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LIFESTYLE

2025.03.20

5月1日「メーデー」とは? その意味や日本での大会・スローガンもチェック!

メーデーとは、5月1日に世界各国で行われる労働者の祭典のことで、別名「労働者の日」とも呼ばれています。全国各地で開催されることから、ゴールデンウィークに見た覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。本記事では、メーデーの起源や日本で開催されている大会について解説します。

メーデーとは? その意味や起源を紹介

(c)Shutterstock.com

ゴールデンウィーク中に毎年決まってニュースで取り上げられる「メーデー」。みなさんも、一度は耳にしたことがある言葉でしょう。しかし、意味や起源については意外と知られていません。

全国各地で労働者集会などが開催され、毎年およそ10万人以上が参加する大イベントですが、「メーデー」とは一体何なのか探っていきましょう。

メーデーの意味について

「メーデー」とは、5月1日に世界各国で行われる労働者の祭典のことで、別名「労働者の日」とも呼ばれています。そもそもメーデーというのは、英語の「MayDay」をそのままカタカナ語にしたもので、直訳するならば「5月の日」。

本来は「五月祭」を意味し、ヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」として祝日とされています。残念ながら日本では、ゴールデンウィークの真っ只中であるにも関わらず、祝日ではありませんね。しかし現在、少なくとも世界の80以上の国がメーデーを祝日として定めています。

メーデーの起源は?

1886年の5月1日、アメリカの労働者たちが、労働環境の改善を求めて大規模なストライキを行いました。これがメーデーの発端とされています。この時代アメリカでは1日12時間~14時間働くことが当たり前で、たくさんの労働者が、その労働環境に不満を持っていたのです。

労働者たちは「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は自分たちの好きなことのために」というスローガンを掲げ、8時間労働の実現を求めました。それでもなお改善されず、低賃金と長時間労働に苦しめられていたため、翌年の5月1日にも大規模なストライキを行います。

(c)Shutterstock.com

この動きが世界の労働組合に広まり、3年後の1889年、社会主義運動の国際組織である「第二インターナショナル」が5月1日を「労働運動の日」と定めています。

そして、その翌年の1890年5月1日に「第1回国際メーデー」が多くの国で開催され、労働者の権利を主張する日として世界各国に広まっていきました。これが、今に続くメーデーの起源となったのですね。

メーデーが日本で広まる経緯とその受難について

(c)Shutterstock.com

日本では、1905年に開かれた「平民社」主催の茶話会(さわかい)が、メーデーの先駆けになったと言われています。アメリカでは大規模なストライキが行われたのに対し、日本では“お茶を飲み語りあう会”という、なんとものんびりとした形で始まったのです。

そして、ロシア二月革命後の1917年には、社会主義者が集まったメーデー記念の集いを開催。その3年後の1920年には、日本で初めてとなる「第1回メーデー」が上野公園にて開催されました。

アメリカのメーデーでは労働者たちが主導したのに対し、日本では政治結社が主体となって労働組合に声をかけ、人を集めたところが大きな違いです。

参加した約1万人の労働者たちは、「8時間労働制の実施」や「失業の防止」「最低賃金の保障」といったスローガンを掲げて集会に参加しました。

しかし1936年の二・二六事件発生後、あまりにも社会主義色が強かったため、メーデーは開催自体が禁止されてしまいます。この年から1945年まで、日中戦争激化などの理由でメーデーが開かれることはありませんでした。

メーデー・日本の連合や大会も紹介

(c)Shutterstock.com

◆メーデーは日本にもある

第二次世界大戦中は政府により開催が禁止されていたメーデーでしたが、戦後の1946年、労働組合の活動再開とともに再び日本でも開催されることになりました。

メーデーの復活は日本の労働者の地位や労働条件の向上、労働者たちの権利拡大をはじめ、人権・労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求に深く貢献し、その役割を果たしてきたとされています。

現在日本のメーデーでは、アメリカの労働者たちが、労働条件の改善を訴え続けた想いを受け継いでいます。働く仲間とお互いをねぎらい、称え合いながら、家族や地域の人々にも楽しんでもらえるイベントとして愛され続けているのです。

◆メーデー・日本で開催された有名な大会

日本のメーデーの歴史の中でもいちばん有名なのは、戦後11年ぶりに再開された「第17回大会」でしょう。全国で100万人、東京だけでも50万人もの人が集まりデモを行う大規模な大会となりした。

この大会は、別名「食糧メーデー」や「飯米獲得人民大会」と言われました。当時のスローガンも「働けるだけ食わせろ」というもので、終戦直後の食糧事情が、いかに厳しいものであったかがわかります。

(c)Shutterstock.com

のちにGHQの支配も収まり、日本の主権も回復し始めた頃には、日本とアメリカにおける日米安全保障条約への抗議もメーデーで訴えられました。この「第23回大会」では、一部のデモ隊が警察に衝突して流血の惨事となり、「血のメーデー事件」とも呼ばれています。

その後、日本でのメーデーでは、社会主義的な政治活動の色合いがさらに濃くなっていくのです。このような歴史的背景もあり、1989年以降、全国統一のメーデーは開催されていません。全国の労働組合の再編や、社会人の労働組合への参加率低下も原因にあります。また、政治色の強さも敬遠される理由といえるでしょう。

しかし、日本労働組合総連合会(連合)は今も変わらず、毎年、東京・代々木公園にて「メーデー中央大会」を開催しています。連合の組合員をはじめ中央労福協、労金協会、全労済などの関係団体、NGO・NPOといった諸団体から、およそ4万人~5万人の仲間が結集し、中央式典や各種イベントに参加しているのです。

日本のメーデーは祝日ではないため、5月1日の直前となる土日に開催されることが多くなっています。ちなみに、今年(2025年)の「第96回メーデー中央大会」は、4月26日(土)に開催予定です。

先人たちの努力で実現された労働環境に感謝を

(c)Shutterstock.com

意外と知られていない、メーデーの意味や起源について辿ってきました。現在は当たり前となっている「8時間労働」ですが、たくさんの人の努力と訴えによって叶えられたということがわかりましたね。メーデーの存在が人々に労働環境の改善を強く意識づけ、その実現のために大きな役割を果たしてきたのです。

また、労働環境のみならず、私たち国民の人権や世界の平和にも大きく関わっていたことが、歴史的背景からうかがえます。今ある環境を当たり前とは思わずに改めて感謝し、見つめ直す時間を持つことも大切ですね。

メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock

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