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2025.05.14

滅私奉公(めっしほうこう)とは? 言葉の意味や語源、類義語・対義語をチェック

滅私奉公とは、私利私欲を捨てて公のために忠誠を尽くすという意味の言葉です。「自己犠牲」とは、意味が少し異なります。本記事では滅私奉公の意味や言葉の由来、使い方などを紹介。類義語・対義語も解説するため、参考にしてください。

「滅私奉公」とは?

「滅私奉公(めっしほうこう)」とは、自分の利益や欲望を抑え、組織や社会などの公的な目的のために尽くすことを表す言葉です。

ここでは、「滅私奉公」という言葉の意味や語源についてわかりやすく解説します。

言葉の意味や成り立ち

「滅私奉公」は、国家や会社、社会など、公的な存在や組織のために尽くすことを意味する言葉です。「滅私」は自分自身の欲望や利益を抑えることで、奉公は忠誠心をもって仕えるという意味があります。それぞれ献身的な意味を持つ言葉ですが、2つ合わせることで、よりその意味を強めています。

もともとは、主従の関係が強かった時代、主君に仕えることを意味した言葉です。特に戦国時代や江戸時代においては、武士や侍の間で強調され、忠義の精神が重視されたとか。

現代では、おもに会社や社会のために尽力する姿勢を指して使われることが多く、ポジティブにもネガティブにも使われる傾向にあります。ポジティブな意味合いとしては、組織のために尽力し、社会的責任を果たすというニュアンスがあります。

一方で、ネガティブな意味合いで使われることも少なくありません。仕事や組織に過度に依存するあまり、自己犠牲を過度に伴うという意味合いで使われているようです。

めっし‐ほうこう【滅私奉公】
〘 名詞 〙 私心を捨て去って公のために尽くすこと。

引用:精選版 日本国語大辞典〈小学館〉

言葉の由来

滅私奉公の由来は、古代中国の書物である『戦国策(せんごくさく)』に登場する故事にまでさかのぼります。この書物は、戦国時代(紀元前5世紀〜3世紀頃)の中国諸国における策略や政治的駆け引きをまとめた歴史的文献です。

その中で語られる「滅私奉公」という精神は日本にも伝わり、特に江戸時代の武家社会において強く根付いていきました。当時の武士たちは、主君に対する忠誠を重要事項と捉え、個人の利益よりも「家」や「藩」のために尽くすことを美徳としたようです。

ハートを持っている手元のイラスト
(c)AdobeStock

「滅私奉公」の使い方・例文

「滅私奉公」には、ポジティブな使い方とネガティブな使い方があります。それぞれの例文をみていきましょう。

〈ポジティブな意味の例文〉

・彼は長年、滅私奉公の精神で会社に尽くしてきた
・彼女は滅私奉公で働く姿勢が高く評価され、異例の早さで昇格できた
・社会のために身を捧げる彼の生き方は、まさに滅私奉公といえるだろう
・彼女の滅私奉公の姿勢は、同僚たちにも大きな影響を与えた

〈ネガティブな意味の例文〉

・滅私奉公を美徳とする風潮が「ブラック」と呼ばれる企業を生み出しているのではないだろうか
・「滅私奉公が当たり前だ」が口癖の上司は、時代にそぐわないと批判されている
・滅私奉公の名のもとに、過剰な仕事を強いられている
・滅私奉公で働くことを求める職場に疲れ、社員は次々に離職しているようだ

滅私奉公の類義語・言い換え表現

「滅私奉公」に似た言葉として、次のものが挙げられます。

・利他(りた)
・自己犠牲(じこぎせい)

言葉の意味や、滅私奉公との類似性・違いについて解説します。

環境問題 イメージ
(c) Adobe Stock

利他

利他とは、 他人に利益となるように考え、自分のことよりも他人の幸福を願うことです。自分ではなく他人を優先する考え方であり、自らの欲を抑えて他者に尽くすという点で、「滅私奉公」と似た意味を持ちます。

ただし、利他はあくまでも「他人一般」に対する思いやりを示す概念であるのに対し、滅私奉公は「国家」や「組織」といった公的な存在に尽くすことに重点が置かれているといえます。

〈例文〉
・ボランティア活動に参加するのは、利他の心から自然に出る行動である
・利己的な考えを捨て、利他の姿勢でチームに貢献した結果、信頼を得ることができた

自己犠牲

自己犠牲とは、ある目的のために自分の欲望や幸福を捨てて尽くすことです。自分の感情や幸せを後回しにして、損失をいとわずに行動する姿勢を表します。

自分より他者を優先する行動や精神は、滅私奉公と共通する部分がありますが、滅私奉公は「公」に尽くすことを意味し、必ずしも自己を犠牲にすることを含むわけではありません。

〈例文〉
・他人に嫌われたくないからと自己犠牲ばかりしていると、自分を見失ってしまうよ
・彼女は自己犠牲の精神により、プロジェクトの失敗は自分の責任であると伝えた

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滅私奉公の対義語

「滅私奉公」の反対の意味になる言葉として、次のものが挙げられます。

・利己(りこ)
・自己中心的(じこちゅうしんてき)

それぞれの意味を詳しくみていきましょう。

エゴイストな人のイメージイラスト
(c)AdobeStock

利己

利己とは、自分の利益だけを考え、他人のことは顧みないことです。他人より自分を優先する姿勢であり、他人や組織のために自己を抑えて行動する滅私奉公とは正反対の概念といえるでしょう。

〈例文〉
・プロジェクトで彼女は自分の利益ばかりを考えて利己的に行動したため、計画がうまく進まなかった
・短期的な利益を追い求めて、環境問題への配慮を怠るのは、利己的な経営方針といえる

自己中心的

自己中心的とは、他人のことを考えず、自分を中心に物事を考え行動することです。略して「自己中(じこちゅう)」と呼ばれることもあります。たとえば、友達との約束を平気で破るような行動が自己中心的な例です。

他人や組織のために行動する滅私奉公とは、対義語にあたる言葉です。

〈例文〉
・彼の行動は自己中心的で、周りの人々に迷惑をかけていることに気づいていないようだ
・彼女の自己中心的な言動に我慢できなくなり、周りは距離を取るようになった

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滅私奉公とは公のために尽くすこと

滅私奉公とは、会社や社会など、公のために尽くすことです。忠誠心をもって公的な義務や組織に奉仕する姿勢を表します。日本では、戦国時代や江戸時代の武士道や、戦後の復興期において滅私奉公の精神が求められることが多かったといえるかもしれません。

滅私奉公の類義語には利他や自己犠牲があり、対義語には利己や自己中心的という言葉が挙げられます。それぞれの意味や違いを把握し、上手に使い分けましょう。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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