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2020.09.17

「文化の日」の意味や由来とは? 制定されるまでの経緯や文化勲章についてもご紹介

文化の日は、毎年11月3日に制定されている祝日の1つです。秋の祝日といえば、文化の日を想像する人も多いのではないでしょうか。当日には季節ならではのイベントも多い文化の日ですが、なぜ祝日として制定されるようになったのでしょうか。本記事では、文化の日の意味や由来、その起源について解説していきます。

【目次】
文化の日(11月3日)の意味や由来とは
文化の日が制定された経緯と文化勲章について
「文化の日」から「明治の日」へ変えようという動きがある?
最後に

文化の日(11月3日)の意味や由来とは

秋は行楽の季節。祝日には、家族や友達とお出かけするという人も多いと思います。今回は、秋の祝日の1つ、文化の日を取り上げて、その制定の経緯を解説します。「文化の日」という名称からは想像できないほど、意外な事実があるのです!

(c)Shutterstock.com

祝日の1つ、11月3日は文化の日。祝日には成人の日のように、○月の第○ ○曜日と決まっているものもあれば、春分の日や秋分の日のように、その年の暦によって決まるものなど、日付に変動があるものがありますが、文化の日は毎年同じ11月3日。

「国民の祝日に関する法律」(昭和23年 法律第178号)によれば、自由と平和を愛し、文化をすすめる日とされています。ちなみに、晴天が多い気象上の特異日としても知られています。

文化の日が制定された経緯と文化勲章について

文化の日が制定されたのは1948(昭和23)年。その2年前、1946年11月3日に新憲法が公布されたことを記念して定められました。「憲法が公布された日なのに、文化の日?」と思った人もいるかもしれませんね。制定の経緯をご説明しましょう。

◆文化の日ができた経緯

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少し時代をさかのぼりましょう。明治維新を機に、日本は武士の時代に終わりを告げ、近代化の道を歩み始めます。明治維新後、日本の祝祭日は皇室や神道の考え方に沿って定められていました。

例えば、2月11日は現在、建国記念日ですが、明治時代には初代天皇である神武天皇の即位日を指す紀元節という祝日でした。また、明治時代には、その時の天皇の誕生日を「天長節」と呼んでお祝いしていました。明治天皇の誕生日は11月3日。つまり、明治時代の天長節・11月3日は明治天皇の誕生日だったというわけです。

天長節は、時の天皇の誕生日ですから、大正時代に入ると11月3日は天長節ではなくなります。大正時代以降、11月3日は「明治節」と呼ばれて、引き続き休日でした。ちなみに、大正天皇の誕生日は8月31日だったので、大正時代の天長節もその日でした。

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時代は下がって1945年8月、第二次世界大戦が終結。連合国軍総司令部(GHQ)の占領下、1946年の明治節に新憲法が公布されました。帝国議会は、それまで国民にとって大切な日であった明治節を憲法記念日として残しておきたかったのかもしれません。

しかし、これに対してGHQが難色を示します。新憲法のもと、日本が再び過ちを起こさずに平和な国として歩むには、神格化されていた時代の天皇と憲法を切り離す必要があったのです。そこで、GHQは新憲法が効力を発揮する「公布から半年」目にあたる、5月3日を憲法記念日とするように求めたのです。

憲法記念日の制定について、国会で議論がなされました。旧皇族や華族が中心だった参議院では明治節への思い入れが強かったようですが、戦後新しく国民投票で議員が選出されるようになった衆議院では過去へのこだわりはあまりなかったようで、GHQ案が可決。「衆議院の優越」※の考えから、5月3日が憲法記念日となりました。

※衆議院の優越:衆議院と参議院の議決結果が異なる場合、衆議院の議決が優先されること

これで憲法記念日が確定しましたね。しかし、11月3日が文化の日になった理由はまだわかりません。この、5月3日が憲法記念日になることが決まりそうだった時、GHQが「11月3日を祝日とするなら、何の日とするか」と言ってきたのです。そこで、考えられたのが「文化の日」。

この記事の冒頭で文化の日とは「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」と説明しましたが、この文言の前段、「自由と平和」は新憲法にちなんで選ばれた文言なのですね。いかがでしょう。少し長くなりましたが、11月3日が文化の日となった経緯をご説明しました。11月3日が曜日にかかわらず祝日となるのは、もともとが天皇誕生日だったからなのですね。

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◆文化勲章の表彰式も文化の日に行われている

さて、文化の日に行われている行事があります。それは文化功労者および各褒賞の伝達式。文化を称える行事として、皇居において文化勲章の授与式が行われるのです。文化勲章自体は戦前、1937年に制定され、紀元節(2月11日)や天長節などに表彰式が行われていましたが、1948年以降は毎年文化の日に行われています。

ちなみに、勲章、褒賞は次の通りです。

勲章

1. 大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)
日本の最高位の勲章。

2. 桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)
旭日大綬章、または瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある人に授与。

3. 旭日章(きょくじつしょう)
国家、または公共に対して功労のある人を対象に、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた人。大綬章(だいじゅしょう)、重光章(じゅうこうしょう)など6つに分けられる。

4. 瑞宝章(ずいほうしょう)
国家、または公共に対して功労のある人を対象に、公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた人。大綬章(だいじゅしょう)、重光章(じゅうこうしょう)など6つに分けられる。

5. 文化勲章
文化の発達に関し特に顕著な功績のある人に授与。

6. 宝冠賞
女性のみに授与される勲章。

褒章

1. 紅綬褒章(こうじゅほうしょう)
自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人に授与。

2. 緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)
長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた人に授与。

3. 黄綬褒章(おうじゅほうしょう)
農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する人に授与。

4. 紫綬褒章(しじゅほうしょう)
科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人に授与。

5. 藍綬褒章(らんじゅほうしょう)
会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた人・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した人に授与。

6. 紺綬褒章(こんじゅほうしょう)
公益のため私財を寄附した人に授与。

7. 褒状(ほうじょう)
褒章を授与される方が団体等である場合に授与。

8. 飾版 (しょくはん)
既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合に授与。

「文化の日」から「明治の日」へ変えようという動きがある?

(c)Shutterstock.com

「文化の日」の名称について、近年、「明治の日」に変えようという動きがあります。

2018年12月13日、自民党有志議員による「明治の日を実現するための議員連盟」が、この名称変更に関する祝日法改正案の原案をまとめました。原案には、明治の日の意義について「近代化を果たした明治以降を顧み、自由と平和を愛し、文化をすすめ、未来を切り拓(ひら)く」と記載されており、近代化の一歩を踏み出した明治時代を振り返る日にしたいと述べました。

また、2019年10月末にはこの法案に賛同する市民団体が、この議員連盟宛に百万人を超える賛同署名を手渡しました。このような動きはここ10年くらい続いていますが、いまだ結論は出ていません。明治を近代日本のスタートとして捉える人がいる一方で、戦前回帰の政治的意図が感じられるとする人もあるようです。

最後に

晴れる日が多いことで知られる11月3日ですが、歴史を振り返ってみると、様々ないきさつや考えがあることがわかりました。文化の日に合わせて、美術館や博物館でイベントが行われたり、行楽を楽しんだりする人が多い日ですが、歴史のこんな一幕を知っておくのもいいですね。

TOP 画像/(c)Shutterstock.com


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