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2024.11.12

不偏不党(ふへんふとう)ってどんな意味? 使い方や類語、対義語をまとめて解説!

不偏不党とは、特定の主義・思考に偏らない立場のことを指します。つまり、公平な立場を表す四字熟語です。
この記事では、不偏不党の意味や由来、使い方を解説します。後半では、類語や対義語も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

不偏不党とはどんな意味?

不偏不党とは、公平な立場でいる様子を表した四字熟語です。不偏不党の由来は、中国戦国時代のとある思想家からとされています。

ここでは、不偏不党という四字熟語について、基本となる語句の意味や由来について解説。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、意味を知っていくとそれほど複雑な言葉ではありません。

不偏不党の意味

不偏不党(ふへんふとう)は、いかなる主義にも偏らず、中立的な立場をとるさまを表した四字熟語です。主義主張だけでなく、特定の党派に加わらないことも意味しています。

つまり、誰の味方でもなく、誰の敵でもないということです。スポーツ試合でいう、審判のような立場をイメージするとわかりやすいかもしれません。

ふへん‐ふとう【不偏不党】
いずれの党派・主義にもかたよらず、公平・中立の立場をとること。

出典:小学館 デジタル大辞泉

不偏不党の由来

「不偏」は文字通り、偏りのないという意味です。「不党」もまた言葉のとおり、党派に加わらないことを意味します。

不偏不党の由来は、墨子(ぼくし)という人物によって書かれた『墨子』が出典だといわれています。墨子は、中国戦国時代に活動していた思想家であり、人物の名前がそのまま書物のタイトルになっています。

墨子は人を平等に愛することと、他人を攻撃しないという思想で知られる人物です。平和主義的な考えが、不偏不党という言葉に表されているといえるでしょう。

不偏不党の使い方

不偏不党という言葉を、日常生活で頻繁に耳にするという方は少ないでしょう。そのため、いざ会話や文章の中で使おうとしても、使い方がわからないかもしれません。

そこで本章では、不偏不党の使い方を会話例と文章中の例文、それぞれに分けて解説します。知らずに誤用してしまうことがないように、本章の例文を参考にしてください。

積み本
(c)AdobeStock

会話の例

不偏不党は、日常会話の中で使える言葉です。たとえば、以下のようなシチュエーションで用いられます。

Aさん「先日起きたトラブルの件で、今日当事者の2人が部長を交えて話し合うらしいよ」

Bさん「そうなんだ。部長は何て言っているの? 」

Aさん「ひとまずは、どちらの言い分も公平に聞く【不偏不党】の姿勢を貫くそうだよ」

Bさん「どちらか一方に非があるトラブルではないから、難しいよね」

例文

不偏不党は文章の中で使うこともできます。以下では、文中で不偏不党を用いる際の例文を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

・私たちはいかなる状況でも【不偏不党】を心がけています

・最近、特定の政党に偏った報道を見かけますが、本来の報道は【不偏不党】であるべきだ

・政党問わず、 国会の議長は【不偏不党】の立場が好まれる

・Aさんは基本的に平和主義者であるため、【不偏不党】な方といえます

不偏不党の類語・言い換え表現

不偏不党の類語には、さまざまな四字熟語があります。いずれも特定の考えにこだわることなく、公平な立場をとる様子を表した言葉です。しかし、中には私欲を介入させない、利己的な考えや行動をしないといったニュアンスが含まれる四字熟語もあります。ここでは不偏不党の類語として、以下3つを紹介します。

・公平無私(こうへいむし)
・無私無偏(むしむへん)
・無偏無党(むへんむとう)

天秤の前で箱を持っているビジネスパーソンのイラスト
(c)AdobeStock

公平無私(こうへいむし)

公平無私(こうへいむし)は、不偏不党の類語として知られています。公平無私は、どちらか一方に偏らず、平等な立場をとっているさまを表した四字熟語。不偏不党と異なるニュアンスとしては「無私」が挙げられます。

無私とは、私欲を持たないという意味です。ただ偏った意見を持たないだけでなく、自分自身の欲を介入させないといった意味が含まれています。

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無私無偏(むしむへん)

無私無偏(むしむへん)とは、個人的な名誉や利益を優先することなく、公平に決断するさまを表した四字熟語です。不偏不党と同様の意味とともに、自分の利益を図ることなく判断を下すという意味も含まれています。

単に、利己的な考えや行動を優先しないといった意味でも用いられるでしょう。いずれにしても私利私欲とかけ離れた考え方を表す言葉といえます。

無偏無党(むへんむとう)

無偏無党(むへんむとう)とは、不偏不党とほとんど同様の意味で用いられます。主義や思想に囚われることなく、特定の党に所属しないさまを表す言葉です。公平で中立な立場をとるという意味であり、不偏不党と同様の意味を持つとわかりますね。

不偏不党の対義語

不偏不党の対義語は、いくつかあります。ここでは「依怙贔屓(えこひいき)」と「判官贔屓(はんがんびいき)」といった2つの語句について解説します。いずれの四字熟語も、特定の物事や人物にばかり肩入れする、特定の境遇の人物の人に同情するといった意味を持つ言葉です。どちらも決して公平に判断しているとはいえず、不偏不党の対義語とされています。

2つの顔
(c) Adobe Stock

依怙贔屓(えこひいき)

依怙贔屓(えこひいき)は四字熟語の中でも比較的、馴染み深い言葉ではないでしょうか。自分自身が気に入っているものや、関係性の深い人物にばかり肩入れしてしまうさまを表した言葉です。四字熟語の意味としては、一方に心を傾け、公平ではない様子を指しています。

なお「贔屓」という熟語には、盛んに力を入れて努力するという意味もあります。

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判官贔屓(はんがんびいき)

判官贔屓(はんがんびいき)とは、弱い者や敗者に同情して肩を持つ様子を表した言葉です。立場の弱い人を応援することを意味します。弱い者だけでなく、不幸な人や不運な人に対して同情する際にも用いられる言葉です。

判官贔屓は、源義経が由来とされています。同人が最期に自ら命を絶ったという悲劇に同情する声が多かったことから、判官贔屓という言葉が誕生したとされているようです。

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不偏不党を正しく使おう!

不偏不党とは、特定の主義・思考に偏らない立場のことを指す四字熟語です。中国戦国時代の思想家・墨子(ぼくし)によって書かれた『墨子』という書物に由来するとされています。不偏不党という言葉の類語としては、公平無私や無私無偏、無偏無党などが挙げられるでしょう。また、「依怙贔屓」や「判官贔屓」といった対義語についても解説したので、不偏不党とあわせて押さえておくことをおすすめします。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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