【目次】
・眠りに導く習慣・眠りを妨げる習慣
・【4つのタイプと原因】どうして眠れない?
・【食べ物・飲み物】食事にも気をつけて安眠を促す
・【生活習慣を改善】眠りを深めるルーティーン
・【快眠に導くおすすめグッズ】枕やリラックスアイテム
・最後に
眠りに導く習慣・眠りを妨げる習慣
なかなか眠れない日が続いているときは、忙しく過ごすうちに知らず知らず「眠りにくくなる習慣」を取り入れてしまっている可能性も。眠りを妨げる原因を確認して、心当たりのあることを改善していきましょう。
〈INDEX〉
・眠れなくなる原因とは?
・食べ物や飲み物で体を眠りの体制に
・普段の生活で取り入れたい習慣・グッズ
【4つのタイプと原因】どうして眠れない?
「眠れない状態」にもさまざまなタイプがあります。自分のタイプを知るとともに、体が眠りの準備に入るメカニズムについてもおさらいしておきましょう。
◆眠れない状態4つのタイプ
\教えてくれたのは…/
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会所属 一般内科医・成田亜希子先生
1. 入眠障害
就寝してから実際に眠りにつくまでに長い時間がかかるタイプ。
2. 中途覚醒
眠りの途中に目が覚めて、再び眠るのに時間がかかったり、そのまま眠れなくなるタイプ。
3. 早朝覚醒
早朝に目が覚めて、再び眠るのに時間がかかったり、そのまま眠れなくなるタイプ。
4. 熟眠障害
十分な睡眠時間は確保できているものの眠りが浅く、起床時にスッキリしないタイプ。
※症状が重度の場合は医療機関で治療を行う必要があるので、確認しておきましょう。
◆眠れないのはホルモン分泌が影響?
「私たちの脳内では眠気を誘う“メラトニン”と呼ばれるホルモンが産生されています。
■メラトニンの性質
メラトニンは、朝太陽の光を浴びると産生量が低下し、その約15~16時間後に再び産生量が上昇する性質があります。このため、私たちの身体には「朝日を浴びると目が覚めて、夜には自然と眠くなる」仕組みが備わっているのです。
■太陽の光を浴びなかったらどうなるの?
起床・就寝時間が不規則だったり、カーテンを閉めた室内に閉じこもるような生活を続けていると、メラトニンの分泌サイクルも乱されることになります。その結果、日中に眠くなったり、夜になっても眠気がないなどの症状が現れ、不眠症を発症することも」(成田亜希子先生)
【食べ物・飲み物】食事にも気をつけて安眠を促す
体調を整えるための食事療法があるように、眠りに導くおすすめの食材があります。毎日の食事・レシピの参考にしてみてください。
◆トリプトファンを含んだ食べ物
・赤みの魚
・肉
・卵
・アーモンド
・アボカド など
睡眠ホルモン「メラトニン」の材料は「セロトニン」。そのセロトニンの材料となるのが、必須アミノ酸の「トリプトファン」です。残念ながらトリプトファンは人間の体内で作ることができないため、上記のような食品を積極的に食べることが大切なのです。
◆アーモンドミルク
良質な睡眠の鍵となるセロトニンが含まれているアーモンド。寝る前にあたためたアーモンドミルクを摂るのも、安眠におすすめです。
◆食物繊維
セロトニンは95%が腸内で作られます。つまり、睡眠の質を向上させるには、腸内環境を整えることも大切なポイント! 食物繊維を積極的にとるのもおすすめです。
◆納豆
納豆には血のめぐりをスムーズにする働きが期待できます。寝つき・寝起きが悪い人のほか、便秘がちな人・肩こりや冷え性が気になる人にもおすすめ。
◆ヨーグルト(ドリンク)
\教えてくれたのは…/
漢方アドバイザー、国際中医薬膳師・大木さと子さん
ヨーグルトは便通改善に役立つほか、安眠のサポートもしてくれます。食物繊維をたっぷり摂っても便通が良くならないという人は、ヨーグルトを試してみると◎。
※ホットヨーグルトにしたり、ヨーグルトドリンクを飲むのもおすすめ。
◆バナナ×牛乳
より良く眠るためには、睡眠ホルモンのトリプトファン、さらに炭水化物とビタミンB6を合わせることが大切。この3つをバランスよくとれるのが「バナナ」です。
そのまま食べても満足感が得られるバナナですが、牛乳と一緒に摂ることでトリプトファンの摂取をより強化できます。朝にバナナと牛乳の手もみジュースを飲んで、夜の安眠を促しましょう。
〈材料〉
・バナナ:1本
・イチゴ:5粒
・ヨーグルト:100g
・牛乳:100ml
・ハチミツ:小さじ1
〈作り方〉
1. 一口大にちぎったバナナとイチゴ、その他材料を袋に入れる。1分ほど手で揉む。
2. グラスに移して完成!
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【生活習慣を改善】眠りを深めるルーティーン
今日こそぐっすり眠りたい… そう感じたら、安眠に導くための大切なポイントを意識してみましょう。今すぐにできる簡単なものをまとめて紹介します。
◆安眠するためのポイント4つ
■規則正しい生活を送る
良質な睡眠に関与するメラトニンの分泌を安定させるためにも、起床・就寝時間は規則正しく、起床時にはカーテンを開けてしっかりと日光を浴びることが大切です。
■食事は就寝3時間前までに
就寝前に食事を摂ると入眠時に胃や腸が活発に動いた状態となるため、睡眠が浅くなってしまうことがあります。また、脂肪分が多い食事は消化に時間がかかるため、夕食時はほどほどにすることも大切です。食事は就寝の3時間前までに済ませ、入眠時は心身ともに休める体制を整えましょう。
■ストレスをためない
ストレスは交感神経を刺激して入眠や熟眠を妨げることがあります。日常生活からストレスを完全に排除することはできませんが、ストレスを発散できるような趣味を持ったり、就寝前にアロマを焚くなどして心を穏やかに就寝できるよう心がけましょう。
■就寝前のスマホやパソコンは控える
スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を活性化させ入眠を妨げる作用があります。就寝前はスマホやパソコンなどをいじらないようにしましょう。
◆生活の中で光を意識する
最初の章で「朝太陽の光を浴びる」ことの大切さを解説しました。脳は日が沈むことで「夜だ」と判断してメラトニンを分泌します。そのため、寝る3時間くらい前からは強い光や、PC・スマホなどのブルーライトを避け、間接照明を利用などの対策をするのがおすすめです。
◆湯船に浸かる
シャワーだけでは、体を温めたり血流を改善させることは難しく、寝る前に体が冷えて睡眠障害につながってしまうことも。湯船に浸かることで血流が改善し、血液がお湯の熱を全身に流してくれるため体の芯から温まります。
人は体温がストンと下がるときに眠りにつくようになっていて、体温が低いままだとそれ以上は下がらないため「冷えて眠れない」ということが起きてしまうのです。
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◆睡眠の30分前までに入浴する
入浴後すぐにベッドに入ってしまうと、体が火照って深部の体温が下がらなくなってしまいます。かえって眠れない原因になってしまうので、入浴は睡眠の30分前までには済ませておくのが◎。
◆クラシック音楽を聴く
就寝の30程前から音楽を聴くことは、寝つきをよくするのに有効です。ただし好きな音楽を好きな音量で聴けば良いというわけではなく、スローテンポで音の数が多くない「クラシック音楽」がおすすめ。パッヘルベルの「カノン」やラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」などが良いでしょう。
また、弱い音量で聴くのがポイントですが、音楽をかけたまま寝てしまうと眠りの浅いレム睡眠時に目を覚ましてしまう原因に。そのため就寝時に音楽をかけるときは、タイマー機能などをセットしておくことをおすすめします。
◆潔く諦めてみるのも一つの手
何をしても眠れない…。そんなときは「眠れない、眠れない」と思い悩むのではなくいっそ寝ることを諦めて、朝起きる時間を守ることを重視してみましょう。朝、起きたい時間に強制的に起きる習慣がつくと、自然にカラダのリズムが整い、夜も眠れるように。
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◆決まった時間に寝て決まった時間に起きる
なるべく同じ時間に寝て同じ時間に起きるようにすると、ホルモンや体温の調整リズムが決まった時間に合うように調整され、睡眠の質も向上します。また、どうしても睡眠時間が取れない場合でも、もっとも熟睡できる「午前0時〜午前6時」の時間帯に睡眠時刻を近づけることで、質のいい睡眠が期待できます。
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◆寝具を見直す
実はかための寝具の方が、寝返りが自由にできて睡眠の質が向上します。
ふかふかの寝具は体が沈んでしまい、寝返りがしにくいのでNG。
また、ベッドフレームが華奢なものやフレームのないタイプ、ソファベッドなども疲れる原因に。一番良いのは、畳や床の上に布団を敷いて寝ること。床のかたさがわかるくらいの厚みは寝返りや伸びがしやすく、背骨の調整も自然とできるのでベストです。
マットレスを3ヶ月に一度を目安に左右・天地を入れ替えるのも大切。マットレスのスプリングは徐々に劣化してしまうため、こうすることでへたるのを防ぎ、劣化も遅くなります。長年使ってへたったマットレスは買い替えを検討してみて。
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◆快眠ストレッチ
運動をすることで、一度深部体温を上げて体温を下げやすい環境をつくることも効果的。かといって、激しい運動は逆に眠りにくくさせてしまうことも。おすすめなのは「快眠ストレッチ」です。寝返りしやすくなるようストレッチで筋肉をほぐすと、血液循環促進や寝床内の温湿度調整にも役に立ちます。
〈上半身のストレッチ〉
1. 肩幅に開いてタオルを持ち、腕を上に伸ばしながら体を左右に曲げ、体側を伸ばします。
2. 背中を丸めたまま腕を体の前に下ろし、背中の筋肉をグーッと伸ばします。
3. 腕を後ろに伸ばし上げ、胸を開きます。
4. タオルの端を持ったまま、両サイドに開き下ろして、背中の筋肉をほぐします。
〈下半身のストレッチ〉
仰向けになり、足の裏にタオルをかけたまま膝を伸ばして足を上げ、タオルをグーッと下に引っ張ります。左右1回ずつ、各2セット。下半身の血流が良くなって、体がポカポカしてきます。
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【快眠に導くおすすめグッズ】枕やリラックスアイテム
心地よい眠りに導く枕や、心身をリラックスさせてくれるアイテムを紹介します。バスタイム・香り・呼吸など、眠る前準備として取り入れるのがおすすめ。
◆トゥルースリーパー|セブンスピロー
人間工学に基づくボディフィットカーブで、心地のいい寝姿勢に。寝返りが気にならないワイドサイズも嬉しい。
◆トゥルースリーパー|セブンスピロー ウルトラフィット
上で紹介した「セブンスピロー」に12本のスリットが入ってアップグレード! 横向き寝の体勢が多い人におすすめです。
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◆キュアレ|THE MAKURA
整体師が考案した、体のバランスを整える枕です。頚椎の力みをとるので、呼吸が楽に。
◆バスソルト
ここからは、ベッドに入る前のルーティーンにおすすめのグッズを紹介していきます。
▲クナイプ|グーテナハト バスソルト ホップ&バレリアンの香り
疲れているのに寝付けない、眠りが浅い、目覚めが悪い、という人におすすめのバスソルト。ヨーロッパで古くから不眠症の改善に使われてきたホップやバレリアン、体を芯から温める天然岩塩を配合しています。心落ち着く香りと深いブルーのお湯でリラックス、
ぐっすり眠れる【クナイプ】のバスソルトさえあれば、仕事の疲れを翌日に持ち越さない!
◆吹きもどし睡眠法
自律神経を刺激し、副交感神経を優位にして入眠を助けてくれる腹式呼吸。この「吹き戻し」を使うことで簡単に腹式呼吸ができます。寝る直前・ベッドに入った状態で行いましょう。
100均の「吹きもどし」でできる!? 不眠に効く【吹きもどし睡眠法】
◆アロマオイル
アロマオイルを寝具にスプレーしたり、ディフューザーを使用すると、高揚している気分が落ち着いて眠りの態勢に。「ラベンダー」「グレープフルーツ」「ベルガモット」の香りはストレスを緩和させ、「イランイラン」はホルモンバランスを整えるのをサポートします。
最後に
「眠らなきゃ」と意識するほど眠りにくくなる不眠状態。思考も体もリラックスさせることや、脳を睡眠の状態に導くルーティーンがとても大事なんですね。夜の安眠対策は朝の行動から始まっています。食べ物や飲み物、生活習慣などから少しずつ取り入れて、自分のリズムにしていきましょう。
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