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2024.04.04

【ビジネスマナー】Z世代は苦手な人が多い? 「電話」と「メール」の対応法

仕事をする上で欠かせないともいえる、社内外の人との電話やメール。SNS育ちのZ世代は苦手意識を持つ人も多いようです。Z世代に教える立場の人も、自身が苦手だという人にも参考にしてほしい、電話とメールのマナーを紹介します。

Z世代が苦手とするビジネスマナーは?

近年の20代社会人が苦手意識を持つ2大ビジネスマナーは、「電話」と「メール」といわれています。上司世代になると抵抗感なく使っている人が多い電話やメールも、SNS育ちのZ世代にとっては不安とストレスを感じることがあるようです。

株式会社manebiがZ世代(21歳以上 25歳以下)の会社員300人を対象に行った調査(2022年)によると、苦手なビジネスマナーランキング1位は「電話応対」で約4割という結果に。次点には、2位に「メールなどのビジネス文書作成」(35.0%)、3位に「敬語・言葉遣い」(34.3%)と続きました。

Z世代はプライベートでもチャットやSNSがメインとなっていることから電話やメールをすることに慣れておらず、苦手意識につながっていることがうかがえます。

固定電話を使おうとしている人の手元写真
(C)Adobe Stock

Z世代の新入社員にマナーを教える際には、「これくらい常識だろう」という思い込みを捨て、Z世代の常識を知ったうえで、マナーを教える必要があります。企業でビジネスマナーや電話応対やコミュニケーション研修を行う、株式会社トークナビ代表取締役・アナウンサーの樋田かおりさんが、Z世代向けにメールや電話のマナーを教えてくれました。

マナー講師・樋田かおりさん
株式会社トークナビ代表取締役・アナウンサー 樋田かおりさん

世代を問わず、ビジネス上の電話やメールに対して苦手意識を持つ人も、ぜひ参考にしてみてください。

Z世代向けビジネス電話のマナー〈かけるとき

Z世代は固定電話のない家庭で育ち、固定電話を触ったことがない人も少なくありません。基本の姿勢から発声、話し方など、電話をかけるときのマナーから確認していきます。

電話をする女性スタッフの写真
(C)Adobe Stock

1. 利き手と反対の手で受話器を持つ

まず、電話機の使い方と姿勢を押さえるのがポイント。

本体と受話器が接続されている有線式の固定電話の場合、利き手と反対側の手で受話器を持ち、利き手でメモをとるのが基本姿勢です。事前に、用件をまとめたメモを手元に置いておきましょう。

2. 第一声は明るく「ソ」の高さで

SNS育ちのZ世代にとって、電話はつながっている友人との通話が中心といえるでしょう。ビジネスでは知らない相手にかけることも多いので、緊張からメモに集中し、下を向いたままになりがちです。これでは、喉が圧迫されて声をうまく出せません。

すっと背筋を伸ばし、第一声は明るく発しましょう。音階でいうと「ソ」の高さで始めるのがおすすめです。

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3. 「もしもし」はNG

第一声で、Z世代社員が使いがちなワードが「もしもし」です。カジュアルな電話では一般的ですが、ビジネス電話では使いません。

第一声に限らず、声が聞こえにくいとき、電話を保留にした後などにも「もしもし」と呼びかける姿を見かけます。ビジネスでは「お電話が少々遠いようです」「お待たせいたしました」と言うのが適切です。

4. 誰へでも「お世話になっております」

プライベートでは友人との電話がメインで、電話をする前にSNSで「今から電話してもいい?」と確認する人が多いとされるZ世代は、名乗る習慣があまりないようです。

ビジネス電話では、名乗り+「お世話になっております」がマナー。これは誰でも使える慣用的表現で、「初めて電話する相手なのに、『お世話になっている』と言っていいのか」と気にする必要はありません。

5. 受話器でガチャ切りはNG

スマホにはない「終話」のマナーが、受話器の置き方です。 ガチャンと置く「ガチャ切り」は印象が悪いため、本体のフックを手で押した後に受話器を戻します。研修で新入社員が「へぇ」と驚くマナーの1つです。

Z世代向けビジネス電話のマナー〈受けるとき〉

続いては、電話を受けるときのマナーをチェックしていきましょう。自信を持って会社の電話に出るためには、マインドセットが重要になります。

カフェで電話している店員の写真
(C)Adobe Stock

1. 会社の電話が鳴ったら出る

携帯電話が普及し〝電話は1人1台〟が当たり前の環境で育った世代は、「会社の電話に出る」意識を持ちにくいようです。自分のスマホ宛でも知らない電話番号には出ないという人も多くいます。

まずは 「会社の電話に出る」という役割を認識することが必要です。

2. 「はい」「はい」言い過ぎ注意

電話に出たものの、どう受け答えしていいかわからず「はい」「はい」しか言わない姿を見かけます。「はい」ばかり繰り返すと、適当に流している印象を与えてしまう場合も。相手の話したことを復唱するなど、「会話すること」を意識しましょう。

3. 名前を聞く前に名乗る

SNSでは互いに名前やニックネームを知った上でやりとりするため、名前を聞く文化がないという人も珍しくないようです。そのため、ビジネス電話では最後に焦って「お名前、いいですか? 」などと聞くケースも。相手の名前を聞くときは、まず自身が名乗ったうえで、「失礼ですが、お名前をうかがってもよろしいでしょうか」と確認します。

4. 社内の人に「さん付け」はしない

Z世代はフラットな人間関係を好むといわれますが、ビジネスでは「社外の人」と「社内の人」を区別しましょう。社外の人には、「ただいま、山田は外出しております」のように自社社員は呼び捨てにします

5. 電話のメモはすぐ共有

電話を受けた後にやってはいけないのが、電話メモを放置することです。SNSの「既読スルー」感覚で、電話を終えたことに満足感を得てしまわないように注意。 伝える相手が出社か在宅勤務かに関わらず、メモはチャットやメールを使って即時共有します。

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Z世代向けビジネスメールのマナー

端的にメッセージを伝えられるSNSやチャットと異なり、ビジネスメールでは気をつけたいマナーがたくさんあります。まずは基本を押さえましょう。

パソコンでメール送信している人
(C)Adobe Stock

1. 件名なしはNG

SNSには件名がないため、Z世代は軽視しがち。「件名」はメールを開いてもらうために重要であり、件名なしはNGとされています。相手に失礼だと感じさせたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりする可能性も否定できません。

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2. 相手の名前と、署名を入れる

いきなり用件から始めるSNSと異なり、ビジネスメールは書き方に定型があります。

冒頭には「相手の会社名・部署名・名前+様」を書き、挨拶をしてから本文へ。再び挨拶で締めた後、自分の会社名や部署名、電話番号やメールアドレスをまとめた「署名」を入れるのがマナーです。

3. やりとりは1往復半で終えるのが理想

チャットで短いやりとりを重ねるZ世代は、メールもチャット感覚で書いてしまうことがあるようです。メールでは聞きたいことを箇条書きにする、期日を明記するなど、一度で用件が伝わるよう工夫し、やりとりは一往復半で終わらせるのが理想です。

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4. CC誤送信に注意

わかりづらいと思われがちなのが、メールの宛先TO、CC、BCCの使い分けです。

CCは情報共有のため に使うもので、CCのアドレスは受信者全員に公開されます。BCCのアドレスは、他の受信者には見えません。「BCCにするつもりが、間違えてCCにしてしまった」という誤送信が起きないように注意しましょう。

5. ファイル添付は容量に気を付ける

大容量の添付ファイルは、相手の上限設定などによって受信できない場合があります。そのため添付ファイルは、1MB~2MB程度におさめるのがマナーです。まずはファイルを添付する際の社内ルールを確認しましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock

樋田かおりさん プロフィール写真

樋田(といだ)かおりさん

株式会社トークナビ代表取締役・アナウンサー。2008年、日本テレビ系列青森放送にアナウンサーとして入社。テレビ・ラジオの放送現場を経験した後、2015年、「声で、未来を変える」をビジョンに、株式会社トークナビを設立。アナウンサーを講師とする企業向けのコミュニケーション研修、電話応対研修、プレゼン研修、社長の話し方マンツーマンレッスンなどを行っている。著書に「社長の伝え方には会社を変える力がある」 (青春出版社)ほか。

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