天気の変化による身体の不調…それって「気象病」かも?
「雨の日はなんだか頭が重い…」「曇っている日はメンタルが沈みがち…」そんなお悩み、みなさんにはありませんか? それってもしかしたら「気象病」かもしれません。
医薬品メーカー「第一三共ヘルスケア」が、全国の男女2,350人に対しておこなったアンケート調査によれば、「気候や気圧の変化による体の変化や不調を感じたことがある」と答えた人は64.6%! さらに「気分が落ち込んだ経験がある」と答えた人は、全国平均で54.2%と半数以上を占めたそうです。
多くの人を悩ませる「気象病」とは? アンケート結果や医師の詳しい解説を交えて、その実態や付き合い方を紐解いていきましょう。
「気象病」の症状の第1位は「頭痛」!
そもそも「気象病」とは、気候や気圧の変化による体の変化や不調をあらわした総称で、その症状はさまざま。
少なからず気象病を経験したことのある1,985人に「気象病による症状」について尋ねたところ、1位は「頭痛」(67.1%)となり、2位「だるさ」(50.8%)、3位「気分の落ち込み」(23.6%)、4位「首や肩の凝り」(21.2%)と続いています。気象の変化による不調を感じたことのある方であれば、「あるある」とうなずける結果なのではないでしょうか。
さらにアンケートでは、都道府県別に気象病の経験率をランキング化しています。
◆気象病の経験率ランキング
都道府県別に見ると、気象病経験者は、冬は曇りや雨・雪の日が多い日本海に面している「島根県」(80.0%)、「新潟県」(76.0%)が上位に挙がっています。
一方で、気象病経験者が最も少ない都道府県は、梅雨がないといわれる「北海道」(44.0%)でした。「島根県」は「北海道」の約2倍にのぼる結果となっています。
◆メンタル不調の経験者が多い都道府県別ランキング
一方で、メンタルの不調の経験者が多い都道府県ランキングを見ると、先ほど気象病経験者が多かった「島根県」を抜き、1位に「秋田県」(73.2%)がランクインしました。
秋田県は都道府県別で見ると、全国で最も快晴率が低く、曇天率が高い県。一方で最も少ない「広島県」(43.9%)は、比較的少雨で、年間を通じて晴天の日が多く、穏やかな気候に恵まれた地域だと知られています。
住んでいるところによって天気の変化は違うもの。心身の不調を感じる人の割合に差があるのも、納得の結果と言えそうです。
天候の変化による急な体調不良… みんなはどうしてる?
天候の変化でなんだか心身に不調を感じたとき、みなさんはどうしていますか?
「気象による体調不良であることを周りに打ち明けるか?」という問いでは、35.5%もの人が「伝えにくい」と回答しています。「気にせずに伝える」と答えた人はたったの11.6%だったそう。
都道府県別で見ると、気象が原因で伝えにくく、「伝えられないことがある」または「伝えられない」と回答した割合は、「山形県」が42.9%と最も多い結果になりました。まじめで辛抱強い気質を持つ人が多いと言われる山形県。もしかしたらそんな県民性も影響しているのかもしれません。
続いて、気象による体調の変化で「頭痛」になった経験があると回答した1,331人を対象に調査。
気象病による頭痛を感じたときの薬の服用について聞いたところ、「耐えられない痛みでない限り服用しない」または「服用しないで我慢する」と回答した割合が全国平均で41.6%と、半数に迫る結果になっています。
医師に聞いた!「気象病」の適切な対処の仕方とは
アンケート調査では、気象病が起こる原因やその背景、予防や対処法などについて、内科医の正木初美先生に詳しく解説をしていただいています。
◆気象病の起こる原因・気象病になりやすい人
・気象病の原因は、気圧や温度・湿度などの変動による“自律神経バランスの乱れ”
・気象によって「副交感神経」が過度に働くと“メンタル不調”を引き起こす
・気象病は自律神経のバランスが乱れやすい女性や、マイナス思考の人が発症しやすい
気象病は、女性ホルモンやストレスなども関係があると言います。女性ホルモンのバランスが崩れているときや、過度なストレスを感じているときには、通常よりも気圧や温度、湿度の変化に敏感になるため、気象病にもなりやすいそう。
月経周期や更年期など、女性ホルモンの働きが自律神経の活動に影響するため、結果的に気象の影響も受けやすいんです。
◆気象病との付き合い方
・気象病には症状に合わせた対処が必要
・自分も周りの人も、気象病を理解することが大切
自律神経の乱れを整えるには、睡眠やお風呂、好きな音楽や映画に触れてリラックスするなど、「副交感神経」のはたらきを促すように心身を休めてあげることが大切なのだそう。
一方で「副交感神経」が過剰に働き、気分の落ち込みや眠気の症状を感じている人は、思い切って外に出ることが効果的なのだそうですよ。
気象病について「わかってもらえない」ことも大きなストレスになるので、自分自身も周りの人も、気象病の症状を理解し、適切な対応を取ることを心がけるといいそうです。
上手に薬を使って、快適に過ごすことも大切
さらに正木先生は「気象による頭痛症状がある場合には、痛みによるさらなるストレスを溜めかねないため、無理せず上手に薬を服用することが大切」と述べています。
また、第一三共ヘルスケアのロキソニン内服薬シリーズに携わる研究員によれば、「少しでも痛みを感じたら、早めの鎮痛薬服用がおすすめ」なのだそう。痛みを我慢できなくなってから鎮痛薬を服用しても、十分に鎮痛薬の効果が得られないことがあるのだとか。
さらに「用法・用量を守って短期間の服用であれば、体が鎮痛薬に慣れて効かなくなるということはありません」とも述べています。
もちろん不調が長く続く場合には別の原因も考えられるため、早めの医師の診察をおすすめしますが、「ほんの少し今日は具合が悪いな」と思った日には、まずは無理せず薬を服用するのが、気象病、特に頭痛症状との賢い付き合い方と言えそうです。
誰しもに起こりうる気象病。今までどことなく感じていた心身の不調も、もしかしたら気象病なのかもしれません。まずは無理せず休んだり、周りにしっかり理解してもらうこと、そして我慢せずに薬を服用すること。季節の変わり目には特に、自分の身体と上手に向き合っていきたいですね。
【調査概要】
『天気の変化による身体の不調「気象病」に関する全国47都道府県実態調査』
調査期間:2022年7月9日(土)~7月10日(日)
調査対象:全国男女2,350人(性・都道府県別均等割付)
調査方法:インターネット調査
調査主体:第一三共ヘルスケア
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