「お日柄」とは?
普段は意識していなくても、結婚や起業、新居への引越しを考えるとき、途端に気になってくるのが「お日柄」ではないでしょうか? 特に結婚式のスピーチなどでは「本日はお日柄もよく…」などというフレーズがよく使われたりしますね。
そもそも「お日柄」って、何でしょう? まずは、意味から確認していきましょう。
「お日柄」の意味
「日柄」を辞書で調べてみると、以下の4つの意味を持つことがわかりました。
1 暦の上での、その日の吉凶。「本日はお―もよく」
2 ひかず。日数。
「―果つるまでは、母屋へ帰ることをゆるさず」〈読・弓張月・後〉
3 客が芸娼妓に、紋日に買い切ることを約束すること。日柄約束。
「客は遊女或は芸子に―を約すれども」〈守貞漫稿・一九〉
4 祥月(しょうつき)命日。
「明日は死にたる男の―なり」〈読・春雨・樊噲上〉
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
本記事では、暦の上で行事や仕事をする際の良し悪しを表す、1の意味を中心に解説していきます。
お日柄の良い日とは?
「お日柄の良い日」と聞くと、どんな日を思い浮かべるでしょうか? ここでは、数あるお日柄が良いとされている日の中から、一粒万倍日、天赦日、母倉日、神吉日、天恩日、大明日について紹介します。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒万倍日とは「一つの小さな種をまくと、その万倍になって稲の穂が実る」とされる吉日です。月に数回あるため、スケジュールに組み込みやすいでしょう。
物事をスタートするのに、好日だとされています。反対に、悪いことも万倍になってしまうので、借金をするのには不向きな日です。
天赦日(てんしゃにち)
天赦日とは、文字の通り「天が全てを許してくれる」という最上の吉日のこと。春は戊寅(つちのえとら)、夏は甲午(きのえうま)、秋は戊申(つちのえさる)、冬は甲子(きのえね)の日を指します。
一年の中でも極上の吉日と呼ばれ、何をするにも良い日だとされています。
母倉日(ぼそうにち)
漢字を見るからに優しそうな日ですね。この日は、「母が子を育てるように、天が人間を慈しむ日」と言われる吉日です。春は亥・子の日、夏は寅・卯の日、秋は辰・戌・丑・未の日、冬は申・酉の日を指します。この他、四季の土用には巳・午の日が母倉日に当たりますよ。
神吉日(かみよしび)
字面から、神々しい感じがいたしますね。この日は、陰陽道で神社に参拝したり、神事を行うのに良い日だとされています。
天恩日(てんおんにち)
民間暦の吉日の一つです。この日は、天の恩恵で万民が福を授かると言われています。任官や婚礼などの慶事に向いているとされますよ。
大明日(だいみょうにち)
こちらも、民間暦の吉日の一つです。この日は、結婚、引越し、旅行などすべての行動が大吉だと言われています。また、他の凶日と重なっていても気にする必要はないとも言われていますよ。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
お日柄の悪い日とは?
暦には「縁起が良い日」とは反対に、「縁起が悪い日」というものも存在します。「縁起が悪い日」とは、新しいことやおめでたいことを始めるのには、不向きであるとされている日のこと。ここでは、お日柄が悪いとされる、不成就日、受死日について紹介します。
不成就日(ふじょうじゅにち)
不成就日とは、陰陽道(おんようどう/おんみょうどう)で、「この日から始めた物事は、すべて上手くいかない」とされる悪い日です。不浄日(ふじょうにち)とも呼ばれます。旧暦の各月ごとに4回あります。
人生の大きなイベントごとを行うのは、避けたいところですね。
受死日(じゅしび)
古暦における、凶日の一つです。この日は、葬送以外の万事に忌み慎むべき大凶日だと言われています。このことに反して物事を行うと死に至るとも言われているとか…。昔、この日は暦に黒丸をつけて示したことから黒日(くろび)とも呼ばれています。こんなことを聞くと、少々怖くなってしまう日ですね。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
2023年11月〜2024年のお日柄の良い日・悪い日は?
2023年11月〜2024年のお日柄の良い「一粒万倍日」、「天赦日」と、お日柄の悪い「不成就日」をまとめました。なお、2024年は1月1日(月・祝)、3月15日(金)、7月29日(月)、12月26日(木)の4日は、天赦日と一粒万倍日が重なった最強開運日! ぜひ、チェックしてみてください。
反対に一粒万倍日や天赦日と不成就日が重なる日もあります。一説によると、そうした日は運気が削がれるとも言われていますので、合わせてご覧いただくことをおすすめします。
一粒万倍日
まずは、一粒万倍日から紹介します。
【2023年】
☆11月
11日(土)、12日(日)、23日(木)、24日(金)
☆12月
5日(火)、6日(水)、7日(木)、8日(金)、19日(火)、20日(水)、31日(日)
【2024年】
☆1月
1日(月)、13日(土)、16日(火)、25日(木)、28日(日)
☆2月
7日(水)、12日(月)、19日(月)、24日(土)
☆3月
2日(土)、10日(日)、15日(金)、22日(金)、27日(水)
☆4月
3日(水)、6日(土)、9日(火)、18日(木)、21日(日)、30日(火)
☆5月
3日(金)、15日(水)、16日(木)、27日(月)、28日(火)
☆6月
10日(月)、11日(火)、22日(土)、23日(日)
☆7月
4日(木)、5日(金)、8日(月)、17日(水)、20日(土)、29日(月)
☆8月
1日(木)、11日(日)、16日(金)、23日(金)、28日(水)
☆9月
4日(水)、12日(木)、17日(火)、24日(火)、29日(日)
☆10月
6日(日)、9日(水)、12日(土)、21日(月)、24日(木)
☆11月
2日(土)、5日(火)、17日(日)、18日(月)、29日(金)、30日(土)
☆12月
13日(金)、14日(土)、25日(水)、26日(木)
天赦日
2023年11月・12月の天赦日は、ありません。ここでは、2024年の天赦日を紹介します。
【2024年】
1月1日(月)
3月15日(金)
5月30日(木)
7月29日(月)
8月12日(月)
10月11日(金)
12月26日(木)
不成就日
続いて、不成就日を紹介します。
【2023年】
☆11月
8日(水)、16日(木)、24日(金)
☆12月
2日(土)、10日(日)、17日(日)、25日(月)
【2024年】
☆1月
2日(火)、10日(水)、16日(火)、24日(水)
☆2月
1日(木)、9日(金)、12日(月)、20日(火)、28日(水)
☆3月
7日(木)、11日(月)、19日(火)、27日(水)
☆4月
4日(木)、9日(火)、17日(水)、25日(木)
☆5月
3日(金)、11日(土)、19日(日)、27日(月)
☆6月
4日(火)、10日(月)、18日(火)、26日(水)
☆7月
4日(木)、11日(木)、19日(金)、27日(土)
☆8月
6日(火)、14日(水)、22日(木)、30日(金)
☆9月
4日(水)、12日(木)、20日(金)、28日(土)
☆10月
3日(木)、11日(金)、19日(土)、27日(日)
☆11月
4日(月)、12日(火)、20日(水)、28日(木)
☆12月
5日(木)、13日(金)、21日(土)、29日(日)
最後に
お日柄の良い日・悪い日を紹介しました。日の吉凶を表すものが数多く存在するということは、先人たちもまたお日柄を気にしていたことの表れでしょう。物事をスタートするに当たって「いつにしようか迷う!」という場合には、一つの参考にしてみるのも良いかもしれません。
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