【目次】
・「ご教授ください」の意味とは?
・「ご教授ください」の使い方を例文でチェック
・「ご教授」と「ご教示」の違い
・「ご教授」の類語にはどのようなものがある?
・最後に
「ご教授ください」の意味とは?
ビジネスシーンでよく耳にするフレーズのひとつ、「ご教授ください」。ビジネスシーン以外でも楽器やスポーツなど、相手に何かを教えてもらいたいときにも使うことがありますよね。
よく耳にする「ご教授ください」ですが、実は正確な使い方を知らないと、失礼に当たることも…。「ご教授ください」の正確な意味と使い方についてご紹介していきたいと思います。
まず、「ご教授ください」の読み方です。「ご教授ください」は「ごきょうじゅください」と読みます。「教授」という言葉に、尊敬の接頭語である「ご」と、相手から何かを求める尊敬語の「ください」とを組み合わせた言葉。
「教授」と聞くと、「大学や専門学校で専門の学問や技術について研究をする人」といったイメージを持つ人も少なくないと思います。実際に、「教授」にはそういった意味もありますね。
ただし、「ご教授ください」で使われている「教授」の意味は、「特定の学問や技術、技能について教えること」。そこから、「ご教授ください」は、「専門的な知識や技術を教えてください」といった意味で使われています。
「ご教授ください」の使い方を例文でチェック
「ご教授ください」の意味についてご紹介しました。次に「ご教授ください」が使える場面を、ポイントも合わせてご紹介していきます。
1:「この道を究めるために、先生のもとで勉強をさせたいただきたく参りました。どうか、ご教授ください」
基本的な「ご教授ください」の使い方です。「ご教授ください」はある程度の期間、継続的に教えを乞いたい場合に使います。
2:「どうか私に料理の基礎を、ご教授いただけませんか?」
「専門的な知識や技術」といっても教育上の学問だけではありません。例文のように料理のような技術に関しても「ご教授ください」を使うことができますよ。ただし、短時間でさっと教えられるような内容に関しては使わないため、注意が必要です。
3:「先程お送りしましたデータについて、何かお気づきの点がございましたらご教授ください」
ビジネスシーンにおいて「ご教授ください」は、業務の進め方や内容についての確認など、重要なことを教えてもらいたいときに使います。そのため、相手に「ご教授ください」を伝える方法に注意をしましょう。
「ご教授ください」は、重要な内容を教わりたいときに使う言葉。そのため、メールなど、重要なお願いを簡単にできる方法でお願いをすることは失礼にあたります。「ご教授ください」と伝えたいときは対面など、口頭で伝えるようにしましょう。
「ご教授」と「ご教示」の違い
「ご教授ください」の「ご教授」によく似た言葉で「ご教示」という言葉も耳にすることが多いと思います。実は、この「ご教示」の意味は、「ご教授」と異なることをご存じでしょうか?
「ご教示」は「ごきょうじ」と読みます。意味は、「知識や情報を教えること」「何かの方法を具体的に示し教えること」。この知識や情報、方法は専門的なものに限りません。
つまり、「ご教示」は「教えてもらいたい内容が単純な内容のとき」「その場ですぐ疑問を解消できるような質問のとき」に使うことができます。ビジネスシーンだと、スケジュールの確認や在庫状況の確認をしたいときに使われますよ。
また、単純な内容に関して尋ねるときにも使えることから、メールでも使うことができます。重要な内容に関して尋ねるときに使う「ご教授」とは異なりますね。
ビジネスシーンでは基本的に「ご教示」のほうが使う場面が多いです。比較的簡単にお願いできる内容のときは「ご教示」、口頭で伝えるような重要な内容のときは「ご教授」と使い分けするようにしましょう。
「ご教授」の類語にはどのようなものがある?
最後に、「ご教授」の類語をご紹介します。類語を知っておくことで、様々な場面に応じて適切な言葉を使い分けることができるようになりますよ。
1:ご指南
「ご指南」の意味は、「武術や芸能について正しい道を教えること、指導すること」。そのため「ご指南」は、専門的な技術について教えてもらいたいときに使います。知識や学問について教えてもらいたいときには使えないため、「ご教授」から言い換えるときは注意が必要です。
2:ご指導
「ご指導」の「指導」の意味は、「知識や技術について、正しい方向に手引きをすること」。「手引きする」という意味があるように、「指導」は「親身になって相手を導く」といった意味があります。
「ご教授」は、「教える」という意味はあっても、「導く」という意味はありません。そのため、「より親身になって教えてもらいたい」というときは「ご指導」を使いましょう。
3:ご鞭撻
「ご鞭撻」は「ごべんたつ」と読みます。意味は「強く励ましながら教育をすること」。元々は「鞭を打ちながら厳しく矯正する」という意味で使われていましたが、現在では挨拶の常套句として使われていますよ。
「教育」という意味から、目上の方に対して使う言葉です。そのため、目下や対等な立場の相手に対しては使いません。また、「ご指導ご鞭撻」といったように、「ご指導」と一緒に使うことも多いですね。
最後に
「ご教授ください」について、いかがだったでしょうか? ビジネス用語は、周りの使い方を真似てしまうことがありますよね。しかし、注意をしなければ「ご教授」と「ご教示」のように、伝えたい言葉と伝わる言葉が大きく変わってしまう可能性もあります。
言葉の意味と使い方をマスターし、適切な使い分けができるようになると、ビジネスに良い影響を与えることができますよ。
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