「サン・ジョルディの日」の基礎知識を解説

サン・ジョルディの日は、スペイン・カタルーニャ地方が発祥の記念日です。この日には、親しい人と本やバラの花束などを贈り合います。昨今、日本でも認知度が高まってきているようですが、聞き慣れないという人も多いでしょう。
はじめにサン・ジョルディの日がいつなのか、そして「世界 本の日」になった理由、どのようにして記念日となったのかについて解説します。さらに由来となったドラゴンとサン・ジョルディの伝説も、あわせてチェックしていきましょう。
サン・ジョルディの日とは「4月23日」!
サン・ジョルディの日とは、大切な人と本や花を贈り合う記念日です。名前の由来となったのは、スペイン・カタルーニャ地方の守護聖人であるサン・ジョルディ(Sant Jordi)という騎士。カタルーニャでは、サン・ジョルディが殉教した日である「4月23日」に、贈り物をし合って愛を伝える習慣が定着しています。
「世界 本の日」になった理由
サン・ジョルディの日は、「世界 本の日」でもあります。世界 本の日ができたのは、1995年11月にパリで開催されたユネスコ総会。スペインの提案に基づき、毎年4月23日を世界 本の日とする宣言が採択されたのです。
4月23日は、サン・ジョルディが殉教した日であるだけでなく、シェイクスピアやセルバンテスといった名だたる文豪の命日。このように、本との結びつきが強い日であるため、〝世界的に本に親しむ日〟として制定されたようです。日本でも、愛と知性の文化運動としてPR活動がおこなわれています。

サン・ジョルディの日はスペインで誕生
先述のとおり、サン・ジョルディの日はスペイン・カタルーニャで誕生しました。当日には、カタルーニャの街中に花や本を売る出店が立ち並び、多くの人々でにぎわいます。
カタルーニャは1977年に自治権を回復するまで、独自の言語などを抑圧されていた時期が長く続きました。その影響で独立意識が強く、独自のカルチャーなどを大切にする地方です。歴史的にカタルーニャの人々が「自分らしさ」を大切にしてきたため、豊かな教養や文化を育んできたといわれています。
由来となったドラゴンとサン・ジョルディの伝説
サン・ジョルディの日の由来となったのは、ドラゴンと王女様とサン・ジョルディの伝説です。伝説は、以下のようなものだったといわれています。
昔、カタルーニャと呼ばれる国に恐ろしいドラゴンがいて、毎日1人ずつ生贄を捧げなければなりませんでした。王女様が生贄になる番となり、ドラゴンへ差し出されようとしたとき…サン・ジョルディという騎士が現れ、ドラゴンを剣で退治しました。
突き刺した剣からドラゴンの血が地面に流れ落ちた後、そこに見たことがないほど美しい赤いバラが咲いたといわれています。そして、騎士がその赤いバラを王女様にプレゼントしたのです。
サン・ジョルディの日のプレゼント

勇敢に戦った英雄が由来となっているサン・ジョルディの日ですが、元々は男性から女性へ赤いバラを、女性から男性へ本を贈り合うのが主でした。その後、親子や友だちといった関係でもプレゼントし合うようになったそうです。
サン・ジョルディの日のプレゼントにおすすめのアイテムと、バラを贈る意味をご紹介します。
本
世界 本の日でもあるサン・ジョルディの日。文学に縁が深い影響もあり、プレゼントに本がよく選ばれているのです。
本は「知性・教養のシンボル」でもあります。送別会といった予定が多い時期でもあるため、この日にちなんで会の主役へ本をプレゼントしてみてもいいでしょう。
花束
サン・ジョルディの日のプレゼントには、花束もよく選ばれています。贈る花には、先ほどご紹介した伝説にも出てきた赤いバラを選ぶことが多いよう。
伝説の中でサン・ジョルディは、ドラゴンを倒して美しい赤いバラを王女様に渡しました。そこから、愛する人にバラを贈ってお祝いする日として定着したのです。
贈る本数や色で変わるバラの意味
「愛と美しさのシンボル」であるバラのギフトですが、贈る本数や色によって込められている意味が変わることをご存じでしょうか?
サン・ジョルディの日の定番である赤いバラには、「愛情」「情熱」「美しい」「熱烈な恋」「あなたを愛しています」などの花言葉があります。恋人への贈り物としてぴったりですね。
ピンクのバラならば「上品」「感銘」「輝かしい」「恋の誓い」、白いバラは「尊敬しています」「純粋」「約束を守る」、黄色のバラは「友情」「励まし」「恋に飽きた」など。恋人へのプレゼントにふさわしいのは、やはり赤やピンクで、黄色は避けたほうが無難です。「友情」を表しますので、黄色は友達へのプレゼントにするとよいでしょう。
また、バラは本数にも花言葉があるのです。1本ならば「一目ぼれ」「あなたしかいない」、2本ならば「この世界はあなたと私の2人だけ」、3本は「愛しています」、4本は「死ぬまで気持ちは変わりません」などの意味が込められています。
色と本数、それぞれの花言葉を組み合わせて、大切な人へ贈りましょう。
サン・ジョルディの日を楽しもう!

スペイン・カタルーニャ地方が発祥のサン・ジョルディの日は、親しい人と本やバラの花束などを贈り合う記念日です。さらに、4月23日はセルバンテスやシェイクスピアなどの文豪の命日でもあり、世界的に本に親しむ日として制定されています。
この日に贈ることが多いバラは、花の色や花束の本数によって込められている意味が変わります。ロマンティックな記念日であるサン・ジョルディの日には、花言葉までチェックして贈り物をしてみるとよいでしょう。
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