憲法記念日はいつ?
春の訪れが楽しみな今日この頃、次の大型連休といえばゴールデンウィーク! しかし、ゴールデンウィーク中の祝日における歴史的背景や由来について意外と知らないという人もいるのではないでしょうか。ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日に定められた祝日「憲法記念日」について、深掘りしていきましょう。
憲法記念日は5月3日
「憲法記念日」は、国民の祝日に関する法律で「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ための祝日です。簡単に言うと、「日本国憲法が施行された日」。
特に決まった行事や習わしといえますが、憲法は法治国家としての日本の根幹を成すもの。日本人として知っておきたい祝日の1つでしょう。

2025年の憲法記念日は土曜日
ところでみなさん、2025年のゴールデンウィークのスケジュールは確認済みですか? 今年は4月26日の土曜日から始まり5月6日の火曜日までが一般的なゴールデンウイーク期間となりますが、4月28日月曜・30日水曜・5月1日水曜・2日木曜は平日です。
4月26日 土曜
4月27日 日曜
4月28日 月曜
4月29日 火曜 祝日 昭和の日
4月30日 水曜
5月1日 木曜 平日 メーデー
5月2日 金曜 平日
5月3日 土曜 祝日 憲法記念日
5月4日 日曜 祝日 みどりの日
5月5日 月曜 祝日 こどもの日
5月6日 火曜 振替休日
土曜出勤のない人ならば、平日に休暇を取得すれば、最大11連休にすることもできます。
憲法記念日の由来について

「憲法記念日」は「日本国憲法が施行された日」
上記でも少し触れましたが「憲法記念日」は、「日本国憲法が施行された日」です。戦前の大日本帝国憲法に代わって、新たに制定されたのが日本国憲法。1946年11月3日に公布され、半年後の1947年5月3日に施行されました。そして1948年、正式に「憲法記念日」が祝日として定められています。
明治にできた大日本帝国憲法と日本国憲法では、どのような違いがあるのでしょうか。日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三原則を主体として成り立っています。
♦︎国民主権
戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)草案に沿って憲法改正の方針を決め、国民こそが国の主役であり、国のあり方を決めるのは国民であるとされました。
♦︎基本的人権の尊重
基本的人権とは、日本国民が人間らしく生きるための権利のこと。憲法は、日本国民が平等に持つ、誰にも侵すことのできない永久の権利として保障しています。
♦︎平和主義
日本国憲法第9条では、「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」を定めています。日本は、国々の間で争いが起こっても決して戦争はしません。また、この目的を達成するために戦力を持っていません。第2次大戦の反省から、憲法に取り入れられた原則です。
日本国憲法以前の大日本帝国憲法は天皇に主権があり、国民の基本的人権には制限がありました。また、軍の各大臣や参謀総長・軍令部総長たちは、天皇の命令の下、軍隊を持ち戦争をすることも認められていたのです。
日本国憲法の施行は、当時を生きていた人たちにとって、とても大きな変化だったことでしょう。

「憲法記念日」と「文化の日」
「憲法記念日」と11月3日の「文化の日」にはつながりがあるのでしょうか?
祝日法の制定時の報告書*によると、憲法実施の日の5月3日をとるか、公布の日の11月3日をとるかについて議論されたとか。結果として「憲法記念日」は、施行日である5月3日になりました。また日本国憲法が公布された11月3日は、戦争放棄を憲法で宣言した重大な日であることから、「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として「文化の日」と定められたのです。
この趣旨のもと、現在でも「文化の日」には芸術祭や文化勲章の授与、文化功労者の表彰などが行われています。
ちなみに明治時代、11月3日は「天長節(天皇の誕生日のこと)」という祝日でした。明治天皇が崩御された後、国民が「近代日本の礎を築いた明治天皇の功績を後世に伝えていくために、明治天皇の誕生日である11月3日を祝日にしてほしい」と運動を起こし、1927年に「明治節」という名称で祝日化。しかし第二次大戦後の1948年、GHQの命令により「明治節」は廃止されました。
*参議院文化委員会「祝祭日の改正に関する調査報告書」(昭和23年7月3日)
世界の憲法記念日
「憲法記念日」があるのは、日本だけではありません。世界の憲法記念日を見ていきましょう。ちなみに、世界各国の憲法記念日は、日本のように施行された日ではなく、公布された日を記念日としていることが多いようです。

ポーランドは日本と同じ5月3日が憲法記念日。中世の甲冑に華美な羽飾りをまとった衣装でパレードを行うようです。
インドでは憲法が公布された1月26日を共和国記念日とし、首都のニューデリーで大規模な軍事パレードが行われ、盛大にお祝いします。
ノルウェーでは1814年5月17日にノルウェー憲法が調印され、絶対君主制から民主的な立憲君主制へと変わりました。ノルウェーではこの日をナショナルデーとして、「ブーナッド」という民族衣装で正装するようです。
2025年の憲法記念日前後のスケジュール

前述していますが、2025年のゴールデンウィークのスケジュールは下記の通りです。
4月26日 土曜
4月27日 日曜
4月28日 月曜
4月29日 火曜 祝日 昭和の日
4月30日 水曜
5月1日 木曜 平日 メーデー
5月2日 金曜 平日
5月3日 土曜 祝日 憲法記念日
5月4日 日曜 祝日 みどりの日
5月5日 月曜 祝日 こどもの日
5月6日 火曜 振替休日
憲法記念日以外の祝日についても意味を知っておきたいものですね。
最後に
「憲法記念日」の歴史や由来について、深く理解できたでしょうか。戦後から長い月日が経ち、日本も世界も大きく変化しました。そのため、近年では憲法の改正を唱える人も。普段生活をしている中で、憲法について考えることは滅多にないかもしれません。
しかし、私たちが幸せに暮らせているのは、今日までたくさんの人々が諦めることなく、よりよい日本を追求してきたからです。祝日の歴史や背景を知ることで、今ある環境に感謝できるでしょう。
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