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2024.08.06

「機先を制する」の正しい意味とは? 読み方や使用例、言い換え表現を紹介

「機先を制する」とは、相手より先に行動し、その勢いを抑えることです。本記事では、「機先を制する」の正しい意味と使い方などを紹介します。似た意味合いの語句なども、ぜひ参考にしてください。

「機先を制する」の意味と使い方

「機先を制する」は、「機先」と「制する」を組み合わせた慣用句です。「機先」は「きせん」と読み、物事が起こる直前を意味します。

「機先を制する」はどのようなシーンで用いられるのでしょうか。まずは正しい意味とともに、使用例についてみていきましょう。

「機先を制する」の正しい意味

「機先を制する」とは、相手より先に行動し、その計画をくじくことです。相手がことを起こそうとする直前にそれを察知し、優位な位置に立つことを意味します。

そもそも「制する」とは、人の行動などを押さえとどめることです。また、自分のものにしたり支配したりすることを表します。

同じ読みに「征する」がありますが、「機先を征する」とするのは誤りです。「征する」とは服従しないものを攻め討つことであり、「制する」とは意味合いが異なります。

「機先」に対しては「制する」を後に続けるのが正しい使い方です。メールや文書などにする際は、間違えないように気を付けましょう。

機先を制・する
相手より先に行動して、その計画・気勢をくじく。「—・して攻勢に出る」

出典:小学館 デジタル大辞泉

「機先を制する」を使った例文

「機先を征する」は、日常生活やビジネスシーンで以下のように使用します。

・ビジネスの状況を読み、商売敵の機先を制した
・試合を振り返ると、前半のゴールはまさに相手の機先を制する1点だった
・これまでの経験を活かした機先を制する活躍を期待しているよ

「機先を制する」の類語や言い換え表現

「機先を征する」には、以下のような類語や言い換え表現があります。

・先手を打つ(せんてをうつ)
・出鼻をくじく(でばなをくじく)
・出し抜く(だしぬく)
・不意をつく(ふいをつく)
・口火を切る(くちびをきる)

いずれも相手より先に行動を起こすことを表す表現です。知っている語彙の数が増えれば、そのぶん表現の幅が広がります。日々のコミュニケーションに活かせるよう、それぞれの意味や使い方を確認していきましょう。

手をあげる人々
(c) Adobe Stock

先手を打つ(せんてをうつ)

「先手に打つ」とは「機先を制する」と同様、相手より先に攻撃をしかけることです。また、これから起こりそうな事態に備えるという意味合いもあります。

そもそも「先手」は、囲碁や将棋に用いられる用語です。先に着手することを意味し、反対語は「後手」になります。そのため、「先手を打つ」は囲碁や将棋のシーンでも用いられるのです。

・勝負では相手の行動のひとつ先を読み、先手を打つことが重要だ
・こちらが気を抜いている間に、相手に先手を打たれてしまった
・次回の対局で先手を打つのはどちらになるのか、今から注目が高まっている

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出端をくじく(でばなをくじく)

相手が勢いづいてきたところを、あえて妨げることは「出端をくじく」と言い表します。「出鼻」と表記することもあります。

「出端」は、物事のやり始めや、勢いの盛んな時期という意味合いがある言葉です。勢いづいてきたとこを制するという意味では「機先」と共通点が多い言葉といえるでしょう。同じ意味の語句には「出端を折る」も挙げられます。

・やる気になってきたところだったのに、ふいの連絡にすっかり出端をくじかれた
・説明の順番が回ってきたと思ったら、時間切れになり出端がくじかれてしまった
・作業開始に向けこれからというタイミングで邪魔が入り、出端がくじかれ残念だ

出し抜く(だしぬく)

「出し抜く」とは、他人をあざむき自分が先に事を成すことです。人の隙を見て、その合間に自分が目的を達成することを意味します。人をあざむくという意味を含むため、使い方に注意したい表現といえるでしょう。

・信頼していた相手に出し抜かれてしまった
・あれだけの実力者を出し抜くのは簡単ではない
・他者から一目置かれるチームワークは、お互いを出し抜くことはないという信頼関係のうえに成り立っている

船
(c) Adobe Stock

不意を突く(ふいをつく)

「不意を突く」とは、相手が予期しないときを狙い、こちらから仕掛けることです。「不意」には、思いがけないことや突然といった意味があります。

「機先」のように物事が起こる直前だけでなく、さまざまなタイミングを指す言葉です。そのため、時期を選ばずさまざまなシーンで活用できます。

・出かけようとしたタイミングで来訪されるとは、すっかり不意を突かれてしまった
・勝利の決め手となった一撃は、相手の不意を突くものだった
・他社からの要求はまったく予想になく、こちらの不意を突くものだった

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口火を切る(くちびをきる)

「口火」とは、物事の起こるきっかけや原因のことです。「口火を切る」とすることで、物事を先駆けて行い、きっかけをつくることを表します。

物事を先駆けて行うのは「機先を制する」と共通する点です。ただし「口火を切る」には、相手の優位に立つという目的は含まれていません。結果のよし悪し関係なく、あくまでも物事の始まりの原因をつくることを意味しています。

・緊迫した空気のなか、会話の口火を切ったのは彼女のほうだった
・会議で口火を切るのは、いつも彼と決まっている
・相手チームの攻撃を合図に、試合の口火が切られた
・ゲームの口火が切られるのを、今か今かと待ち構えた

正しい意味を知り「機先を制する」を活用しよう

「機先」には、物事が起こる直前という意味があり「機先を制する」とすることで、その勢いをくじくことを表します。日常生活やビジネスでも活用できる表現です。

また、「機先を制する」には「先手を打つ」、「出し抜く」といった類語や言い換え表現があります。場合によってはそれぞれを使い分けられるとよいでしょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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