Q.昨日の飲み会で二日酔い。家に帰って来たときは大丈夫だったのに、朝起きたら、頭痛と吐き気。今日も仕事なのに〜…。
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こんにちは。産業医の加藤杏奈です。今回は、働く女性につきもの(?)の二日酔いについてお答えします。
A. 二日酔いの原因は、アセトアルデヒドの影響と、体内の水分不足。アルコールが分解されきれず「アセトアルデヒド」という体に有毒な物質として残っている状態です。また、アルコールを分解する際に、大量の水分を消費してしまうので、体が脱水状態になっているのです。頭痛や吐き気、だるさなど、二日酔いの症状が出てしまってからでは、すべての症状に一気に対処できる方法はありません。飲み会前〜帰ってきてから寝る前までが、二日酔いを抑えるポイント。
飲み会前は‥何か食べておきましょう。
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空腹、喉の渇きを我慢して、さぁ最初の一口! それは格別に美味しいですが‥‥やめておきましょう。空腹状態でのアルコールは、一気に体内に吸収されてしまうので危険です。ゆっくり吸収して、肝臓でのアルコール代謝が追いつけるように、先に胃を少し食べ物で満たしておいてから、飲み始めましょう。胃腸に長く留まりやすいタンパク質や脂肪分の多い食べ物がGOOD。私のおすすめはチーズ、ナッツ、ヨーグルト。いずれもコンビニで買えますね。ちなみに、タンパク質や脂肪分を含む牛乳もOKですが、「胃に膜を作って守ってくれる」というのはウソ。飲み物よりやはり食べ物の方が効果ありです。
飲み会中は‥アルコールはゆっくり少しずつ楽しんで。お水も忘れずに。
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一気に飲まないよう時間をかけて飲みましょう。血中のアルコール濃度が一気に上がれば、アルコールの分解が追いつかず、お酒に強い人も「悪酔い」してしまいます。また、アルコールには利尿作用があります。お酒で水分を採っていてもどんどん出ていってしまうので、脱水気味になるのです。さらにアルコールの分解には大量の水を消費します。アルコール濃度5%のビール500mlなら同量の500mlの水分が失われます。お酒によって必要な水量は変わってきますが、お酒を一杯飲んだら、一杯の水も同時に飲むように心がけましょう。
飲み会後は‥寝る前に水分補給と肝臓のサポートを。
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睡眠中に肝臓がアルコールをちゃんと解毒してくれるように、寝る前にコップ1,2杯の水分を採っておきましょう。スポーツドリンクでもよし。吸収がよく、ミネラルも含まれるのでいいですね。酔いが強い場合は、ウコン、ヘパリーゼなど肝臓をサポートするサプリ、栄養ドリンクを摂りましょう。これらは飲んだ後に採った方が効果的です。
いかがでしたか?
それでも朝起きて二日酔いになっていたら‥。その対策方法は次回お話します。
以上、皆さんの心地よい暮らし&お仕事のお役に立ちますように☆
加藤杏奈|産業医・労働衛生コンサルタント
産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。