いよいよ高血圧シーズン到来!
いよいよ本格的な冬の到来を迎えるこの時期、血圧について気になっている人も多いのでは。実際に、血圧は季節によって変動します。夏は低下しやすくなりますが、気温が低くなると上昇するのです。そのため、夏は血圧が低かった人もこの時期は特に注意が必要!
そして高血圧を放置していると、重篤な疾患を引き起こす可能性があることをご存知ですか。
「高血圧は動脈硬化の最大の危険因子」とその重要性を指摘するのは、〝血管の名医〟循環器専門医の池谷敏郎先生。さらに動脈硬化を促進することで、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの病気のリスクも高めます。
そこで池谷先生に、高血圧の対策法について教えていただきました。
そもそも冬に血圧が上がる理由は!?
そもそも冬に血圧が上がるのはなぜでしょうか。池谷先生は冬に血圧が上がる原因について、以下のように解説。
「気温が下がり、体感温度が下がると、体の熱が外に逃げないよう全身の血管が収縮するため、血圧が上昇します。実際にこの時期は、高血圧の患者さんが増える時期。現在、日本の高血圧患者は約4300万人もいると言われています」(池谷先生)
注目の成分〝GABA〟の降圧効果
では、血圧を下げるためにすべきことは…?
「血圧を正常化へ向ける方法のひとつが、減量、すなわち内臓脂肪を減らすこと。またGABAを摂取することもオススメです。
GABAは、穀物や野菜、果実などに含まれるアミノ酸。消化管から体内に吸収され、交換神経末端からでる血管収縮作用伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑制します。ノルアドレナリンは細動脈を収縮させる作用があるので、この分泌を抑制することによって、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にしてくれます。これによって血圧の低下をもたらす効果が期待できます。
さらにGABAの自律神経を介したリラックス効果で睡眠の質が高まれば、その効果がより高まると考えられます。」(池谷先生)
オススメは、GABAを含む〝大豆もやし〟
さらに池谷先生のイチオシの食材についても教えていただきました。
「私のイチオシは〝大豆もやし〟。もやしといっても普通のもやしではなく、豆がついている大豆もやしです。
もやしには栄養があまりなさそうなイメージがあるかもしれません。しかし、大豆を発芽させた大豆もやしは、一般的なもやしである緑豆もやしの2~3倍もの豊富な栄養素が含まれています。
GABAをはじめとして、大豆イソフラボンや食物繊維、ミネラルなど様々な栄養素が含まれているうえお手軽に食べられるスーパーフードなのです。
また、低糖質で腹持ちもよいので、内臓脂肪を減らす食材としてもオススメです。」(池谷先生)
大豆もやしをおいしく食べられる「もやしレモン」
池谷先生は、自宅で簡単にできるメニューとして「もやしレモン」がおすすめといいます。「もやしレモン」とは、もやしの中でも、血圧を下げる効果のあるGABAの多く含まれた子大豆もやしと、レモン果汁、白だしを合わせた副菜。
これを、作り置きしておき、漬物や梅干しの代わりに食事にプラスしてください。塩分量も抑えられ、レモンの爽やかな酸味ともやしの歯ごたえでおいしく食べられますよ!
池谷流「もやしレモン」の作り方
<材料(作りやすい分量)>
・GABA 子大豆もやし… 1パック
・レモン汁… 30〜50cc
・ごま油… 大さじ1杯
・白ごま… 適量
<作り方>
1.大豆もやしを12分茹でる。※時間のない方はレンジでチンをしても構いません
2.ごま油と白ゴマであえてレモン汁をかけて完成
<ポイント>
・茹でたときに残ったお湯はお好みで塩とレモン汁をかけてスープにしましょう。
・溶け出したミネラルと食物繊維を摂取することができます。
・そうめんなど冷やし麺メニューに入れても良し、おつまみとしても良い作り置きレシピです。
教えてくださったのは… 池谷 敏郎(いけたに としろう)先生
医学博士・池谷医院院長。東京医科大学医学部卒。東京医科大学循環器内科客員講師、日本循環器学会循環器専門医。
血管に関する第一人者として、テレビや雑誌、ラジオなど、メディア出演多数。今、最もメディア出演オファーが多い医師。
ベストセラー『人は血管から老化する』『老けない血管になる腸内フローラの育て方』(青春出版社)、最新刊『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』(東洋経済新報社)、『血管を強くする1分正座』(小学館集英社プロダクション)など著書多数。