基礎体温って何? 普通の体温とどう違うの?
基礎体温は、普段測っている体温とは少し違います。たとえば、食事の後や運動した後で体温を測ると少し高くなりますよね。基礎体温はそういった生活上の活動をしていない、安静時の体温を指します。
ここでいう安静時とは、からだの維持に必要な最低限度の機能しか働いていない時のことです。女性の基礎体温は、排卵や月経、妊娠などに伴うホルモンの分泌と深い関係があります。基礎体温を記録することで、女性特有の体調の変化を読み取り、ホルモンの分泌がうまく行われているか、妊娠に適した時期はいつか、といったことを知ることができるのです。
皆さんは基礎体温を毎日測っていますか? 基礎体温表からはカラダのさまざまなことがわかります。今回は、基礎体温表からどんなことがわかるのかを説明していきます。
■基礎体温は高温期と低温期に分かれる
排卵から月経がはじまるまでは高めの体温が続き、これを高温期と呼びます。排卵後に分泌されるプロゲステロンというホルモンが脳の体温調節中枢に働きかけて体温をあげているのです。そして、月経がはじまると体温はゆるやかに下がりはじめ、次の排卵までの約2週間は低めの体温が続きます。これを低温期と呼び、この時期は妊娠に向けてエストロゲンというホルモンが分泌され、卵子が成熟していく時期となります。
ホルモンの働きによる高温期と低温期のふたつの時期が繰り返し訪れることを二相性と呼び、この二相性が基礎体温表に現れていれば、ホルモンが正常に分泌されているということがわかります。
■基礎体温表からわかること
基礎体温表からは、高温期、低温期といった単なる変化だけでなく、次のようなことがわかります。
・妊娠の有無
・排卵の有無
・ホルモンが正常に分泌されているかどうか
高温期は約2週間続くと言われています。そのため、高温期が長く続いていれば、妊娠の可能性も考えられます。妊娠検査薬を使うタイミングも、基礎体温表から推測できますね。また、二相性がはっきりしない場合、妊娠しにくい原因が隠れていることもあるのです。たとえば、体温が低い状態が続く場合は、排卵によるホルモンの分泌がされておらず、無排卵の可能性があります。もちろん、基礎体温の変化にはさまざまな原因が考えられますから、自己判断せずに基礎体温表をもって産婦人科を受診してくださいね。
このように、基礎体温表は、目に見えにくい女性の体内の変化を映し出してくれます。妊娠を希望する場合はもちろん、日ごろの体調管理のためにも、基礎体温の記録を習慣にしていきましょう。
■アプリで管理するとラク!
本コラムを執筆する、杉山医師監修の生理・排卵管理アプリ「eggsLAB」は簡単に始められます。基礎体温記録を始めれば、生理日や排卵日はもちろん、今のあなたに必要な、あなたのための情報や専門医からのアドバイスを受け取れます。活用して、将来に向けてのライフプランに役立ててくださいね。
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。