な魅力を感じていただけたら嬉しいです。
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