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2025.01.15

狼狽えるとは不意を打たれて取り乱すこと|意味や由来、例文、類語表現

「狼狽える」の読み方は、「うろたえる」です。また、送り仮名を付けずに「狼狽」とだけ表記する場合もあります。

この記事では、狼狽える・狼狽・周章狼狽という言葉の意味や語源・由来、例文、類語表現などを解説します。ぜひ参考にしてください。

「狼狽える」とは?基礎知識を解説

「狼狽える」とは、驚いたり慌てたりして取り乱すことなどを指す言葉です。ひらがなで表記した「うろたえる」という表現自体は使用頻度が高いものの、漢字で書かれていると意味や読み方がわかりにくくなる言葉かもしれません。

はじめに、「狼狽える」という言葉の意味や語源・由来、使い方・例文を確認しましょう。

狼狽えるの意味

狼狽えるには、2通りの意味があります。

1つ目の意味は、「不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱すこと」です。同様のことを指して「狼狽(ろうばい)する」ともいいます。たとえば「噓がばれて狼狽える」などと表現します。

2つ目の意味は、「うろうろと歩く」「うろつく」です。

基本的には、狼狽えるを1つ目の意味で使うことが多い傾向にあります。2つ目の意味は1つ目と比較すると使用頻度が高くはないものの、知っていると言葉の響きから読み方をイメージしやすくなるかもしれません。

うろた・える〔うろたへる〕
[動ア下一][文]うろた・ふ[ハ下二]
1 不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱す。狼狽 (ろうばい) する。「うそがばれて—・える」
2 うろうろと歩く。うろつく。「このあたり—・へて、見つけられてはいとしいことと」〈浄・冥途の飛脚〉

出典:小学館 デジタル大辞泉

狼狽えるの語源・由来

「狼狽える」の語源・由来には、諸説あります。

中国の古文書に記載されている「狼(ロウ)」と「狽(バイ)」の伝説の動物が、由来となった説が有力です。

この場合の「狼」は、現実にいる「オオカミ」と同一ではなく「前足が長くて、うしろ足が短い伝説の動物」を指します。また、狽とは狼に似た見た目で、「前足が短くうしろ足が長い」のが特徴とされる伝説の動物です。

狼と狽は常に一緒に行動し、狼に狽が乗ることでバランスを取っているのだとか。この説での語源は、2頭が離れると倒れて慌てふためいてしまうことです。

ただし、最近は以下のような説も注目されているようです。

・そもそも「狼」と「狽」自体に、「乱れる」や「よろける」の意味がある
・「狼」と「狽」どちらにも意味がなく、擬態語としての当て字

狼狽えるの使い方・例文

狼狽えるの使い方を、実際に簡単な例文で確認しましょう。

・完璧に準備をして会議に臨んだはずだったが、いきなり想定外の質問をされて狼狽えてしまった
・彼はいつも他人の手柄を自分のものにしようとしていた。先日、そのことが取引先に知られてすごく狼狽えていたよ
・彼は、最近彼女に浮気がばれて狼狽えているようだ

これらのように、狼狽えるという言葉は1つ目の意味で使われることが多い傾向にあります。

走っている人のイラスト
(c)AdobeStock

同じ漢字を用いた関連語

狼狽えるという言葉には、以下のとおり同じ漢字を用いた関連語があります。

・狼狽(ろうばい)……不意の出来事に慌ててうろたえること
・周章狼狽(しゅうしょうろうばい)……慌てふためくこと

このように、どちらも狼狽えると似た意味で用いられている言葉です。また、「狼狽」と書いて「うろたえ」と読む場合もあります。「うろたえ」と読む場合は、狼狽えるの名詞形として使います。

「狼狽」と表記した場合の読み方・意味・使い方

「狼狽」と表記した場合の読み方は、「ろうばい」です。意味は「不意の出来事などに慌ててうろたえること」で、こちらも「狼」と「狽」という伝説の動物が由来となったとされる言葉です。

たとえば、以下のように使います。

・彼の所有する株の価値が急落し、非常に狼狽しているようすだった
・母が急病で倒れたとき、父はひどく狼狽していた

「周章狼狽」の読み方・意味・使い方

「周章狼狽」の読み方は、「しゅうしょうろうばい」です。「慌てふためくこと」「うろたえ騒ぐこと」などを意味します。

「狼狽」は、慌ててうろたえることを指す言葉です。また、「周章」にも「慌てる」という意味があります。周章狼狽は、これら2つの同じような意味を持つ言葉を重ねることで、その意味を強調する表現です。

たとえば、以下のように使います。

・会社の不祥事にかかわっていないかと詰問されて、彼は周章狼狽していた
・いつまでも周章狼狽していないで、このピンチを乗り切るような策を考えよう

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狼狽えるの類語・言い換え表現3つ

狼狽えるの類語・言い換え表現の例は、以下のとおりです。

・慌てる(あわてる)……普段の落ち着きを失うこと
・取り乱す(とりみだす)……心の落ち着きを失うこと
・面食らう(めんくらう)……突然の事態に驚きとまどうこと

これらのほかに、「まごつく」「右往左往(うおうさおう)」「泡を食う」なども、文章の内容によっては狼狽えると言い換えられる表現です。

それでは、狼狽えるの類語・言い換え表現の意味などを確認しましょう。

ノートパソコンの前で頭を抱えている人の後ろ姿
(c)AdobeStock

慌てる(あわてる)

「慌てる(あわてる)」とは、「思いがけない物事に出会って、普段の落ち着きを失う」「うろたえる」を意味する言葉です。また、「慌てて〇〇する」という形で、なにかの行動を急いでおこなうことを指す場合もあります。

たとえば、以下のように使います。

・あのときは、突然の知らせにすっかり慌てていた
・入社すぐの新人が一人で取引先に向かってしまったと聞き、慌てて駆けつけた

取り乱す(とりみだす)

「取り乱す(とりみだす)」は、「心の落ち着きを失う」「見苦しいようすをする」という意味を持つ言葉です。また、「だらしなく乱す」「乱雑にする」「取り散らかす」などといった意味もあります。

たとえば、以下のように使います。

・大恩がある上司の病状が悪化したと聞き、彼はひどく取り乱していた
・彼の机の上はいつも取り乱した状態だ

面食らう(めんくらう)

「面食らう(めんくらう)」の意味は、「突然のことに驚きとまどう」「まごつく」などです。また、「面喰らう」と漢字表記する場合もあります。面喰らうと表記した場合でも、同様の意味を表す言葉です。

たとえば、以下のように使います。

・部長になることを目標にしてはいたが、不意の指名にすっかり面食らってしまった
・ライバル視していた人が突然辞表を提出したため、面食らってしまった

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狼狽えるを正しく使おう

狼狽えるは、一般的に「不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱すこと」を指す言葉です。また、送り仮名をなくした「狼狽」という言葉もあります。

この場合の読み方は、「ろうばい」もしくは「うろたえ」です。基本的には「ろうばい」と読むことが多く、「不意の出来事などに慌ててうろたえること」などを意味します。

狼狽えるという言葉は、日常生活やビジネスシーンでも使用頻度が高いといえる表現です。しかし、読み方がわからないと意味を理解しにくい言葉でもあるかもしれません。

ぜひこの機会に言葉の意味や読み方、使い方、言い換えできる表現などを押さえ、正しく使えるようになりましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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