片頭痛は「頭痛ダイアリー」で対策!
片頭痛に悩む人向けに、アムジェン株式会社、一般社団法人日本頭痛学会、JPAC(頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会)主催のオンラインイベント「片頭痛コントロールカレッジ」の第1回目が開催されました。
そこでは、アムジェン株式会社より、毎日「頭痛ダイアリー」をつけることのメリットや、生活習慣からの片頭痛の予防法が紹介されました。役に立つ知識や方法がいっぱいだったので、シェアします。
片頭痛持ちの人が抱える悩み
片頭痛は、男性よりも女性のほうが多いことがわかっています。
片頭痛の人は、日本では8.4%の推定患者数840万人いるといわれています。そのうち、男性は3.6%である一方、女性は12.9%という統計(※)があります。女性は男性の約4倍も片頭痛患者が多いのです。(※Sakai F, Igarashi H. Cephalalgia 1997;17:15-22)
片頭痛の一般的な症状は、1ヶ月に1~2回ほど発作が起き、数時間から3日間持続します。頭の片側がズキズキ痛み、吐き気・嘔吐の症状が出ることも。日常生活に支障をきたすこともあります。また、次の発作がいつ起きるかと不安になるなど、悩みは日常生活すべてに及んでいます。
埼玉精神神経センター内・埼玉国際頭痛センター長 坂井文彦先生によると、「片頭痛患者さんは、痛みがひどく、日常生活にさまざまな支障・悩みを抱えている一方で、いまだに「たかが片頭痛」と周囲に理解されず、あきらめ、鎮痛薬だけで対処し、我慢している状況がある」といいます。
▲埼玉精神神経センター内・埼玉国際頭痛センター長 坂井文彦先生
病院を受診するほどの病気ではないと思い、片頭痛による損失について本人をはじめ、家族や社会も知らずにいるのが現状。そして近年、片頭痛の原因がわかり、治療薬もできたのにもかかわらず、治療ができることが知られていないというのです。
この「たかが頭痛」の打破は、世界的な課題だといいます。
「頭痛ダイアリー」をつけよう
そうした中、坂井先生は片頭痛に悩む人に、「頭痛ダイアリー」をつけることを勧めています。
頭痛ダイアリーとは、毎日、自分の頭痛について記録する日記です。頭痛の起こった日時、どのような痛みか、痛みはどれくらい続いたか、吐き気や光・音・匂いなどが気になったか、薬を飲んだかどうか、月経、ストレス、寝不足や寝すぎ、悪天候など、片頭痛を引き起こす要因と考えられるできごとを自分で記録していきます。
▲引用先:日本頭痛学会 頭痛ダイアリーで頭痛を攻略
頭痛ダイアリーをつけることで、自分で頭痛を観察し、整理できるようになります。
頭痛のつらさは、他人には理解されないものです。それはたとえ、医師であってもです。そこで、頭痛ダイアリーが役立ちます。診察の際、医師に見せることで頭痛情報が伝わり、治療作戦を立てることができるのです。また、頭痛の誘因探しもできるので、日々のセルフケアにも役立ちます。
頭痛ダイアリーは、日本頭痛学会の公式ホームページからダウンロードできるので、ぜひ活用してみましょう。
片頭痛持ちの人は、その痛みやそれに伴う困難を、周囲に理解されないつらさがあるでしょう。けれど、今回紹介された頭痛ダイアリーを活用すれば、自分の頭痛を自分自身で知ることができるうえに、周囲にも理解してもらえる可能性も出てきます。ぜひ、トライしてみてくださいね。何かに困ったら遠慮なく、頭痛専門医に相談しましょう。
次回は、片頭痛を起こさないための生活習慣や体操を紹介します。
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