冬に「眠れない」のはナゼ? 解決策のひとつ「バナナ」を朝に食べる!
気温が下がり、冬に変わるころ。気を付けなければいけないのが、冷えからくる不眠。「寝たいのに寒くて眠れない…」と悩んだことがある人も多いはず。
今回、睡眠コンサルタントの友野なお先生に「睡眠の対策方法」を教えてもらいました。
◆冬に不眠になる原因は…?
冬は睡眠の質を下げる様々な要因が潜んでいます。そして睡眠の質の低下は、心身に影響を及ばすことも…。
【冬の眠りの質低下の原因】
✔︎気温の低下
人は眠りにつく際に手や足先から熱を出して、内臓の温度をさげることで眠りに入ります。しかし、寒さによって四肢が冷えてしまっていると放熱がうまくいかなくなってしまいます。
✔︎日中の活動量の減少
良質な睡眠には適度な疲労も必要。冬は気温の低さから、外出や運動が減る傾向にあり、日中の活動量が減少することで、適度な疲労が得られなくなってしまいます。
✔︎日照時間の短縮
良質な睡眠には朝の目覚めが関係しており、日の出が遅い冬は朝の光の刺激が少なく、目覚めが悪くなります。また、起床時の光不足は、体内時計のリセットや覚醒を促すホルモン分泌を妨げ、目覚めが悪くなってしまうことも。
【眠りの質低下による影響】
✔︎肌荒れ
肌が新しく生まれ変わるためには、肌の内部で細胞分裂が起こることが必要ですが、この細胞分裂は、睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで促進されます。
✔︎肥満
睡眠時間と肥満の関連性は様々な研究(※)から報告されています。睡眠不足が食欲ホルモンの分泌や空腹感の増大を招き、食行動に影響。
※2017早稲田大学、花王株式会社共同研究、2016筑波大学など
✔︎冬季うつ(季節性感情障害)
日照時間の短さ(日光の不足)は、過眠、過食、体重増加等の季節性のうつ状態に関与しているといわれています。冬は脳の神経伝達物質である「セロトニン」の分泌が減少する傾向にあり、精神の安定や自律神経のバランスを崩しやすくなります。
◆良質な睡眠に大切な「メラトニン」「セロトニン」「トリプトファン」
眠りには「メラトニン」という別名「睡眠ホルモン」の分泌が大きく関わっています。このメラトニンの分泌を促すのが「セロトニン」という物質であり、さらにはセロトニンを生み出すのが「トリプトファン」という必須アミノ酸。
つまり、このトリプトファンの摂取が「睡眠」にとって重要。そして、トリプトファンは体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要があるという点がポイント。
とはいえ、より良く眠るためには「トリプトファンを多く含む食材を摂取すればいい」というわけではありません。トリプトファンのほかに「炭水化物」、「ビタミンB6」を組み合わせることが大切。この3つをバランスよく摂取できるのは、「バナナ」なのです!
◆トリプトファンを摂取するタイミングは「朝」
良質な睡眠には、トリプトファンを摂取するタイミングも重要。朝にトリプトファンを摂取することで昼間の意欲的な活動が後押しされ、メラトニン分泌という側面だけでなく、日中を活動的に過ごせて上手に疲れることができるという点からも快適な眠りが後押しされます。
◆友野先生のおすすめは…「てもみジュース」
朝食をゆっくり作ったり、食べることができない忙しい人には簡単に食べられるバナナがおすすめ。さらには、トリプトファンを同じように含む牛乳と摂取することで、トリプトファンの摂取をより強化することもできます。
【バナナと牛乳のてもみジュース】
<材料>
バナナ:1本
イチゴ:5粒
ヨーグルト:100g
牛乳:100ml
ハチミツ:小さじ1
<作り方>
1. 食材をひと口大のサイズにちぎって袋のなかに入れ、約1分、手でもむ。
2. グラスに移して完成。
バナナは、スーパーで手に入りやすく、しかも価格もお手頃! そんなバナナに不眠解消の効果があったとは… ビックリ。睡眠不足を感じている人は、朝にバナナを食べてみることから始めてみると良いかも♡
TOP画/(c)Shutterstock.com
情報提供/日本バナナ輸入組合
教えてくれたのは…睡眠コンサルタント 友野なお先生
睡眠コンサルタント/株式会社SEA Trinity代表取締役
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程にて予防医学の観点から睡眠を研究。順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会 正会員。
自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエット、さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「昼間のパフォーマンスを最大にする正しい眠り方」(WAVE出版)、「疲れがとれて朝シャキーンと起きる方法」(セブン&アイ出版)など多数。