十分な睡眠におすすめの食べ物やサプリ・生活習慣
忙しい日々を送る現代の大人女性。しっかり睡眠をとりたくてもなかなか朝の目覚めがすっきりしない、ということも少なくないのではないでしょうか。寝ても疲れが取れないと日中のパフォーマンスもダウン気味に。そんな習慣を改善できるよう、原因や対処法を追究。良質な睡眠をとって日々の生活を快適に!
〈POINT〉
・しっかり寝ているつもりでも寝れていないことも! 疲れが取れない原因は?
・良質な睡眠におすすめの食べ物やサプリを摂取
・寝る前には食事の時間やスマホの使用など、注意が必要
寝ても疲れが取れない原因
寝ても疲れが取れない原因は、睡眠そのものの質や日々の生活スタイルから! 改善に向けて、原因をしっかり突き止めていきましょう。
原因1|睡眠不足
眠気が取れなかったり、寝ても疲れを取ることができないときの原因のひとつは、単純な睡眠不足であることも。
しっかり眠っているつもりでも、実際は熟睡できている時間が少なく、睡眠時間が不十分で日中の眠気や疲れを引きずることにつながっているのかもしれません。
原因2|睡眠負債
睡眠不足が続いてしまうと〝睡眠負債〟となって身体に蓄積されてしまいます。わずかな睡眠不足でも、積み重なると心身に悪影響を及ぼす可能性も。
睡眠負債が増えると日中の眠気が取れないだけでなく、がんやうつ病、認知症などの病気のリスクもアップしてしまいます。
睡眠不足が蓄積されないよう、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。
原因3|ストレスの蓄積
睡眠そのものの原因はもちろん、ストレスが溜まっていると夜の安らかな睡眠を邪魔してしまう可能性もあります。日々の生活によるストレスで睡眠が妨害され、日中に眠気が襲ってきているのかもしれません。
内科医・成田亜希子先生曰く、ストレスは入眠や熟眠を妨げるといいます。
「ストレスは交感神経を刺激して入眠や熟眠を妨げることがあります」(成田先生)
仕事や家事育児など、日常生活でストレスが溜まってしまわないよう、ストレスを発散できるような趣味を持ったり、就寝前にアロマを焚くなどして心を穏やかに就寝できるよう心がけることが大切です。
良質な睡眠をとるための直し方や対処法
寝ても疲れが取れない… 日中に眠気に襲われる… そんな事態になってしまわないよう、改善方法や対処法をピックアップ。食べ物や生活スタイルを日頃から意識して取り組んでいきましょう。
良質な睡眠に大切な食生活を
睡眠コンサルタント・友野なお先生によると、眠りには「メラトニン」という別名「睡眠ホルモン」の分泌が大きく関わっています。このメラトニンの分泌を促すのが「セロトニン」という物質であり、さらにはセロトニンを生み出すのが「トリプトファン」という必須アミノ酸。
つまり、このトリプトファンの摂取が「睡眠」にとって重要なのですが、実はトリプトファンは体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要があるのです。
そうはいっても、より良く眠るためには「トリプトファンを多く含む食材を摂取すればいい」というわけではありません。トリプトファンのほかに「炭水化物」「ビタミンB6」を組み合わせることが大切。
この3つをバランスよく摂取できるのが、なんと「バナナ」なのです!
摂取するタイミングは「朝」がおすすめ
良質な睡眠には、トリプトファンを摂取するタイミングも重要です。朝にトリプトファンを摂取することで昼間の意欲的な活動が後押しされ、メラトニン分泌という側面だけでなく、日中を活動的に過ごせて上手に疲れることで快適な眠りが後押しされます。
忙しい朝は簡単に食べられるバナナに加えて、トリプトファンを同じように含む牛乳と摂ると、トリプトファンの摂取をより強化することができます。
睡眠不足によって肌荒れや肥満も? 不眠解消には朝に身近なアノ果物がおすすめ♡
気力を充実させる食べ物
国際中医薬膳師・漢方アドバイザーの大木さと子さんによると、寝ても疲れが取れない人は、気力を充実させる食材を摂るのがおすすめです。鶏肉、イモ類、甘酒、秋は銀杏や椎茸・舞茸などのきのこ類もぜひ。
睡眠の不調には「なつめ」
漢方の生薬のひとつでもある、「棗(なつめ)」は睡眠の不調にも効果的。女性にはぜひ取り入れていただきたい食材のひとつです。精神不安や不眠、胃腸虚弱に効果があります。中華街や中国食材のショップではごくポピュラーな食材。乾燥したものをドライフルーツのようにそのまま食べたり、スープに入れたりしてもOK。初めての薬膳食材としておすすめです。
食事は就寝3時間前までに終わらせましょう
睡眠に必要な栄養を摂ることも重要ですが、時間も大切な要因の一つです。
内科医の成田先生によると、
「就寝前に食事を摂ると、入眠時に胃や腸が活発に動いた状態となるため、睡眠が浅くなってしまうことがあります。また、脂肪分が多い食事は消化に時間がかかるため、夕食時はほどほどにすることも大切です。食事は、就寝の3時間前までに済ませ、入眠時は心身ともに休める体制を整えましょう」
とのこと。朝すっきりと目覚めるためにも食事の時間も意識しましょう。
日々の生活から寝ても疲れが取れない体を改善
【1】筋トレのあとに湯船につかる
体にも肌にも良くない「冷え」を解消するコツを、金沢医科大学総合内科 准教授の赤澤純代先生に伺いました。
「筋肉の7割は下半身に集中しているので、スクワットなどで下半身を鍛えると効率がよいでしょう。そして、夜は湯舟に浸かり、ゆっくり温まりましょう。お湯でからだを温めると血流がよくなるばかりか、お湯の熱を血液が受け取り全身に流してくれるので、芯から体があたたまります。また水圧によるポンプ効果でさらに血流が促進され、毛細血管のゴースト化も防ぐことができます」
シャワーが睡眠障害につながってしまうことも!
なんと、「ストレスや不調を抱えている人、忙しい人、冷えに悩んでいる人ほど、たいがいシャワーのみ。しかし、シャワーでは身体を温めたり血流を改善することができないばかりか、寝る前のからだが冷えていると睡眠障害にもつながります。人は体温がストンと下がるときに眠りにつくのですが、体温が低いとこれ以上は下がらず、冷えで眠れない、ということが起きるのです」。
シャワーは短時間で済んで楽ですが、体調にも睡眠にもよくありません。なるべく湯舟に浸かって体を温めることが、よりよい睡眠と健康、そして美肌を保つことにつながるのかもしれませんね。
もしかして「シャワー」が原因? じっくり入浴で「睡眠障害」と決別しよう
【2】睡眠を促す入浴剤を使う
▲クナイプ|グーテナハト バスソルト ホップ&バレリアンの香り
眠りが浅い、目覚めが悪い、寝つきがよくないなど… 忙しく働く私たちを取り巻く睡眠の悩み。古くからヨーロッパで「眠りのハーブ」として親しまれてきた「ホップ」と「バレリアン」を配合した、『クナイプ グーテナハト バスソルト ホップ&バレリアンの香り』の心やすまるハーブの香りとブルーのお湯色が、睡眠を改善してくれます。お休み前のバスタイムで心も体も休め、ぐっすり質の良い睡眠を手に入れて。
【3】睡眠の質を向上させるおすすめグッズを使う
《一般内科医・成田亜希子先生に教えていただきました》
■寝具
睡眠中、体に触れる寝具は「睡眠の質」に大きく左右することがあります。眠りが浅いレム睡眠期は、暑さや寒さなどちょっとした不快な感覚があるだけでも目を覚ます原因にも。質の高い睡眠のためには、季節に合った寝具を選んで快適に眠れるように心がけるのがおすすめです。
■サプリメント
自然な入眠を誘ったり、熟眠感を改善させるような効果がうたわれたサプリなどがあります。そういったサプリには、入眠効果があるとされるL-テアニンやグリシンなどが含まれるものもあり、高い効果が期待できます。サプリメントの効果は個人差がありますので、まずは気になるサプリメントを試してみましょう。
■アプリ
ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを上手く応用した目覚めアプリが注目されています。睡眠中の体動を検知して、すっきりした目覚めやすいレム睡眠期にアラームを鳴らしてくれます。朝の目覚めが悪い人は、睡眠リズムの乱れが原因の可能性もありますので、ぜひ試してみて。
■漢方薬
夜、なかなか寝付けないという人は、自律神経の高ぶりが原因というケースも。自律神経の高ぶりはストレスや疲れがたまったとき、生理前などに起こりやすく、イライラ感や焦燥感などを引き起こす原因にもなります。
そんなときには、自律神経のバランスを整える「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)や「加味帰脾湯(かみきひとう)」などの漢方薬がおすすめ。睡眠薬は依存性や副作用が心配という人は、それらの心配が少ない漢方薬を試してみるとよいでしょう。
【4】すっきり目覚められなかった時は朝にコーヒーや紅茶などを摂取する
朝、目が覚めてもどうしても眠気が取れないときは、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインが含まれた飲みものを飲むこともおすすめです。カフェインには覚醒作用があるため、ぼーっとした頭をスッキリさせてくれます。
ただし、カフェインの過剰摂取はNG。お茶は低温で淹れるなど、カフェイン量をコントロールして摂取しましょう。
「0.5~10℃の冷水でお茶を入れると、80℃で入れた場合よりもカフェイン量が格段に少なくなることが判明。農研機構の実験によれば、10℃の冷水の場合は約半分、0.5℃の水では実に80%近くもの減少率となるというデータが出ています。
カフェインは覚醒作用をはじめさまざまな効果があることで知られている一方、飲む人やシチュエーションによってはそれらの効果がデメリットに働くことも。
そのため、カフェインを控えたいという人は緑茶を低温で入れることによって、カフェインの摂取を抑えることが可能に」(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 上級研究員/理学博 物部真奈美先生)
【緑茶の知られざる秘密】低温で入れるとカフェイン激減!? 入れ方で味も成分も変わる!?
【5】寝る前にパソコンやスマホを触る習慣を止める
就寝前にパソコンやスマホを触る行為、やっている人は少なくないのではないでしょうか。実はこの行為こそ、良質な睡眠をとるために見直したいことだと内科医の成田先生は言います。
「スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を活性化させ入眠を妨げる作用があります。就寝前はスマホやパソコンなどをいじらないようにしましょう」(成田先生)
どうしても使わなければいけないときは、「ブルーライトカット眼鏡」などを活用し、あまり長い間触らないようにする工夫をしましょう。
最後に
良質な睡眠をとる方法は一つだけではありません。すべてを意識するのは難しいと思いますが、寝る前のスマホをやめる等、すぐにできることからはじめてすっきりとした目覚めを迎えられるようにしていきましょう。
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