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2023.06.12

哲学者・アリストテレスの名言とは? 生涯や思想もわかりやすく解説

「万学の祖」と呼ばれるアリストテレスの名言を紹介。「人間は目標を追い続ける動物だ」など、アリストテレスの言葉は考えさせられるものばかりです。そのほか、アリストテレスの生涯や思想についてもわかりやすく紹介します。

アリストテレスは、古代ギリシャの哲学者です。アリストテレスの名前はほとんどの方が一度は耳にしたことがあるはず。ですが、彼の功績や名言についてはよく知らないという方が多いでしょう。今回は、アリストテレスの思想や名言などをわかりやすく解説します。

アリストテレスとは?

最初に、アリストテレスの生涯について紹介します。

銅像
(c)Shutterstock.com

プラトンの学校で20年間学ぶ

アリストテレスは紀元前384年、古代ギリシャの都市・スタギラ(スタゲイラ)にて、医師であった父・ニコマコスと、母・ファイスティスのもとに生まれます。17歳になるとアテネに行き、哲学者・プラトンがつくった学校「アカデミア」に入門。そこで、師であるプラトンが没するまで、20年間研究生活を送ったそうです。

王子アレクサンドロスの家庭教師に

「アカデミア」を去った後、アリストテレスは小アジア西岸のアッソス、そしてレスボス島へと移住し、研究に専念していました。ちなみにこの間、アリストテレスはピュティアスという女性と結婚をしています。その後、マケドニア王フィリッポス2世に招かれ、王子アレクサンドロスの家庭教師を7年間務めました。

アテネに自身の学校を開く

紀元前335年、アリストテレスはアテネに戻り、リュケイオンという郊外に自身の学校を開設。彼の研究・教育人生の中でも、この学校で送った12年間は最も豊かなものであったそうです。

アテネ追放後、母の生地にて病死

紀元前323年、アレクサンドロス大王が亡くなると、アテネでは反マケドニア運動が起こります。マケドニア側と見られたアリストテレスは、アテネから追放されてしまうのです。アリストテレスは母の生地・カルキスに逃げますが、翌年、病気によりこの世を去りました。

アリストテレスの思想をわかりやすく解説!

哲学や自然学、政治学など、さまざまな学問に精通していたアリストテレス。それらの体系を築いたことから、「万学の祖」とも呼ばれます。ここでは、アリストテレスが体系を築いた学問や思想の中から、いくつかピックアップして解説していきましょう。

机上に開かれた本
(c)Shutterstock.com

論理学

論理学とは、正しい判断や認識をするために、思考の法則や形式を研究する学問のこと。この論理学の基礎を築いたのがアリストテレスとされています。アリストテレスの論理学を語るうえで欠かせないのが、「三段論法」といわれる推論の手法です。

「三段論法」とは、2つの前提命題から、1つの結論命題を導き出す方法。「三段論法」の中にもいくつか種類がありますが、有名なアリストテレスの文を挙げて、例を1つ紹介します。

・大前提:すべての人間は死す。
・小前提:ソクラテスは人間である。
・結論:ゆえにソクラテスは死す。

上記のように、2つの事実をもとに、1つの結論を導き出すのです。

形而上学

形而上学とは、物事の本質や存在原理を明らかにする学問。アリストテレスは、著書『形而上学』という本で、自身の考えを示しています。

アリストテレスは、「存在するものとは何か」を考え続けました。そして「物事の本質は、その中に存在する」と定義しました。そして、物事が存在するのは、「質料因(素材や材質)」「形相因(形状)」「動力因(物事を作り出す力)」「目的因(物事が存在する存在目的)」の4つの原因・理由からなると言います。

中庸

極端な考えや行動を悪徳とし、「中庸が倫理的な徳である」というのも、アリストテレスの思想の一つ。中庸とは、超過と不足の間。簡単にいうと、どちらか一方に偏っていない、ちょうど中間のことです。正しい中間を導きだし、それを実行することを美徳としました。

アリストテレスの名言を紹介!

プラトンは理想主義であったのに対し、アリストテレスは現実主義といわれます。アリストテレスは、天界や目に見えないものに注目するよりも、今ここにある現実を見ることが大事という考えを持っていました。現実主義者のアリストテレスが残した名言には、現実に向き合うことの大切さを教えてくれる言葉が多いです。では、アリストテレスの名言を紹介しましょう。

夕日を背景に本を読む女性
(c)Shutterstock.com

1:「物事を学ぶ時、それを実際に行うことで私たちは学ぶ」

何かを学ぶ時、本で読んだり、人から教わったりしただけで「学んだ」と思うことはないでしょうか? しかしアリストテレスは、学んだことを実践しなければ「学んだ」とはいえないと伝えています。

情報が溢れる現代は、少し調べればたくさんの知識を得ることができますよね。ですが、知るだけで満足せずに、自分で試したり、反復して自身の行動に落とし込むことを忘れないようにしたいものです。

2:「喜びが仕事を完璧なものにする」

時には、何のために仕事をやっているのかわからなくなったり、やりがいを見失ってしまうことがありますよね。しかし、仕事で大事なことは、「働く喜び」だとアリストテレスは言います。この言葉を聞くと、仕事の本質が見えてくるのではないでしょうか?

3:「私は、敵に打ち勝った者より、自身の欲望に打ち勝った者を勇敢だとみなす。なぜなら、自分に勝つことが最も難しい勝利だからだ」

例えば、「疲れているから」「時間がないから」といった言い訳をして、やるべきことから逃げてしまうことはないでしょうか? 誘惑に負けて、つい楽な方を選んでしまうこともありますよね。欲望に負けそうになった時、アリストテレスのこの名言を思い出してみると、自制心を強く持てるかもしれません。

4:「幸せは、自分次第だ」

自分が幸せかどうかを決めるのは、自分自身だと言っている名言です。嫌なことやうまくいかないことがあった時、ネガティブ思考に陥ってしまうことがあります。ですが、どんな状況でも幸せを見つけることは可能。自分の心の持ちようが「幸せ」をつくっているのだと思うと、物事の明るい面に目を向けられるようになっていきそうです。

最後に

今回は、何か物事を学ぶ時や自分に負けそうになった時、落ち込んだ時などに読んでほしい、アリストテレスのおすすめの名言をピックアップして紹介しました。心に刺さった名言があれば、手帳などに書き留めて、折に触れて読み返してみてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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