この記事のサマリー
・「ご教示いただけますでしょうか」は、相手に教えを請う丁寧な敬語表現です。
・仕事の予定や方法など、具体的な内容を尋ねる場面で使います。
・目上の相手には、クッション言葉を添えると、より配慮のある依頼になります。
ビジネスでの定番フレーズ「ご教示いただけますでしょうか」。うまく使いこなせていますか? 目上の人にも使える丁寧な表現なので、正しく使うことで印象もアップするはず。
というわけで「ご教示いただけますでしょうか」の意味や使い方、類語などを一つずつ見ていきましょう。
「ご教示いただけますでしょうか」とは?
まずは意味から確認していきます。
意味
「ご教示いただけますでしょうか」は簡単にいうと、「教えていただけますか?」という意味です。「教示(きょうじ)」とは「知識や方法を教え示すこと」。相手に仕事のやり方などを教えてほしいとお願いする場合の、丁寧な表現です。
言葉の成り立ち
続いて、「ご教示いただけますでしょうか」の言葉の成り立ちを紐解いていきましょう。「ご教示」は、「教え示すこと」を表す「教示」に、尊敬を表す接頭語「ご」がついています。
続く「いただく」は、相手にへりくだって敬意を表す謙譲語です。「ますでしょうか」は、「だろう」に丁寧表現が重なった言い回しです。
様々な敬語要素が含まれた言葉のため二重敬語ではないかと思われることもありますが、「ご教示いただけますでしょうか」は正しい敬語表現とされています。ただし、丁寧すぎる印象を与える可能性があるため、状況に応じて言い換えることをお勧めします。
使い方を例文でチェック!
目上の相手に何かを教えてもらうときの丁寧な表現「ご教示いただけますでしょうか」。ここでは代表的な3つの使い方を紹介します。

お忙しいところ恐れ入りますが、来月の予定をご教示いただけますでしょうか?
「ご教示」は、上司に対してスケジュールを確認する場合などに使います。来週や来月など、知りたい時期が具体的に定まっていることがポイントです。
または取引先やお客様の予定を知りたい場合には、「都合のいい日時をご教示いただけますでしょうか」としてもいいでしょう。
差し支えなければ、○○についてご意見をご教示いただけますでしょうか?
取引先に対して意見を求める場合には、クッション言葉に「差し支えなければ」を使うと、控えめで丁寧な印象を与えられます。
また、「ご教示」は、教えてもらいたい事柄が明確である場合に使う言葉なので、「○○について」と具体的に伝えましょう。
お手数おかけいたしますが、資料の送付先をご教示いただけますでしょうか?
仕事についてわからないことがある場合に、「ご教示いただけますでしょうか」を覚えておくと便利です。
自分の都合で相手の手を止めてしまう場合には、「お手数をおかけいたしますが」や「ご面倒をおかけしますが」などをクッション言葉として添えると、相手への気遣いを示せます。
類語や言い換え表現は?
「ご教示いただけますでしょうか」は、便利な表現ですが、使う相手や状況によってより適切な表現が存在する場合もあります。似た言い回しや類語を覚えて、正しく使い分けていきましょう。

ご教授いただけますでしょうか
「教授(きょうじゅ)」とは、「生徒に学問や技芸を教え授けること」。学問や技芸を教わる相手に対して使う言葉なので、尊敬を表す接頭語「ご」をつけます。
ある程度の長い期間、専門的な知識を教えて欲しい場合に使われるのが「ご教授」。一方、スケジュールや意見など、教えて欲しいことが明確で、すぐに答えられる内容の場合は「ご教示」です。
本来は「ご教授」と表現すべき場面で「ご教示」と言ってしまうと、相手に軽々しい印象を与える可能性があります。相手に失礼にならないように、しっかりと使い分けましょう。
ご指導のほどよろしくお願いいたします
「ご教示」の類語である「ご指導」や「ご指南」は、「ご教示」とはやや使う場面が異なるため、注意が必要です。「ご指導のほどよろしくお願いいたします」は、今後お世話になる相手への挨拶を兼ねて使われます。
また、「ご指南」は、「ご指導」と同じく「教え導くこと」を指しますが、教えてもらう内容が、武術や芸事に限られるとされています。例えば、剣道や華道などの教えを乞う場合に、「ご指南をよろしくお願いいたします」と伝えることがあります。
ご教示ください
一見、丁寧に聞こえる「ご教示ください」ですが、使う際には注意が必要です。「ください」は、相手に依頼する表現ですが、命令形に近い印象を与えることがあります。丁寧な意味合いはあるものの、命令口調に感じ取れる言い方でもあるため、目上の人に使うのは避けた方が無難でしょう。
ご教示願います
「ご教示願います」も、「ご教示ください」と同様に、使い方に注意したい表現です。相手に何かをしてもらうときに使う「願います」は、「願う」に丁寧語の「ます」がついた表現です。かしこまった表現ではありますが、命令的に受け取られることもあるため、使う相手を選んだほうがいいでしょう。
上司や取引先の人には、状況によっては避けたほうが無難です。
「ご教示」の英語表現を例文でチェック
海外の取引先に、仕事の予定や内容を尋ねることもあるはずです。あらかじめ、英語での依頼表現も覚えて、スムーズにコミュニケーションが取れるようになりたいですね。

相手に何かを教えてもらいたい場合には、「教える、教え示す」という意味を持つ、「tell」や「teach」を使ってみましょう。また、質問をするときには、「could you〜?」「Would you〜?」を使うことで、相手への敬意を伝えられますよ。
・Could you tell me about your plans for next week?(来週の予定について、ご教示いただけますでしょうか?)
・Could you teach us how to use this computer?(コンピュータの使い方について、ご教示いただけますでしょうか?)
・Could you give us your opinion about the product?(その商品についてご意見をご教示いただけますでしょうか?)
・Would you please teach me about that matter?(その件につきましてご教示いただけますでしょうか?)
最後に
「ご教示いただけますでしょうか」は、上司や取引先の人に使える丁寧な敬語表現です。
ビジネスの場面では、相手に対して仕事の予定を伺ったり、技術について学ぶ機会も多いもの。そんなときに正しい言葉遣いを押さえておくことで、自信を持ってコミュニケーションをとることができるでしょう。「ご教授」や「ご指南」などの類語も合わせて覚えて、うまく使い分けたいですね。
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武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
ライター所属:京都メディアライン



