気がつけば、また同じことを考えてた…… ってことはありませんか?
せっかく楽しい時間を過ごしていても、心がふっと過去の暗い思い出にもっていかれたり、グルグル同じことを考えてしまったり…… 誰しも、そんな心ここにあらずの状態になることはあるはず。
そのような心の状態を脱して、自分がいま本当にやるべきこと、やりたいことができるようになる心理療法こそ、1980年代に米国で生まれ、WHO(世界保健機構)もストレス対策として推奨している“ACT”。
そこで、このACTの理論を豊富なイラストでわかりやすく解説している書籍『ACT 不安・ストレスとうまくやる メンタルエクササイズ』より、ACTの考え方や、自分でできるメンタルエクササイズをご紹介!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします
前回(第3回目)の記事はこちら>>“妖怪マインド”の正体を見る! 【WHO推奨のストレス対策・ACTのアプローチ】
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脱フュージョンの方法は100通り以上ある!
前回の記事で「妖怪マインド」の正体を暴いたら、さまざまな方法で「妖怪の着ぐるみ」を脱いでいきましょう。
自分を批判したり、責めたり、つらい過去を思い出したり、誰かを恨んだりうらやんだりするマインドの言葉は雄弁で説得力があります。
それを真実だと考えたり、もっとそのことについて考え続けたくなったりしたときに、脱フュージョンのテクニックを利用してください。
ACTにおける脱フュージョンのエクササイズは100種類以上あるといわれています。ここでは3つ紹介しますので、好みのものを試してみてくださね!
あいさつエクササイズ:「マインドさん、ありがとう」と感謝して別れる
もっともシンプルなテクニック。マインドさんがつらい話をしだしたら、できるだけ早くお礼を言います。
「あ、またその話? いつもありがとう。でももう知ってるから大丈夫」「教えてくれてありがとう」と答えるのです。
皮肉ではなく、あたたかさとユーモアを交えて言うのがコツです。その思考に名前をつけて呼ぶとさらに効果的。
アニメ声エクササイズ:アニメキャラの声で言い換えてみる
あなたの脳裏に浮かぶ定番の言葉を、有名なアニメキャラの声で言ってみましょう。
できるだけ個性的な声がいいですね。長寿アニメのキャラクターなどは使いやすいかもしれません。
その声で言われると、なんとなくクスッと笑えるものになりませんか?
歌うエクササイズ:メロディーをつけて歌ってみる
頭の中でマインドさんの声が聞こえたら、声には出さず、そのフレーズを歌にしてしまいましょう。
「ハッピーバースデー」や「七つの子」(カラスの歌ですね)、長寿アニメのテーマソングなど、パッと思い浮かぶメロディーがおすすめ。
頭の中で熱唱しているうちに、それほど深刻にとらえなくなるかもしれません。
マインドの言葉がただの“言葉”だと実感することが大事
このエクササイズはすべて、マインドさんのささやきが単なる“言葉”であるということに気づくためにあります。
だからおかしな声で言ったり歌にしたりして、重みを取り除くのです。
「アニメキャラの声で言うなんてふざけてる。私はこんなに真剣に悩んでいるのに」「この苦しさの原因をもっとまじめに考えよう」などという考えが浮かぶかもしれません。
でも、そこに時間を費やす必要はありません。
あなたはマインドさんに「助言してくれてありがとう。でも今日はこれで十分だよ」とお礼を言って、少しの間呼吸に集中してください。これを繰り返すのです。
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書籍では、脱フュージョンのエクササイズが6つほど紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね!
TOP画像/(c)Adobe Stock
『ACT 不安・ストレスとうまくやる メンタルエクササイズ』(武藤崇 著/主婦の友社)
ACTは、ストレス対策として、WHO(世界保健機関)も推奨する注目の心理療法。自分ですぐ実践できるよう、イラスト満載で、世界一わかりやすく解説した画期的な1冊です。