朝や夜になると、外に出たときに寒いと感じる日も増えてきました。単純に寒さに慣れないこの時期、風邪を引いたり体調を崩したりする方も多いですよね。また、寒い冬の時期をとおして特に女性に気をつけていただきたいのが「冷え性」。不快感だけではなく、この「冷え」は、婦人科系の不調や不妊につながると言われています。寒さを感じ始めたら、気をつけたい「冷え性」は、具体的にどのような症状が現れるのかそしてどのような対策法があるのか見ていきましょう。
「冷え」を感じるときに現れる症状とは?
体に冷えを感じたとき、どのような症状が現れますか。暖かい室内から外に出たとき、身をきゅっと縮めるような動作をついとってしまいますよね。冷えを感じると、血流が滞って、からだの筋肉も強張り、日ごろ感じない肩こりや首の痛みが出現します。元々痛めている部分の痛みを強く感じたりする方も多いのではないでしょうか。また、冷えは自律神経の乱れも引き起こしますので、不眠や精神的にイライラするといった症状も「冷え性」から来るものの場合もあります。
美容の面においても冷えによる血行不良から、肌色がいつもよりくすんで見えたり、蕁麻疹や肌荒れにもつながります。冬場に感じていた不調は、実は「冷え」が大きな要因だったことがよく分かりますよね。
続いて、女性特に気をつけたい症状について見ていきましょう。
からだの「冷え」と不妊の関係は?
からだの冷えは、婦人科系の症状にも大きく関係してきます。気温が寒くなり、冷えを感じると、上記にもありますが血液循環が悪くなり、からだ全体的に虚血状態になります。そうすると、子宮に必要な血液がうまく供給されず、生理不順や生理痛を引き起こします。
更に、子宮が血液のベッドでふっくらしていることによって卵子は着床しやすくなりますが、血液が上手く供給されていないと、着床も難しくなり不妊につながります。
冷えに対する対策はどのようなことが考えられるか?
このように、「冷え」によって様々な症状が引き起こされていることを知ると、日々の生活の中で対策出来ることが有れば実践して、少しでも改善に導きたいですよね。少しの生活習慣を変えるだけでも、今感じている「冷え」を抑えることが出来ます。
まずは、日ごろ冬でも湯船に浸からないという方はいらっしゃいませんか。その場合は、少しぬるいかな? と感じるくらいのお湯にゆっくり浸かってみてください。疲れもしっかり取れますし、何よりシャワー浴よりもからだの温かさを長く感じられます。また、湯船につかる前に白湯等の温かい飲み物を飲んでおくと、発汗作用も高まりますよ。
適度な運動もからだを温めます。ふだん使っているバス停や駅をひと駅前で降車して、30分程度のウォーキングをするのも良いですし、からだをほぐすストレッチをすると、からだがぽかぽかしてきます。寝る1時間前程までに運動をしておくと、その後の睡眠のさまたげにならずに、ぐっすりと良い眠りを感じられます。
リラックスすることも大切です。ゆっくりお気に入りの温かい飲み物を1杯飲む時間を作ったり、好きな香りのアロマオイルでマッサージをすることによって冷えによるからだの強張りやむくみを解消する効果があります。
冷え対策としてやってはいけないことは?
冷え対策として特に「絶対やってはいけない」と、言われるものはありません。ただ、継続して効果を上げるためにも、過剰にやりすぎず、自分の生活の中で無理なくできることに取り組みましょう。入浴の際は、温度が高すぎると、外気との温度差によりヒートショックと呼ばれる症状を引き起こしたり、子宮にもあまり良くないので、上記にあるとおり少しぬるいなと感じる位の湯にゆっくり浸かることがベストです。
「冷え」の症状は、様々な不快感に繋がり、精神面にも影響があります。特に女性は、体を冷やさず基礎体温を高く保つことで、子宮や卵巣を良い状態に維持し、不妊の原因を減らすことが出来ます。健康、そして認可つのために冷え対策をしっかりして、血液循環を正常に保ちましょう。
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。