片頭痛を起こさないための生活習慣からの予防策
前回は、片頭痛の治療に役立つ「頭痛ダイアリー」についてお届けしました。
今回は、仙台頭痛脳神経クリニックの院長、松森保彦先生が講演で紹介していた、片頭痛の生活習慣からの予防策をシェアします。
▲仙台頭痛脳神経クリニック 院長 松森保彦先生
◆1. 食事で体調管理を心がける
食事では、次のもののとりすぎに気を付けましょう。
・オリーブオイル、赤ワイン、チーズ、チョコレート
これらに含まれるチラミンやポリフェノールという成分が血管を拡張します。
・中華料理、ソーセージ
これらに含まれるうまみ調味料や添加物が血管を拡張します。
また、過度な飲酒は避けることも大切です。
◆2. 休日の過ごし方に気を付ける
休日になると、ストレスから開放され、気もゆるんで血管もゆるむことから、休日に決まって片頭痛に悩まされる人もいます。
予防のためには、休日前夜、羽目を外しすぎないことや、極端に寝坊をしないこと、朝食をきちんと摂り、低血糖を避けることが大切です。
とくに、頭痛は寝不足や寝すぎによって起きやすいため、生活リズムを乱さないようにしましょう。
◆3. 騒音やまぶしさを避ける
片頭痛の人は、光や音に敏感です。それらは片頭痛の誘引にもなるのです。
そのため、人ごみや騒音の激しいところは避けること。例えば、映画館、カラオケ、パチンコ店などはできるだけ避けたいところです。
また、日差しの強いときにはサングラスや日傘を用いるようにして、まぶしさを避けることも予防になります。
◆4. ストレスを管理する
ストレス管理は重要です。精神的ストレス・身体的ストレスも、片頭痛の大敵だからです。日頃からストレスをためないよう工夫をし、適度な運動を心がけることが大切です。
しかし、片頭痛の予防策をやりながら、「あれもダメ、これもダメ…」では、かえってストレスがたまってしまいます。そのため、頭痛ダイアリーをつけるなどして自分の体調や頭痛が起きやすい状況を把握しておく、片頭痛が起こったときの対処法を知っておくことが重要です。もし痛みがひどかったり、何か困ったことがあったりしたら、医療機関を受診しましょう。
◆5. 頭痛体操で予防する
片頭痛の予防になり、緊張型頭痛の軽減にもなる頭痛体操を行うのも一つの方法です。
◆腕をふる体操
(1)足を肩幅くらいに開いて立ち、身体の軸を意識します。
(2)両腕を胸の高さまで上げて、そのまま左右にふります。
このとき、頭を動かさないようにし、腕の力は抜きます。これを2分間おこないましょう。
◆肩をまわす体操
(1)足を肩幅くらいに開いて立ち、両ひじを軽く曲げて、手が肩の高さくらいにくるように構えます。
(2)そのまま、両腕を内側へまわして肩をまわします。このとき、リュックサックを背負うような感覚でおこないます。
(3)次に、両腕を外側へまわします。このとき洋服を脱ぐような感覚で肩をまわします。
引用先:日本頭痛学会 頭痛体操について
この内まわし、外まわしのセットを6回おこないましょう。
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いかがでしたか。頭痛体操は日常生活に取り入れやすそうですね!
他人に理解してもらうのが難しい頭痛。しかし今後は、周りの人たちの理解も拡がるように、理解しよう、歩み寄ろうとする意識は、片頭痛の有無にかかわらず、すべての人に必要になってくるといえそうです。
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