優勝劣敗とはどんな意味?
優勝劣敗は、「ゆうしょうれっぱい」と読みます。ここでは、優勝劣敗の意味をみていきましょう。
言葉の意味や成り立ち
優勝劣敗は、力のあるものが勝ち、劣っているものが敗れるという意味です。とくに、生存競争において強者や環境に順応できるものが栄え、弱者や適応できないものが滅びることを指します。
「優れているものが勝つ」という意味の「優勝」と、「劣っているものが負ける」という意味の「劣敗」という、反対の意味をもつ言葉を組み合わせた四字熟語です。
ゆうしょう‐れっぱい
出典:小学館 デジタル大辞泉
力の強い者が勝ち残り、劣っている者が負けること。特に、生存競争で強者・適者が栄え弱者・不適応者が滅びること。
優勝劣敗の使い方・例文
優勝劣敗の使い方について、例文をみながら確認していきましょう。
・毎年多くの会社が設立されるが、その中で数年後も経営が続いているのはわずかであり、ビジネスは優勝劣敗の世界といえる
・スポーツでは思わぬアクシデントで弱いチームが逆転勝利するケースもあり、優勝劣敗の論理が当てはまらないことも多い
・その試合はまさしく優勝劣敗といえる結果になったが、負けたチームもその健闘が讃えられていた
・優勝劣敗の考え方が強い組織では、善意だけでは生き残れない
・優勝劣敗ではなく、弱者も生きやすい世の中でなければならない
優勝劣敗の類義語・言い換え表現
優勝劣敗には、多くの類義語や言い換え表現があげられます。あわせて覚えれば、優勝劣敗の理解が深まるでしょう。
ここでは、優勝劣敗の類義語・言い換え表現を5つ紹介します。
弱肉強食
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)は、弱者の犠牲のもとに強者が栄えるという意味です。戦う牙をもたない弱い動物は、強い動物に食べられてしまうという自然界の掟を表しています。
そこから転じて、実力の違いがそのまま結果に現れ、強い者が支配する競争社会をたとえる言葉として使われることもあります。
力のあるものが生き残るという意味で、優れたものが勝つという優勝劣敗とは同じ意味合いをもつといえる言葉です。
〈例文〉
・企業の統廃合が急速に進む現代は、弱肉強食の時代といえるだろう
・誰もが平等で平和のように見えても、実情は弱肉強食の世の中と言わざるを得ない
・弱肉強食の社会で弱者が救われるためには、社会保障が不可欠だ
適者生存
適者生存(てきしゃせいぞん)は、環境に最も適した生物が生き残り、適していないものは滅びるという意味です。言葉の由来はイギリスの哲学者・社会学者であるハーバード・スペンサーによって提唱された生物進化論で、ダーウィンにより「種の起源」で用いられています。
環境に適したものだけが生き残れるという意味は、優れたものが勝つという優勝劣敗に通じる言葉といえるでしょう。
〈例文〉
・市場のニーズは変わりやすく、期待に応えられる企業だけが生き残れる適者生存の法則があるようだ
・表面は平和に見えるその業界も、実際は適者生存の厳しい世界である
・ビジネスの世界は適者生存の原理が働き、自分が置かれた環境に適合できる者だけが成功できる
自然淘汰
自然淘汰(しぜんとうた)は、自然界で生態的条件や環境によりよく適合するものだけが生き残り、そうでないものは自然に滅びていくという意味です。長い間に劣悪なものが滅び、優良なものだけが自然に生き残ることを表します。
「淘汰」とは、不要なもの、不適当なものを除き去るという意味で、自然淘汰はそのような状況が時間の経過とともに、自然に進んでいくことを表す言葉です。
〈例文〉
・時代の変化に対応できない企業が姿を消すのは、自然淘汰といえるだろう
・努力を怠ると周りについていけず、取り残される。これも自然淘汰といえるだろう
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勝てば官軍負ければ賊軍
勝てば官軍負ければ賊軍(かてばかんぐんまければぞくぐん)は、戦いに勝てば道理はどうであれ勝った方が正義になり、負けた方は間違っていたとされてしまうという意味です。
明治維新のとき、権威であった江戸幕府が戦に敗れ、敵対勢力である倒幕派が勝って権威を得たことが由来とされています。倒幕派の薩長軍が「官軍」となり、幕府側の軍隊が「賊軍」となりました。
結果ばかり重視していることを、揶揄して使われることが多い言葉です。
〈例文〉
・課長はその案に最後まで反対していたが、企画が大成功に終わったことで称賛する側に回った。まさしく、勝てば官軍負ければ賊軍だ
・どんなに劣勢で内容のよくない試合でも、結果として勝利できれば、勝てば官軍負ければ賊軍になるだろう
・勝てば官軍負ければ賊軍で、よい結果を出せば文句をいわれなくなる
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勝者の論理
勝者の論理(しょうしゃのろんり)は、最終的に勝利するという結果を得ることで、そのために取った手段や過程が正当化されるという意味です。
勝った者の言い分が正当化され、敗者の主張は退けられるといった状況に対し、批判的に用いられることが多いでしょう。
〈例文〉
・勝者の論理は、勝った者が自分の手段を正当化するために使われることがある
・結果だけをみて判断するのは勝者の論理であり、納得できるものではない
・勝利の論理ではなく、どのような試合内容だったかを論じることが大切だ
優勝劣敗の意味を正しく理解しよう
優勝劣敗は、「強い者が弱い者の犠牲のもとに生き残る」という意味です。状況によってよくない意味合いになることもあるため、使う際は注意しましょう。
弱肉強食や適者生存など類義語も一緒に覚えることで、優勝劣敗の意味をより深く理解できるはずです。
例文も参考にして、優勝劣敗の意味を正しく押さえてください。
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