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ヨガで便通が良くなる?
Q:ヨガは便秘解消に効果がある?
即効性があるヨガポーズを知りたい!
A:お腹まわりに圧をかけるポーズやお腹を動かす呼吸、さらにリラックス効果を高めて副交感神経が優位になることで腸のぜん動運動(腸の内容物を移動させる働き)が活発になるなど、ヨガは便秘解消の効果を期待できます!
ヨガにはお腹まわりを刺激するさまざまなポーズがありますが、そこに呼吸法を取り入れて、ストレスケアをしながらおこなうことでより効果を高められるでしょう。
ヨガで便通を促すポイント「お腹を動かす呼吸」をマスター
排便を促したい時のヨガでは、お腹を動かす呼吸を意識しておこなうといいでしょう。
横隔膜に押されてお腹が膨らむ「腹式呼吸」をすると、腹部内の圧力が高まり、腸への適度な刺激になります。ヨガポーズを取るときは、息を吸う時にお腹を膨らませ、吐く時にへこませる呼吸を意識しましょう。
お腹を丸める・伸ばす・ねじる・側屈するなどの動きをする時は、ポーズを深めることよりも、呼吸でお腹がしっかり動くことを優先すると◎!
また深い呼吸はストレスケアにも有効です。交感神経が優位になるとぜん動運動が停滞してしまうので、心地良い動きと呼吸で心身の緊張を手放しましょう。
次は、お腹を動かす呼吸の練習方法です。
お腹を動かす呼吸:やり方
お腹を動かす呼吸に慣れていない時は、手を添えることで感覚をつかみやすくなります。
やり方:あぐらで座り、片方の手は胸、もう片方の手はお腹に添えて呼吸を繰り返す。
▲お尻のお肉を手でかき分け、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せ、骨盤を起こして座ります。椅子やソファに座ってもOK。
片方の手は胸、もう片方の手はお腹に添えましょう。まず息を吐きます。次の吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませる呼吸をゆっくり丁寧に繰り返しましょう。
胸の動きは静かに、お腹に添えた手が呼吸で動くのを感じます。お腹の動きに慣れてきたら、手を離してみましょう。
続いて紹介するのは、ヨガの基本的なポーズを連続しておこなう「太陽礼拝」です。
朝の「太陽礼拝」で腸の働きを促す:やり方
複数のヨガポーズからなる一連のシークエンス「太陽礼拝」。1日の始まりに太陽にあいさつし、その恵みに感謝するという意味を持ち、朝ヨガのメニューとして早い時間帯におこなわれることがほとんどです。
「太陽礼拝」では全身の筋肉を緩やかにバランスよく動かすため、柔軟性や筋力UP、血流が促されて代謝UP、冷え・むくみの改善、脳に酸素が行き渡ることなどからも、朝の目覚めにピッタリ。
そして、「息を吸いながら1動作、吐きながら次の1動作」と呼吸に合わせて動作を連動させていくため、呼吸に集中でき、心を落ち着かせることができます。お腹まわりの伸び縮みも繰り返されるので、腸の働きを活発にする効果も―。
それでは早速、「太陽礼拝」をおこなっていきましょう。
STEP 1:【息を吐く】脚を揃えて立ち、胸の前で手のひらを合わせて合掌。
▲親指のつけ根を揃え、足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押します。重心はややかかと寄りに預けましょう。
尾骨(お尻の1番下、しっぽのような骨)を床に下げるようにして腰を起こし、みぞおちを緩めます。
STEP 2:【息を吸う】両腕を上げ、上体をうしろに反らせる。
▲手のひらは正面、体の前面を心地良く広げます。
STEP 3:【息を吐く】上体を前に倒して、深い前屈。
▲背筋を伸ばしたまま、頭頂部を床に近づけるように前屈をします。手のひら全体を床につけましょう。
脚の伸びがツラい場合、ひざを曲げてもOK。
STEP 4:【息を吸う】上体を半分起こした前屈。
▲手の指先で床を押し、上体を半分起こします。ひざを伸ばし、目線は正面に向けましょう。
STEP 5:【息を吐く】左脚~右脚をうしろに引き、「プランク」の姿勢で【息を吸う】。
▲肩の下に手首をつき、頭から足までが斜め一直線の姿勢を保ちます。
STEP 6:【息を吐く】両ひざを床につき、胸とあごを下ろす。
▲両肩をうしろにまわして引き、ひじを体側に引き寄せます。
STEP 7:【息を吸う】上体を起こす。
▲足の甲を床につけ、両手で床を押しながら上半身をゆっくり起こします。目線は斜め上に向けましょう。
STEP 8:【息を吐く】腰を引き上げて頭を下げ、「ダウンドッグ」。
▲腰は真上、尾骨は斜め後方に引き上げます。手首~お尻までが斜め一直線になるように背筋を伸ばしましょう。脚の伸びがツラい場合、ひざを緩めてもOK。
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STEP 9:【息を吸う】左脚を前に踏み込み両脚を揃えたら、上体を半分起こした前屈。
▲左脚を一歩で手と手の間に踏み込みます。ひざと背筋を伸ばしましょう。
STEP 10:【息を吐く】もう一度、深い前屈。
▲頭は脱力、必要であればひざを緩めます。
STEP 11:【息を吸う】両腕を上げ、上体をうしろに反らせる。
▲腕を横からまわし広げながら、上体を起こしてSTEP 2と同じ姿勢に戻ってきます。
STEP 12:【息を吐く】胸の前で手のひらを合わせて、合掌。
▲両手を下ろし、胸の前で手のひらを合わせます。呼吸を繰り返しながらポーズの余韻を味わいましょう。
ここまでが1回の流れです。3~6回ほど繰り返しましょう。
時間がない朝やお腹が張る夜は…簡単「ねじり」のストレッチ
最後に―。「太陽礼拝」をする時間がない朝や、お腹の張りを感じる夜(寝る前)などに簡単にできるストレッチを紹介します。このストレッチも、ねじりよりもお腹を動かす呼吸を優先しておこなってみてください。
STEP 1:あぐらで座る。
▲骨盤を起こし、背筋をまっすぐにして座ります。手はひざの上に置きましょう。あごを軽く引いて首のうしろを伸ばし、下腹部と脚はリラックスさせておきます。
※ 椅子やソファに座っていてもOK。
STEP 2:【息を吸いながら】右手を左ひざ、左手はお尻のうしろにつく。
▲右手で左ひざの皿のあたりを軽くつかみます。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左にねじる。
▲吐く息に合わせて上体をゆっくりねじります。みぞおち~胸~首の順にねじっていき、目線は最後に左後方に向けましょう。
背骨の間隔を広げ、背筋を伸ばしたままお腹を動かす呼吸を繰り返します。もし、お腹を動かしにくいようであれば、ねじりを緩めましょう。反対側もおこないます。〈回数:左右各5~10呼吸〉
ポーズ数が多い「太陽礼拝」はすぐに覚えられないかもしれませんが、繰り返していくうちに体が動くようになるので、丁寧な呼吸を感じながらご自分のペースで取り組んでみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。