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LIFESTYLE

2023.03.31

5月1日「メーデー」とは? その意味や日本での大会・スローガンもチェック!

メーデーとは、5月1日に世界各国で行われる労働者の祭典のことで、別名「労働者の日」とも呼ばれています。全国各地で開催されることから、ゴールデンウィークになると見覚えのある人も多いでしょう。本記事では、そんなメーデーの起源や日本で開催されている大会について解説します。

メーデーとは? その意味や起源を紹介

(c)Shutterstock.com

ゴールデンウィーク中に毎年決まってニュースで取り上げられる「メーデー」。みなさんも、一度は耳にしたことがある言葉でしょう。しかし、意味や起源については意外と知られていません。

全国各地で労働者集会などが開催され、毎年およそ10万人以上が参加する大イベントですが、一体「メーデー」とは何なのか、探っていきましょう。

◆メーデーの意味について

「メーデー」とは、5月1日に世界各国で行われる労働者の祭典のことで、別名「労働者の日」とも呼ばれています。そもそも、メーデーというのは、英語の「MayDay」を、そのままカタカナ語にしたもので、直訳するならば「5月の日」。

本来は「五月祭」を意味し、ヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」として祝日とされています。残念ながら日本では、ゴールデンウィークの真っ只中であるにも関わらず、祝日ではありませんね。しかし、現在、少なくとも世界の80以上の国が、メーデーを祝日として定めています。

◆メーデーの起源は?

1886年の5月1日、アメリカの労働者たちが、労働環境の改善を求めて大規模なストライキを行いました。このストライキが、メーデーの発端とされています。この時代、アメリカでは1日12時間~14時間労働が当たり前で、たくさんの労働者たちが、その労働環境に不満を持っていたのです。

労働者たちは「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために」と、目標のスローガンをかかげ、8時間労働の実現を求め続けました。それでもなお、低賃金と長時間労働に苦しめられていた労働者たちは、翌年の5月1日にも、大規模なストライキを行います。

(c)Shutterstock.com

この動きが世界の労働組合に広まり、3年後の1889年、社会主義運動の国際組織である「第二インターナショナル」が、5月1日を「労働運動の日」と定めました。

そして、その翌年の1890年の5月1日に「第1回国際メーデー」が多くの国で開催され、労働者の権利を主張する日として、世界各国に広まっていきました。これが、今に続くメーデーの起源となったのですね。

メーデーが日本で広まる経緯とその受難について

(c)Shutterstock.com

日本では、1905年に開かれた、平民社主催の茶話会(さわかい)が、メーデーの先駆けになったと言われています。アメリカでは、大規模なストライキが行われたのに対し、日本では“お茶を飲み語りあう会”という、なんとも、のんびりとした形で始まったのです。

そして、ロシア二月革命後の1917年には、社会主義者が集まったメーデー記念の集いが開催され、その3年後の1920年には、日本で初めて、第1回メーデーが上野公園で開催されました。

アメリカでは、実際に労働者たちが主導となり、ストライキが実施されたのに対し、日本では政治結社が主体となって、労働組合に声をかけて、人を集めたところが大きな違いでしょう。

参加した約1万人の労働者たちは、「8時間労働制の実施」や「失業の防止」、「最低賃金の保障」といったスローガンを掲げて集会に参加しました。

しかし、1936年、二・二六事件の発生後、あまりにも社会主義色が強かったため、メーデーは開催が禁止されてしまいます。この年から、1945年まで、日中戦争激化などの理由で、再びメーデーが開催されることはありませんでした。

メーデー・日本の連合や大会も紹介

(c)Shutterstock.com

◆メーデーは日本にもある

第二次世界大戦中は、政府により開催が禁止されていたメーデーでしたが、戦後の1946年、労働組合の活動再開とともに、再び日本でもメーデーが開催されることになりました。

メーデーの復活は、日本の労働者の地位や労働条件の向上、労働者たちの権利拡大をはじめ、人権・労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求に深く貢献し、その役割を果たしてきたとされています。

現在、日本でのメーデーは、アメリカの労働者たちが労働条件の改善を訴え続けた想いを受け継ぎながら、働く仲間とお互いをねぎらい、たたえ合いながら、家族や地域の人々にも楽しんでもらえるイベントとして、愛され続けています。

◆メーデー・日本で開催された有名な大会

日本のメーデーの歴史の中でも1番有名なのは、戦後11年ぶりに再開された「第17回大会」でしょう。全国で100万人、東京だけでも50万人もの人が集まり、デモを行う大規模な大会となりした。

この大会は、別名「食糧メーデー」や「飯米獲得人民大会」とも言われています。当時のスローガンも「働けるだけ喰わせろ」というもので、戦後直後の食糧事情が、いかに厳しいものであったかが分かります。

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その後、GHQの支配も収まり、日本の主権も回復し始めた頃には、日本とアメリカにおける日米安全保障条約への抗議も、メーデーで訴えられました。この「第23回大会」では、一部のデモ隊が警察に衝突し、流血の惨事になり、後に「血のメーデー事件」とも呼ばれています。

その後も日本でのメーデーは社会主義的な政治活動の色合いが、さらに濃くなっていくのです。このような歴史的背景もあり、1989年以降、全国統一のメーデーは開催されていません。全国の労働組合の再編、社会人の労働組合への参加率の低下も原因とされています。政治色の強さも敬遠される原因でしょう。

しかし、連合は今も変わらず、毎年、東京・代々木公園にて「メーデー中央大会」を開催しています。連合の組合員をはじめ中央労福協、労金協会、全労済などの関係団体、NGO・NPOといった諸団体から、およそ4万人~5万人の仲間が結集し、中央式典や各種イベントに参加をしています。

日本のメーデーは祝日ではないため、5月1日の直前となる土日に開催されることが多くなっています。ちなみに、2023年、今年の「第91回メーデー中央大会」は、4月29日(土)の国民の祝日「昭和の日」に開催される。

最後に

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意外と知られていない、メーデーの意味や起源について辿ってきました。現在は当たり前となった、「8時間労働」ですが、たくさんの人の努力と訴えによって実現されたということが分かりましたね。メーデーの存在が、人々に労働環境の改善を強く意識づけ、その現実のために大きな役割を果たしてきたのです。

また、労働環境のみならず、私たち国民の人権や、世界の平和にも大きく関わっていたことが歴史的背景から窺うことが出来ます。今ある環境を当たり前とは思わずに、改めて感謝し、見つめ直す時間を持つことも大切ですね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com


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