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「教えてください」の意味
改めて考えると、「教えてください」は敬語なのでしょうか? 敬語か普通語なのか分からなくなった時は、言葉を分解すると分かりやすくなります。例えば、「教えてください」の場合、「教える」と「ください」に分けることができますよね。
「教える」は動詞で、「ください」が補助動詞にあたります。「ください」は、相手に何かを依頼したり、行動するよう促したりする時に用いられる敬語表現です。したがって、「教えてください」は正しい敬語になります。
「教えてください」は口語的
先に述べた通り、「ください」は、相手に行動を促す際に用いられる表現です。それゆえに「教えてください」を使う時は、相手や状況に気を付けなければなりません。
加えて、「教えてください」は、口語的な表現です。相手にくだけた印象を与えるため、ビジネスや文面上でのやりとりの使用は控え、他の言い回しをすることをおすすめします。
「教えてください」のより丁寧な表現
では早速、「教えてください」の丁寧な表現について紹介します。汎用性が高く、ビジネスシーン以外にも使える場面がありますので、参考にしてください。
1:教えていただけませんか
「教えていただけませんか」の「いただく」は、「もらう」、「食べる」、「飲む」の謙譲語にあたります。謙譲語は自分がへりくだることで、相手への敬意を高めることができるため、「教えてください」よりビジネスシーン向きの表現です。
2:お教えください
「お教えください」の「お」は、敬語をつくる接頭辞です。「食事」や「返事」など名詞の前に「お」をつけることで、丁寧な表現になりますよね。今回は、「教える」という動詞の前につけることで、尊敬の意を表しています。
3:お教え願えますか
こちらの表現も、尊敬を表す接頭辞が用いられています。加えて、丁寧語の「ます」も「願う」という動詞の後につけられていますので、丁寧な表現です。しかし、「教えていただけませんか」や「お教えください」と違い、「願う」という動詞は、謙虚さに欠けるという印象を与える場合があります。
したがって、取引先相手の方や、親しくない上司の方に使うのは避けたい表現です。
「教えてください」の言い換え表現
続いては、「教えてください」の言い換え表現について紹介します。「教える」という言葉よりもワンランク上のかたい表現になるため、より丁寧な言葉遣いです。家族や友達、知り合いなどに使う場面は少ないかもしれませんが、フォーマルな場面では大活躍する表現になります。
1:ご教授
「ご教授」は、「ご教授のほど、よろしくお願いいたします」のように使います。意味合いとしては「教える」と同じです。しかし、「教えてもらう対象」が「教える」とは少し異なります。「教える」は、物事全般について使うことができますが、「ご教授」は、学問や、専門分野といった特に限られた範囲について教えてもらう際に使う言葉です。
2:ご教示
「ご教示」は、「ごきょうじ」と読みます。「ご教示」も「ご教授」と同様、意味自体は「教える」と同じです。しかし、「教えてもらう対象」の範囲は、「ご教授」より広範囲で、方法や物事、知識全般になります。
「新しい経営方針について、ご教示いただきますようお願い申し上げます」というように使うことができる言い換え表現です。
3:ご指導
他にも、「ご指導」という言い換え表現がありますよ。「ご指導」は、「教える」とは少しニュアンスが異なります。「教える」というのは、物事や知識、マナーなどを「示して伝える」ということです。一方、「指導」には、ただ伝えるというだけでなく、「示して導く」というニュアンスが含まれています。
したがって、「ご指導」を用いることで、目標に到達するための教えを請いたいという積極的な意思を示すことが可能です。
「今後とも、ご指導のほどよろしくお願いいたします」のように活用することができます。
メールでの「教えてください」の使い方
メールは、対面と違って相手の顔色を窺うことができません。それゆえに、失礼のないよう特に気を配るようにしましょう。また、口頭では不自然に聞こえなかった言葉でも、文字としてみると不自然に感じられる場合も多いです。この機会に、正しい言葉遣いをマスターしましょう!
「教えてください」よりも言い換え表現を使う
メールにおいて、何か教えて欲しいと伝える場合は、「教えてください」よりも先ほど紹介した言い換え表現の「ご教授」、「ご教示」、「ご指導」を用いると好印象。
「教えてください」も、正しい敬語ではあるのですが、相手に何かをしてもらうということから、よりかしこまった表現をする方がベターです。
教えてもらったお礼のメールの仕方
相手から何か教えてもらったら、必ずお礼のメールを送りましょう。送る際のポイントは、感謝の気持ちをしっかりと伝えることです。
例えば、「教えてくださりありがとうございました」という表現があります。「教えてくださり」という表現からは、「あなたが私に教えてくれたことを感謝する」というニュアンスを強く伝えることができます。
もう一つは、「教えていただきありがとうございました」です。「教えていただき」は、「教えてもらった」という意味合いになるため、「あなたに教えてもらったことをありがたく思い、感謝する」というニュアンスになります。
「教えてください」の英語表現
最後に、いざという時に使えると便利な「教えてください」の英語表現を紹介します!
1:inform
「inform」は、フォーマルな場面で使われることの多い動詞で、「教える」や「伝える」という意味があります。デパートなど、建物の案内をしてくれる場所を「インフォメーション」といいますよね。
「Please inform me」が「教えてください」という丁寧な言い回しです。
2:let me know
「let me know」の「know」は、「知る」という意味を持っています。「let」は使役動詞なので、「let me know」という表現をすることで「知らせてほしい」というニュアンスを含むようになるのです。
「I hope you will please let me know」と使うことで、「ぜひ教えてください」と表現することができます。
最後に
敬語は、日本語の中でも特に難しい分野ですよね。尊敬の意を込めて使ったつもりが、間違った使い方をしてしまって相手に不快感を与えてしまうことも。
だからこそ、正しい知識を知っておかなければなりません。分からないことを聞くことはとても大切です。紹介した「教えてください」の使い方をぜひ役立ててくださいね。
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