その痛み「排卵痛(はいらんつう)」かも?
生理と生理の中間くらいに痛みを感じたことはありませんか? 生理まではまだ早いのにお腹が痛い…もしかしたら、その痛みは「排卵痛」と呼ばれるものかもしれません。どんな痛みなの? なぜ起きるの? 今回は排卵痛について解説します。
■痛みの原因は排卵。そもそも「排卵」って何?
排卵痛はその名のとおり、排卵に伴って起こる痛みです。では、そもそも排卵とは何なのでしょうか。女の子はもともと、卵巣内にたくさんの卵胞(らんぽう)をもって生まれます。その数は、生まれて6か月のころが最高で、左右の卵巣でなんと700万個に達するのです! 思春期に入ると、女性ホルモンの分泌が活発になり、一部の卵胞が一斉に育ち始めます。その中で成熟した1個の卵胞から卵子が飛び出します。この現象を「排卵」と呼びます。
■痛みの感じ方は人それぞれ
排卵の約8時間前から鈍痛を感じ始め、痛みは次第に強まり、排卵時に最も強くなります。痛みは30分から、2~3時間続く場合もあり、次第に弱まっていきます。しかし、痛みというよりも下腹部が張った感じや、腰部が重いなどといった、下腹部周辺の違和感として感じる程度の方もいます。極めて敏感な人では、「あっ、今、卵子が飛び出したわ」と排卵の瞬間を察知する人もいるようです。
排卵に伴う感受性にはかなりの個人差があります。もちろん、痛みや違和感など、何も感じない人もいます。しかし、そういった人でも、良く注意して自分のからだの変化に気を付けてみてくださいね。すると、ほとんどの人が自身の変化を感じ取れるようになります。
■出血をともなう場合も
同じ時期、「中間出血」や「卵巣出血」と呼ばれる少量の出血をみる人もいます。これは、卵膜を破って卵子が飛び出すとき、毛細血管が切れることによって起こる出血です。基礎体温表と照らし合わせ、低温期から高温期に移る前後の出血であれば、2、3日で止まります。
出血が排卵期の時期の一過性のものであれば問題はありません。しかし、5日以上続くときや、基礎体温の排卵期から大きくずれた出血の場合は、病院を受診してチェックしてもらいましょう!
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。