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「昭和の日」とは?

平成から令和へ、年号が変わっても残り続けている「昭和の日」ですが、今後はどうなっていくのでしょうか 。本記事では、気になる「昭和の日」について深掘りしていきます。
「昭和の日」がなくなるかについて
2019年に新元号「令和」が制定され、新しい時代が始まりました。元号が変わった際には、「昭和の日」がなくなるのでは…? と考えた人も多かったようです。
内閣府で発表されている国民の祝日によると、今年令和7年だけでなく、令和8年の4月29日も「昭和の日」として記載されているので、しばらくはなくならないようです。
ただし今後、祝日に関する法律が改定されることがあれば、「昭和の日」がなくなる可能性もあります。もしくは、「昭和の日」が昔は「みどりの日」だったように、名称が変わりながらも、祝日として残っていくかもしれません。
元は「みどりの日」だった「昭和の日」。その前は…?
昭和天皇が崩御し、昭和から平成へと変わったとき、新しく12月23日が平成「天皇誕生日」として祝日に変わりました。そして昭和「天皇誕生日」の4月29日は、本来なら平日になるはずでしたが…。
日本国憲法が公布される以前の習わしでは、「天長節(天皇誕生日の旧称)」がなくなる代わりに、天皇が崩御した日を「先帝祭」としていました。しかし、現行の休日法では、昭和天皇の崩御日を休日に制定することはできなかったのです。
この頃、すでにゴールデンウィークが生活に定着しており、4月29日を平日にすると連休が従来より短くなってしまうことから、国民の生活へ影響が大きく及ぶと危惧されました。そこで、改正祝日法が施行。4月29日は祝日として引き継がれ、自然を愛していた昭和天皇を偲び「みどりの日」と定められました。
さらにその後、2007年(平成19年)に改正された祝日法で、4月29日を「昭和の日」に、そして「みどりの日」を5月4日に移動することが定められました。時代が移り変わっても、昭和という時代を日本国民が顧みることを促しているのかもしれませんね。
また、「みどりの日」を5月4日に移動させることで、5月3日「憲法記念日」と、5月5日「こどもの日」を飛び石連休にしてしまう事も回避しています。
「昭和の日」があって、明治・大正・平成の日はない理由

「昭和の日」のように、元号がついた祝日は他にありませんよね。しかし、年号が変わる際に名前を変えながら、祝日として残されている日はあるんですよ。
たとえば、11月3日。この日は明治天皇の誕生日でしたが、昭和23年に「文化の日」として改定されました。ただし、大正天皇の誕生日は祝日として残されていないのです。祝日として残そうという動きがなかったことや、大正時代が短かったことなども影響しているのかもしれません。
平成の30年間、「天皇誕生日」として祝日だった12月23日も、現在のところ平日のままです。
令和になり変更になった国民の祝日は「天皇誕生日」

先述のとおり、平成は12月23日が「天皇誕生日」でしたね。令和を迎えてからは、祝日法の改正により天皇陛下の誕生日である2月23日が新しく祝日となっています。
令和3年(2021年)に限って変更があった国民の祝日とは?
内閣府によると、【平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法等の一部を改正する法律】が令和2年12月28日に施行されました。これに伴い、改正後は【令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法第32条第2項の規定】に基づき、令和3年の「海の日」、「スポーツの日」及び「山の日」の日にちが変更されたのです。
海の日
本来は、7月の第3月曜日と定められている「海の日」。法律により、令和3年は7月19日(月)から7月22日(木)に変わりました。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日が「海の日」です。今年(令和7年)は、7月21日(月)となります。
スポーツの日
本来は10月の第2月曜日ですが、令和3年は7月23日(金)に変更。また、2018年に国民の祝日に関する法律の一部が改正され、「体育の日」という名称が「スポーツの日」に改められました。この日はスポーツに親しみ、健康な心身を培う日とされています。今年(令和7年)は10月13日(月)です。
山の日
本来8月11日と定められている「山の日」は、令和3年に限り8月8日(日)に。その次の日である8月9日(月)は振り替え休日となりました。山に親しむ機会を得ることと、山の恩恵に感謝する日が「山の日」です。今年(令和7年)は8月11日(月)です。
「昭和の日」に思いを馳せて

いかがでしたか? 祝日が近づくと気分が上がり、イベントには心が弾みますよね。でも、休日ということだけに気を取られ、その日がどんな由来の祝日なのか、わからないまま過ぎてしまうこともあります。気づけば令和も7年になり、誰もが日々忙しく過ごしているとは思いますが、たまには「昭和の日」について、思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
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