そもそも生理ってなに…?
「生理って何?」という問いに、正確に答えられますか? 子宮は生理中以外の時期も、常に妊娠するための準備をしています。排卵が起きたものの、受精卵が子宮内膜へと届かなかった場合、受精卵を受けとめるためにふかふかに厚くなった子宮内膜がはがれおちます。これが生理です。
しかし、女性特有の悩みのひとつに「生理」を挙げる方は、多いのではないでしょうか。生理痛がひどい、生理周期が不安定…など、抱える悩みは人それぞれですよね。そんな様々なお悩みの中で、今回は生理中の経血の量に差が出る原因や、その対処法を見ていきましょう。
生理の経血量が多い・少ない、原因は?
生理の経血量が多かったり、反対に少なすぎたりすると、「何かの病気なのでは?」と疑いたくなったりしますよね。そういった症状の原因はどのようなことが考えられるのでしょうか。
■経血量が多い場合
子宮の大きさが関係している可能性があります。子宮内膜がはがれ落ちたもの、またその際に出る血が生理ですので、子宮が大きいと、その分経血の量も多くなります。この場合、生まれもったものですから、何か治療をしてどうにかなるものではありません。
また、子宮筋腫という子宮の病気。これも、経血量が多い原因のひとつです。命にかかわるものではありませんが、子宮にまつわる病気では最も多いと言われており、ご自身が気づかない内に発症している可能性も高い病気です。
筋腫のある部位や大きさによっては、経血量が多くなり、貧血などの症状が現れることがあります。不妊症など、妊娠時のトラブルにもつながりますので、経血量があまりにも多いと感じる場合は一度病院で検査を受け、筋腫の有無を確認しておくと安心です。
■経血量が少ない場合
経血量が極端に少ないと感じる場合は、無排卵という状況が考えられます。言葉通り、排卵していない状態なので、正常な生理が起きていない可能性があります。こちらも不妊の要因となりますので、病院で一度検査をしましょう。
婦人科で行う検査の具体的な内容とは?
健康を維持するために、病気の早期発見はとても大切なこと。子宮筋腫と排卵の検査、それぞれどのような検査なのか知っておきましょう。
■子宮筋腫の検査
婦人科にて一般的な診察、そして超音波検査で診断できます。診断後、実際に筋腫が見つかり、しっかり大きさと手術の必要性等を確認するためにはMRIにてより精密な検査を行います。検査時は、生理時を避けるようにしましょう。
■排卵の検査
こちらも婦人科で行うことが出来ます。血液検査でホルモンの濃度を調べ、超音波検査で卵巣や子宮を確認します。お近くの婦人科やかかりつけの婦人科がそういった検査をおこなっているかどうか確認して受診しましょう。
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。