ビジネスメールでお礼をする時に意識したいこと
お客様や取引先にお礼のメールを送りたいけれど、お礼の言葉が思い浮かばず困ったという経験がある人もいるでしょう。ビジネスメールでお礼を伝える場合、言葉の選び方次第で相手の信用を失うケースもあるため、緊張してしまいますよね。
ビジネスメールでお礼の言葉を伝える際、意識しておきたいことには何があるでしょうか? まずは、メールのメリットやデメリットを把握していきましょう。
ビジネスメールでお礼の言葉を伝えるメリットとデメリット
ビジネスシーンでコミュニケーションの主な手段となっている、メール。大きなメリットは、データで履歴が残るということでしょう。内容だけでなく、送信日時まで明確に残りますので、「言った・言わない」の水掛け論になることがありません。
また、メールは受信者の都合で開封しますので、それほど送信時間を気にしなくていいことや、メール作成後、いったん下書き保存をしておき、後から読み直しができるのも大きなメリットでしょう。
デメリットになりやすいのが、メールは一方通行で非リアルタイムのコミュニケーションという点。相手の表情や反応が見えにくく、言葉のニュアンスや気持ちの強弱も伝わりにくいため、言葉の選び方次第では、トラブルになる可能性もあります。
ビジネスメールでお礼の言葉を伝えるポイントは「丁寧さ」
メールのメリット・デメリットから考えると、ビジネスメールでお礼の言葉を伝える際、ポイントになるのは「丁寧さ」かもしれません。文字だけのコミュニケーションでありながらも、「雑さ」や「手抜き」を感じさせるメールってありますよね。
ビジネスメールで丁寧さを感じさせるには、適切に言葉を使い、マナーを押さえることが欠かせません。ただし、そればかりに気を取られると、気持ちが伝わりにくい文面になることも。マナーは意識しながらも、考え過ぎることなく素直な気持ちを綴ることも大切にしたいですね。
ビジネスメールで使える! お礼の言葉
ビジネスメールでお礼を伝える場合に使える「お礼の言葉」を紹介します。お礼の言葉というと「ありがとうございます」が思い浮かぶ人も多いことでしょう。
「ありがとうございます」は、口語でも文章でも頻繁に使われており、相手も選ばないため、ビジネスメールで使うことも問題ありません。
もし、「『ありがとうございます』では少し物足りないかも…」と思う場合は、次に紹介するお礼の言葉を使ってみてはいかがでしょうか?
お礼の言葉1:「感謝いたします」
相手に「ありがとう」を伝えたい時、根底には相手に対する感謝の気持ちがありますよね。「感謝します」の敬語表現となるのが「感謝いたします」。丁寧さだけでなく、相手を敬う気持ちも感じさせますので、ビジネスメールに適した表現と言えます。
<使用例>
お気遣いに感謝いたします/心より感謝いたします/深く感謝いたします
注意したいのは「感謝致します」と表現すること。補助動詞としての「いたします」は平仮名で表記するケースが多いようです。
お礼の言葉2:「御礼申し上げます」
「御礼申し上げます」は、目上の人など敬意を払う相手に対して、感謝の気持ちを伝える言葉です。「お礼申し上げます」という表記にするのも問題ありませんが、ビジネスメールや文書では「御礼」と表記することが多いでしょう。
「御礼」と「お礼」では、「御礼」の方が丁寧なイメージになるので、取引先や上司、目上の人には「御礼」を使い、親しい人や目下の人には「お礼」にするというように使い分けをするのもいいですね。
<使用例>
厚く御礼申し上げます/改めて御礼申し上げます/この場をお借りして御礼申し上げます
ビジネスメールでお礼の言葉を伝える際の注意点
ビジネスメールでお礼の言葉を伝える際、注意したいことを紹介します。マナーに通ずることでもありますので、ぜひ意識してみてくださいね。
お礼の言葉はすぐに伝えるのがベター
ビジネスメールでお礼の言葉を伝えるなら、可能な限り早くメールを作成して送ることをおすすめします。お礼を伝えたい出来事が何日も前だと、メールを受け取った相手は「何のこと?」と思うかもしれません。
メールを送るタイミングは、「出来事から半日以内」を目安にするといいでしょう。休みをはさむ場合は、翌出勤日の午前中にはメールを送るようにしてください。
件名や内容も工夫を
ビジネスメールでお礼の言葉を伝える場合、件名やメール本文を工夫することをおすすめします。次のことを参考にしながら、ビジネスメールを作成してください。
▷件名
簡潔でわかりやすい件名かどうかがポイントです。「○○に関するお礼」のように、件名に「お礼」という言葉を使うのも一つ。件名を見たら、内容の検討がつくようにしておくとベストです。
▷本文
何に対してのお礼なのか、どういうところに感謝しているのか、これらを具体的に書きましょう。早くメールを送りたいからと内容を疎かにしてしまうと、それが不思議と相手に伝わってしまうことも。それだと、メールを送る意味がなくなってしまいますよね。自分がどう感じたのかなどを明記すると、感謝の気持ちがより伝わるでしょう。
▷「取り急ぎ」は使うのを避ける
「取り急ぎお礼まで」という言葉は、ビジネスメールでよく見かけますよね。しかし、「取り急ぎ」の意味は「とりあえず急いで」。そうなると、「とりあえず急いでお礼だけ」という意味にも取れますので、相手に丁寧さや誠意を感じさせないメールになるかもしれません。「取り急ぎ」を使うなら、「まずは」「略儀ではありますが」に言い換える方が好ましいと言えるでしょう。
▷締めのあいさつ
本文の最後で「締めのあいさつ」として、再度感謝の気持ちを伝えるようにしてください。「重ねて御礼申し上げます」「ご厚意を賜り、誠にありがとうございます」「この度の件につきまして、心より感謝申し上げます」などを最後に添えると、より丁寧な印象になるはずです。締めのあいさつはメール全体の印象を変えると言いますから、大切にしてくださいね。
最後に
ビジネスメールでお礼の言葉を伝える際に意識したいのが、メールは一方通行で非リアルタイムのコミュニケーションということ。だからこそ、気持ちを込めて書きたいですね。お礼の言葉を伝えるビジネスメールを作成するのは手間がかかるかもしれませんが、メールをすることで信頼関係の構築につながることも多々あります。紹介したポイントを押さえ、気持ちが伝わるお礼のメールを作成してくださいね。
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