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2023.01.13

「判官贔屓」の読み方は? 意味や由来、使い方をわかりやすく解説

スポーツなどの勝負事に対して、「判官贔屓」という四字熟語を使うことがあります。この「判官贔屓」とは、どういった意味があり、またどのように使うのが正しいのでしょう。本記事では、「判官贔屓」の意味だけでなく、読み方や由来のほか、使用例や類語・英語訳などの関連用語も含めて解説します。

「判官贔屓」の読み方

「判官贔屓」は、「ほうがんびいき」と読みます。「はんがんびいき」と読むこともあり、意味は同じです。「判官」とだけ書く場合には「はんがん」と読みますが、「判官贔屓」に関しては「ほうがんびいき」と読むことが一般的です。

なぜ四字熟語になると読み方が変わるのか、意味や由来を見ていきましょう。

「判官贔屓」の意味

応援している様子
(c)Shutterstock.com

「判官贔屓」は、弱い者や敗者に同情して肩を持ったり、応援することを意味します。スポーツなどで使われる場面が多く、例えば強豪校と初出場のチームの試合で、初出場チームを応援したくなる気持ちのことを「判官贔屓」といいます。

弱いものだけでなく、不幸な人や不運な人に対して同情するときにも使われ、具体的に何か手助けをするのではなく、応援したり同情したりする感情を指すことが多いです。

「判官贔屓」の由来・語源

「判官贔屓」は、源 義経が由来とされています。

「判官」は昔の役職で、平安時代に置かれた『検非違使(けびいし)』という役職の、『尉(じょう)』という職位のこと。

源 義経はこの判官を務めており、「九郎判官義経(くろうほうがんよしつね)」とも呼ばれていました。九郎は“九番目の子供”からきています。

源 義経といえば、平家討伐の功績を挙げるも実の兄・源 頼朝に憎まれ、最期は自ら命を絶ったという悲劇の人物。これに多くの人々が同情したことから、「判官贔屓」という言葉が生まれたとされています。

当時は「ほうがん」と読まれていたので、「判官贔屓」を「ほうがんびいき」と読んでいたようです。

「判官贔屓」は日本人に多い?

考えている様子
(c)Shutterstock.com

弱いものや不運な人に対して応援や同情をする「判官贔屓」は、日本人に多い性質だといわれることがあります。

歴史を振り返ってみると、日本は天皇家や公家、武家など、身分制度がはっきりしていました。身分が上の人には逆らうことができず、逆らえば命が危うくなるほどの力関係があったため、強い立場の存在には表立って不満を表明することは非常に困難なことでした。

身近なところに置き換えると、会社の上司や社長など、自分より立場が上の人に意見を述べることはあっても、逆らう人は少ないですよね。

立場が弱い人に同情や応援をしたくなる気持ちは、そういった日本人特有のDNAがあるのかもしれません。

「判官贔屓」の使い方・例文を紹介

友人を支える様子
(c)Shutterstock.com

「判官贔屓」はどのような場面で使われる?

「判官贔屓」は「弱者に同情や味方をする」という意味だけでなく、不利な側に肩入れすることで公平な判断ができなくなったり、敢えて公平に扱わなくなる様子に対しても使われることがあります。

勝敗がはっきり分かるスポーツの試合で用いられることが多いですが、例えば兄弟間など、何かと比べられる機会が多くなる関係でも使われます。

「判官贔屓」を使った例文

甲子園の常連校と初出場校では、つい初出場の方を判官贔屓してしまう

強豪チームとそうではないチームの試合は、ついつい後者を応援してしまう人も多いのではないでしょうか。勝敗だけでなく、逆転した時など優劣が生じた時にも「判官贔屓で盛り上がる」などの使い方ができます。

ダメな子ほど、つい判官贔屓で可愛く思えてしまうものだ

兄弟姉妹間などは、何かと比べられたり愛情表現に差が出てしまうこともあったりしますよね。つい手がかかる方に目を配ってしまったり、歳の離れた末っ子に愛情が集中するときにも使われます。

「判官贔屓」の類語

依怙贔屓(えこひいき)

自分の気に入ったものだけの肩をもつことを表す四字熟語です。「依怙」には“一方だけを贔屓にする”という意味があり、判官贔屓よりも少しネガティブな使われ方をすることが多いです。

愛顧(あいこ)

「ご愛顧ください」など、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。目をかけ引き立てることを意味する言葉で、引き立てられる側が使います。

引き立て

こちらもビジネスシーンでよく使われる言葉で、「よろしくお引き立てください」などの使い方をします。目をかけて用いること、ひいきにすることを意味します。

「判官贔屓」の英語表現

疑問に思う女性
(c)Shutterstock.com

「判官贔屓」を英語で表現するときは、「underdog(負け犬)」や「weak(弱者)」などを使います。

side with the underdog

「負け犬の側につく」という訳になり、「判官贔屓」と似た意味の慣用表現として使うことができます。

sympathy for the weak

「弱者に同情する」でも「判官贔屓」に似た表現をすることができます。

「九郎判官」とは?

「判官贔屓」の由来でも少し触れましたが、なぜ源 義経が「九郎判官義経」と呼ばれていたかについて詳しく解説します。

日本では、古来より人のことを役職名で呼ぶ風習がありました。源 義経の役職が「判官」であったため、ここでいう「判官」は、源義経のことを指します。

「判官」に「九郎」がついているのは、源 義経が父・源 義朝の九男だったことが由来です。「九郎」は輩行名(はいこうめい)と呼ばれるもので、輩行名は、日本における男性の名前の種類のひとつです。

「輩行」には「一族のうち同世代の者」という意味があり、太郎(一郎)、次郎(二郎)、三郎… という名で出生の順番を表しています。そのため、九男の源 義経は輩行名と役職名を合わせた「九郎判官」と呼ばれていたとされています。

最後に

四字熟語「判官贔屓」について解説しました。言葉の意味は知っていても、由来が源 義経にあったことは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。例文を参考に、ぜひ日常会話でも使ってみてくださいね。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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