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「岡目八目(おかめはちもく)」の意味とは?
岡目八目は「おかめはちもく」と読む四字熟語です。まずは意味や語源を紹介します。
「岡目八目」は、傍から見ている人の方が、当事者よりも客観的に状況や物事を判断できるという意味です。
「岡目(おかめ)」は「傍目(はため)」とも書きますが、もともと囲碁の用語です。傍目(岡目)はわきから見る、傍観するという意味。「八目」は諸説ありますが「囲碁の手数・碁盤の目」を意味するというのが有力のようです。
誰でも自分のことになると慌てふためいて冷静な判断ができなくなってしまうことがありますが、囲碁の対局を第三者として傍から見ていると冷静に試合の行方を見極めることができるもの。つまり、他人のこととなると冷静に的確なアドバイスを下すことができるというわけです。
このことから当事者よりも第三者の方が物事の是非や先行きなどを正しく判断できるというたとえとして使われるようになりました。また、「八目(はちもく)」については「八目先の手を読める」「八目分得をする」などの説もありますが、いずれにしても、それだけよく見えることを表しているといえるでしょう。
岡目八目の正しい使い方は? 例文を紹介
実際に岡目八目を使う際の参考として、例文をみてみましょう。
「岡目八目というように、部外の意見にも耳を傾けることも大事だよ」
「岡目八目」は他人の冷静で客観的な視点が必要な場合に使われます。周りが見えなくなっている時に冷静さを取り戻させ、「ちょっと立ち止まって考えてみよう」と促す意味合いも持っています。
「岡目八目なのはわかるが、この件については自分の考えがあるのでそっとしておいてほしい」
もともと、第三者の方が当事者である自分よりも冷静に判断することができる、とわかっていても、時には「口を出さないでほしい」と思ってしまうこともありますよね。しかし、こういう言い回しはビジネスシーンでは誤解も生じ得ないため、気をつけたいところです。
「他部署の人のアドバイスは、さすが核心をついていますね。まさに岡目八目です」
仕事でもそうですが、同じことの繰り返しが続くとマンネリ化してしまい、考え方が偏ったり、閉塞感が生まれたりすることも。
そんなとき、他部署の人や第三者を交えてみると、違う視点によって、これまでになかった発想が生まれることもあります。第三者、専門外の人だからこそ冷静で新鮮な意見ができる、というときに「岡目八目」を使うことができるでしょう。
岡目八目の類義語はどのようなものがある?
次に、岡目八目の類義語・言い換え表現を紹介します。
「灯台下暗し」
灯台のすぐ下は暗くてあまりよく見えないことから、身近な状況はかえって気づきにくい、わかりにくいということのたとえです。当事者が冷静に判断できていないことから「岡目八目」の類語といえるでしょう。
「真犯人が身内にいたとは、まさに灯台下暗しだった」「適任者を探していたが、まさにすぐそばにいたなんて、灯台下暗しですね」など、近すぎると逆にわからないこと、気づかないことがあります。少し距離をおくことで、客観的に見ることができるということを表します。
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「秘事は睫(ひじはまつげ)」
「秘事」とは秘密の事柄、容易に知りえないことです。目の縁にあるまつげは、自分では見えません。同じく秘事や秘伝は案外すぐ近くにあるのに、まつげのように見えなくて気づかないという意味です。
岡目八目の対義語はどのようなものがある?
岡目八目の対照表現とはどんなものでしょうか。3つ紹介します。
「あばたもえくぼ」
短所が長所に見えることを「あばたもえくぼ」といいます。自分の好きな人のことであれば、欠点すらも長所に見えることを意味する言葉です。冷静に客観的な目で見られないという点では対義語といえるかもしれません。
「鹿を逐う(おう)者は山を見ず」
目の前の利益を負うことばかりに熱中している人は他のことを顧みる余裕がなく、周りの情勢などを理解することができないということのたとえです。1つのことにとらわれていると周りが見えなくなり、大切なものを見失ってしまいかねない、ということを表しています。
「木を見て森を見ず」
一本一本の木にばかり心を奪われて、森の全体を見ないことから、部分的な事柄ばかりを見て全体像を見渡す視点がないという意味を表します。些細なことに気をとられていたのでは、大事なことを見落としてしまうという教訓ともいえるでしょう。
最後に
「岡目八目」は「傍目八目」とも書きますが、「傍」は「そば」とも読むので、「そばめはちもく」と読みたくなるかもしれませんが、それは間違いです。
「傍」は他の名詞につくと「かたわら」「局外」の意味になり「おか」と読みます。やきもちを焼く「傍焼き」や他人の恋人をひそかに恋焦がれる「傍惚れ」などと同じ使い方です。
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