【目次】
・【二日酔い】になる原因とは?
・二日酔いを解消するには?
・【症状別】二日酔いを解消する食べ物・飲み物
・二日酔いのときにしてはいけないこと
・二日酔いにならないための予防法も
【二日酔い】になる原因とは?
〝アセトアルデヒド〟が体内に残っているから
代官山クリニック・蘆田英珠先生によると、二日酔いになる原因は「アルコールに含まれる〝アセトアルデヒド〟という有害物質である」と言います。
「アルコールに含まれるアセトアルデヒドという有害物質が分解されないと、頭痛や吐き気が引き起こされ、二日酔いに悩まされてしまうのです。さらに、アルコールを摂取すると、体内にある水分が尿として排出されやすくなって脱水症状になり、頭痛の原因に。
また、アルコールは、胃の粘膜に刺激を与えるので、胃酸と胃粘液のバランスが崩れたり、胃の運動機能が低下して、胃がムカムカしてしまうのです」(蘆田先生)
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体内が乾燥している
アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が失われやすくなります。それに加え、アルコールを分解するときにも水分が必要に。
これにより体内の水分が不足すると、アセトアルデヒドの排出に時間がかかり、二日酔いになりやすい状態を招いてしまうのです。
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二日酔いを解消するには?
水分を多く摂取する
内科医・成田亜希子先生によると、アセトアルデヒドの分解・排出を促すには「多くの水分を摂ることが大切」だと言います。
「二日酔い症状をより早く改善するには、アセトアルデヒドの分解をサポートするビタミンCが多く含まれた飲み物や、水分と共に失われた電解質を補給できるようなスポーツドリンクがおすすめです。
二日酔いで吐き気や嘔吐などの症状がある場合でも、十分な水分を補給しないと回復が遅くなり、つらい症状に長く苦しむことになりますので、摂れる水分をとにかくたくさん飲むようにしましょう。
また、頭痛がひどい時には、ズキズキ痛む部位をタオルや氷水で冷やす、ゆっくり休む、過眠をとる、などの対策も効果的です」(成田先生)
漢方や飲み薬を服用する
成田先生は「漢方や漢方由来の成分が含まれた薬が、二日酔いの症状に役立つこともある」と言います。
「人によって効果は異なりますが、ドラッグストアでも購入できる漢方薬や漢方由来成分の含まれた薬が二日酔い症状の改善に役立つことがあります。
具体的には、五苓散、補中益気湯、大柴胡湯などの漢方薬やアルピタン®などの薬が挙げられます。漢方成分のため、副作用の心配はほとんどありませんので、薬剤師に使用法などを確認した上で試してみるのもよいでしょう」(成田先生)
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【症状別】二日酔いを解消する食べ物・飲み物
【脱水症状の解消】電解水やミネラルウォーター
アルコール摂取後に飲むべきドリンクとして一番適しているのが、ミネラルが含まれた電解水です。たとえば、経口補水液やスポーツドリンクなど。
体への浸透が早く、水分の排出によって失われたミネラルも補給できます。
【解毒作用】フルーツジュース
「解毒酒」の作用をもつオレンジやパイナップルなどの100%ジュースも、二日酔いにはおすすめです。胃もたれがあるときは、リンゴやグレープフルーツ100%のジュースも◎。
ただし、キンキンに冷えたものは胃を刺激し消化不良を助長してしまうこともあるため、常温に置いたものを少しずつ飲むことをおすすめします。
【体のほてり】バナナや柿
上半身の熱っぽさを感じるときは「体を冷やす」作用のあるフルーツや野菜を摂取しましょう。
たとえばカキやバナナなどは体の余分な熱をとり、解毒する作用があります。トマトやキュウリなどの夏野菜も、体の熱をとる作用があるのでおすすめです。
【下痢など冷えがある】ショウガ
飲んだ翌日に下痢になってしまう、お腹を下してしまう、という人は、お酒で胃腸が冷えている可能性が。
体を温め、解毒・吐き気止め作用のあるショウガを積極的に摂りましょう。
【胃もたれ】梅干しや生の大根
胃もたれで食欲がわかない、という人は消化促進効果のある、生の大根や梅干しが効果的。
コンビニで買える大根サラダや梅おにぎりもおすすめです。
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【吐き気がある】ハーブティー
ジャスミンティーやハーブティーの独特な風味が、二日酔いのむかむかを軽減してくれることも。
ただし人によって好みの味や香りが異なるため、口にしたときに吐き気などをもよおさないものを選びましょう。
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二日酔いのときにしてはいけないこと
二日酔いの頭痛に鎮痛剤の服用はNG
多くの鎮痛剤は肝臓で代謝されます。またアルコールも肝臓で分解されます。
そのため二日酔いが原因の頭痛に鎮痛薬を服用すると、薬が代謝され切れず、強く効きすぎたり、副作用が出やすくなったりしてしまいます。
頭痛にはカフェオレや緑茶などの「カフェイン」で対応するのがいいでしょう。
サウナや入浴、運動で汗を流すのもNG
アルコールを体から抜くためにお風呂に浸かったり、運動したりして汗をかくのも脱水状態の体にはNGです。
軽いシャワーを浴びる程度が◎。
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二日酔いにならないための予防法も
水を一緒に飲む
国立がん研究センター研究所・がん幹細胞研究分野分野長である増富健吉先生によると、二日酔いにならないようにするには「お水を飲みながらお酒を飲むことが良い」のだと言います。
「若い頃、二日酔いの予防効果を確認する目的で点滴をしながら、たくさんお酒を飲むという実験をしてみましたが、随分と翌日は楽でした。でも、一般にはこのような事はできませんので、これに相当する事をするのが一番良いと思います。
答えは、お水を飲みながらお酒を飲むことなんです。
ワインならグラス1杯のワインに対して、同じ量のお水を飲むのがちょうど良い割合といっている医師仲間がいました。
つまり、ワインボトル1本ならもう1本分のお水を飲む。ワインのアルコール濃度は大体10%程度ですから、ビールだとお水の量も半分くらいでいいのではないでしょうか。日本酒はワインと同じ。ウイスキーならロックで飲むなら、お水はウイスキーの量の3〜4倍程度飲む。こんな感じでどうでしょうか?」(増富先生)
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飲む前にタンパク質や脂肪分の多い食べ物を食べる
産業医・労働衛生コンサルタントである加藤杏奈先生によると「飲み会前に何かを食べておくようにすると二日酔いになりにくい」と言います。
「空腹、喉の渇きを我慢して、さぁ最初の一口! それは格別に美味しいですが… やめておきましょう。空腹状態でのアルコールは、一気に体内に吸収されてしまうので危険です。ゆっくり吸収して、肝臓でのアルコール代謝が追いつけるように、先に胃を少し食べ物で満たしておいてから、飲み始めましょう。
胃腸に長く留まりやすいタンパク質や脂肪分の多い食べ物がGOOD。私のおすすめはチーズ、ナッツ、ヨーグルト。いずれもコンビニで買えますね。
ちなみに、タンパク質や脂肪分を含む牛乳もOKですが、『胃に膜を作って守ってくれる』というのはウソ。飲み物よりやはり食べ物の方が効果ありです」(加藤先生)
飲み会後は水分補給と肝臓をサポートするサプリを
加藤先生によると、飲み会後の夜は「寝る前に水分補給と肝臓のサポートをするサプリなどを摂ると良い」と言います。
「睡眠中に肝臓がアルコールをちゃんと解毒してくれるように、寝る前にコップ1,2杯の水分を採っておきましょう。スポーツドリンクでもよし。吸収がよく、ミネラルも含まれるのでいいですね。酔いが強い場合は、ウコン、ヘパリーゼなど肝臓をサポートするサプリ、栄養ドリンクを摂りましょう。これらは飲んだ後に摂った方が効果的です」(加藤さん)