血行不良はさまざまな悩みを引き起こす
女性の不定愁訴の代名詞ともいえる、頭痛や冷え性、肩こり、貧血で悩んでいる方は、非常に多くいます。その根本的な原因は血行不良にあります。
人間の血管の長さ全て合わせると、地球を約2周半(10万キロ)と言われていますが、その約95%は毛細血管という細い血管です。
毛細血管内を流れる赤血球が細胞一つひとつに栄養・酸素を供給し、老廃物を体外に排出する働きをしています。
生活習慣、食習慣の乱れによる血行不良の不定愁訴は、その後の様々な病気につながるため早期の改善が健康を維持するためには重要です。
血行不良を改善するために取り入れたい食べ物とは?
要因と解決法1
筋肉量不足と血管の脆さがあります。良質なタンパク質(肉・魚・大豆・卵・乳製品)とビタミンC(緑の野菜、果物)を摂ることによって、コラーゲンを含むしなやかな筋肉や血管を生成しましょう。
人間が体内で合成できないビタミンCは、皮膚や腱、軟骨などの結合組織を構成するコラーゲンというタンパク質の合成に不可欠なビタミンです。
要因と解決法2
毛細血管の血行不良は、ファストフードやインスタント食品、スナック菓子など糖質、脂質にカロリーが偏り、血液がドロドロの状態です。
糖質や脂質をエネルギーに変えるための補酵素であるビタミンB群(豚肉、うなぎ、レバー、魚等)や抹消血管をひろげ血行を促進するビタミンE(うなぎ、サーモン、かぼちゃ、アーモンド等)を摂ることが大切です。
更に肉食から魚食への比率を高め、オメガ3系脂肪酸(EPA、DHA)の摂取でサラサラ血液を目指しましょう。
人間が体内で合成できないオメガ3系脂肪酸(EPA、DHA)は、中性脂肪の低下や血中コレステロール濃度を低下させ血液の流れをスムーズにしてくれます。
さらには脂質異常症を予防し、動脈硬化や虚血性心疾患の発症も抑える働きがあります。
要因と解決法3
ストレスやホルモンバランスの乱れにより、自律神経に負担がかかっていませんか。交感神経を刺激しないよう38~40度のお湯に15分以内で入浴し、ふくらはぎをマッサージすることも効果的です。
交感神経の興奮を抑えるためにカルシウム(小魚、海藻等)やマグネシウム(海藻、魚、豆類等)を摂取しましょう。更に神経を正常に働かせ、血管の拡張をスムーズにさせるためにビタミンB群を摂取しましよう。
要因と解決法4
血行不良と酸素の運搬能力低下により貧血や頭痛が起こります。
赤血球のヘモグロビンの酸素運搬能力を改善させるために、造血ビタミンの葉酸(緑の野菜)とビタミンB12(魚、貝類、のり)を摂取し、ヘモグロビンの材料となる鉄分(レバー、野菜、海藻、大豆等)をしっかり摂りましょう。
特に、月経のある女性は、毎月鉄が失われやすいため、鉄不足による疲労感、倦怠感、頭痛、動悸、貧血などの症状が起こりやすいといわれています。
毎日の食事が基本ですが、難しい場合は高品質な栄養補助食品も効果的に活用して血行不良による不定愁訴を解決していきましょう。
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予防医学マイスター 坂田武士
薬剤師。予防医学士。スポーツファーマシスト。「サムライフ」代表。昭和大学薬学部薬学科を卒業後、薬剤師免許を取得。
大手製薬会社勤務や、特別養護老人ホームの施設長などを経て、予防医学やエイジングケアの重要性を感じ、2006年に独立。2009年に「サムライフ」を設立し、薬をすすめない薬剤師として、これまでに1万人以上のオーダーメイドカウンセリングを行う。
著書に『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本』(学研プラス)がある。