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「ご教授いただければ幸いです」の意味
「ご教授いただければ幸いです」は「教えてもらえると嬉しいです」を丁寧に言い換えた表現です。「ご教授」とは、学問や技芸などを継続的に教えてもらうことを指しており、専門的な知識を学ぶ際に使われるのが一般的でしょう。
そのため、ビジネスで頻繁に使うというよりも、専門家から話を聞きたい時などに使います。「幸いです」は「光栄です」や「幸甚に存じます」などと言い換えても良いですね。
「ご教授ください」と言い切ってしまうのではなく、「ご教授いただければ…」と相手に選択の余地を与えていることで、より丁寧な言い回しになります。
メールの参考に! 使い方を例文でチェック
「ご教授いただければ幸いです」は、主にメールでのやりとりで使うことが多いでしょう。ここでは、正しい使い方を例文と共に確認していきます。目上の方と連絡を取る際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:この研究分野を専門としている高山先生に、ご教授いただければ光栄でございます。
先ほども紹介したように、「ご教授」は専門的な知識を教えてもらう時に使います。そのため、専門家にアポイントメントを取る際に最適なフレーズでしょう。仕事上で、どうしても専門的な意見や知識が必要になることもありますよね。そんな時は「ご教授いただければ幸いです」をうまく活用してみましょう。
2:当レポートについて、なにか不足している点がありましたら、ご教授いただけますと幸いです。
ただ単に書類の不備などを指摘してもらう際に、「ご教授」というワードを使うのは少し大げさな印象を与えてしまいます。専門知識をまとめたレポートを確認してもらう時に、このフレーズを使うと良いでしょう。文頭に「お手数をおかけしますが」や「大変恐縮でございますが」などとワンクッションを置くことで、より丁寧な表現になります。
3:お忙しいとは存じますが、ぜひ貴社にプログラミング技術をご教授いただければ幸いです。
このように、専門的な技術を学びたい時にも「ご教授」を使うことができます。「お忙しいとは存じますが」も様々な場面で使えるフレーズなので、覚えておくと良いでしょう。
4:今後とも引き続きご教授いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します。
主に、最後の締め文として使えるこのフレーズ。例えば年末年始に、いつもお世話になっている方に向けての挨拶として伝えてみましょう。丁寧で礼儀のある印象を与えるはずです。
「ご教示」との違いは?
「ご教授いただければ幸いです」の類似表現としてよく挙げられるのが「ご教示いただければ幸いです」というフレーズ。「ご教授」と「ご教示」は似ている言葉ですが、ニュアンスは若干異なります。2つの違いについて理解するために、以下で「ご教示」を使ったフレーズを見ていきましょう。
「ご教示」の意味
「ご教示」は、知識や方法を教え示すという意味です。「ご教授」の場合は、専門的な技術や知識を継続的に教えるという意味がありましたよね。それに比べて「ご教示」は、特に分野などは定まっておらず、その場その時に解決できるような事柄について教え示すという意味があります。そのため、ビジネスではどちらかというと「ご教授」より「ご教示」の方が頻繁に使うでしょう。
「ご教示」を使った例文
次は例文を紹介します。実際にどのようなシチュエーションで「ご教示」を使うのか、具体的な例文で見ていきましょう。
1:恐れ入りますが、この用紙の記入方法についてご教示いただきたく存じます。
このように「ご教示」は、方法や手順を教えてもらいたい時に使います。「ご教授」を使う場合と同様、文頭にクッションになるような一言を添えると、さらに丁寧な印象になるでしょう。他にも「ご教示願います」や「ご教示のほど、よろしくお願いいたします」など様々な言い回しがあります。
2:ではお手数をおかけしますが、予定が分かり次第ご教示いただければ幸いです。
スケジュールについて聞く際も「ご教示」を使うと良いでしょう。ただし、「ご教示」というフレーズは丁寧な表現である分、相手との距離感を表す言葉でもあります。そのため身近な先輩や、知り合いに使ってしまうと親しみにくい印象を与えてしまうかもしれません。身近な関係である人には、シンプルに「教えていただけますか?」と使う方が良いでしょう。
3:このプロジェクトの詳細についてご教示いただきたく存じます。
例えばプロジェクトの内容について、専門家からアドバイスをもらう際には「ご教授」を使う方が望ましいでしょう。しかし、双方の会社でプロジェクトの詳細を確認したり、上司から詳しい話を聞くという場合には「ご教示」を使うのが一般的です。つまり、専門的な分野になれば「ご教授」、それ以外であれば「ご教示」を使うというように覚えておくと良いでしょう。
「ご教授いただければ幸いです」を使う上で気をつけるポイント!
「ご教授」と「ご教示」の違いについては、理解していただけたでしょうか? これらをふまえた上で、最後に「ご教授いただければ幸いです」を使う際の注意点を、3つまとめていきます。これで、あなたも使い方をマスターしましょう!
1:専門分野を教わる時に使う
繰り返しになりますが、「ご教授」は専門分野を教わる場合に使う言葉です。そのため、普段のビジネスシーンで、質問やアドバイスをもらう際には「ご教示」を使う方が望ましいでしょう。
2:相手との関係性を意識する
「ご教授いただければ幸いです」は、自分よりはるかに立場が高い上司や、他会社の方に向けて使う丁寧表現です。かなり丁寧な言い回しなので、その分堅い印象を与える可能性があります。相手との関係性を考えて、使い分けることが大切でしょう。
3:文頭に一言クッションを置く
「恐れ入りますが」や「お忙しいとは存じますが」など、一言文頭に添えるだけで、相手への配慮が感じられますよね。あくまでもこちらは教えてもらう立場ですので、失礼のないようクッションを置いてから頼んでみると、さらに印象が良くなりますよ。
最後に
今回は「ご教授いただければ幸いです」について解説しました。ビジネスにおいて、言葉遣いや話し方はその人の印象を決める重要なポイントになります。様々な敬語表現がありますが、細かなニュアンスの違いもしっかり理解しておくことで、相手と気持ちよく会話することができるでしょう。
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