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脚を動かす原動力「大腿四頭筋」とは?
「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」は、どこにある筋肉でしょうか?
答えは、ずばり筋肉名そのまま「大腿=太もも」の筋肉です。正確には、太ももの前面(前もも)に位置する「四頭筋=4つの筋肉(※)」の総称で、ひざを伸ばす・股関節を曲げる・ジャンプをする・ランニング時の方向転換(スピードを減速させるとき)・段差をのぼる・自転車をこぐときなどに活躍する「脚を動かす原動力」となります。
※ 大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋の4つの筋肉
(C)Adobe Stock
全身の筋肉の中で1番大きく、存在感バツグン!
大腿四頭筋は、脚を動かすときに力を発揮する筋肉で、日常生活のちょっとした動作でもよく使われます。それゆえに、この筋肉ばかりを頼ってしまうと、前ももはパンパン・ガチガチに張り、たくましい足になってしまいがち。全身の筋肉の中でも1番大きく、存在感のある大腿四頭筋が張ると、脚が太くなったと感じる人は少なくありません。
大腿四頭筋が張る・硬くなるのはなぜ?
大腿四頭筋の張り・硬さの原因は、オーバーユース(使いすぎ)。それと、筋肉の柔軟性の低下です。「ダイエットのために下半身の筋トレを頑張ったら、太ももが太くなってしまった…」という人は、トレーニング内容の見直しに加えて、日々、定期的なストレッチをおこなうことをおすすめします。
また、大腿四頭筋の緊張により骨盤が前傾することから、反り腰気味の人は腰痛対策としてこの部分のストレッチをするのも効果的だといえるでしょう。
ここからは、すっきりした前ももを目指す「姿勢別・大腿四頭筋のストレッチ&ヨガポーズ」の方法を紹介していきます。
椅子を使うからグラグラしない! 初心者にもおすすめ「膝立ち」ストレッチ
STEP 1:椅子の横に膝立ちになり、左手を椅子の座面に添えて左脚を前に踏み込む
▲椅子を体の左側に置きます。左膝を90度に曲げたら、膝の下にかかとがくるように姿勢を整えましょう。
STEP 2:右手で右足の甲を持つ
▲右腕を体のうしろに引き、手で右足の甲を持ちます。腰が反りすぎないように、尾骨(背骨の延長線上にある骨)をグーッと引き下げましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】右のかかとをお尻に近づける
▲右手で右足の甲を押し、かかとをお尻に近づけます。右膝が痛い場合、下にタオルを敷いてもOK。反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5~10回〉
横向きで簡単「寝ながら」ストレッチ
STEP 1:体の右側を下にして横向きになる
▲右腕は頭の下、左手は体の前につきます。脚を重ね、両膝は軽く曲げておきましょう。
STEP 2:左手で左足の甲を持つ
▲左腕と左脚を体のうしろに引き、手で足の甲を持ちます。ここではまだ、体をリラックスさせた状態です。
STEP 3:【息を吐きながら】左のかかとをお尻に近づけてストレッチ
▲左手で左足の甲を押すようにして、かかとをお尻に近づけます。左の前ももに伸びが足りないと感じる場合、左膝をうしろに引くと◎。腰が反りすぎると、前ももの伸びを感じにくくなるので注意! 反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5~10回〉
姿勢を安定させてしっかり伸ばす「うつ伏せ」ストレッチ
STEP 1:うつ伏せの姿勢からスタート
▲肩の下にひじをつき、上体を起こして目線は正面に向けます。脚は腰幅程度に開きましょう。
STEP 2:左手で左足の甲を持つ
▲左膝を曲げて足先を床から持ち上げたら、左手で左足の甲を持ちます。
STEP 3:【息を吐きながら】左手で足の甲を押す
▲左手で左足の甲を押し、かかとをお尻に近づけます。左前ももは床につけて安定させたまま、気持ちよくストレッチされる感覚に意識を向けましょう。右手から前腕(手首~ひじ)で床を押し、首や肩がすくまないようにするとgood! 反対側も同様におこないます。〈回数:呼吸を5~10回〉
立っておこなうヨガ「ナタラージャのポーズ」
ナタ=舞踏者、ラージャ=王の意味を持つこのヨガのポーズは「踊り神のポーズ」とも呼ばれており、まるでダンスの最中のような躍動感のある姿勢をキープします。
前もものほかにも、体の前面を大きくストレッチするほか、バランス感覚を養い、集中力を高める効果も期待できるポーズです。
STEP 1:脚を揃えて立ち、左膝を曲げて左手で足の甲を持つ。右手は頭上に伸ばす
▲右手指先~右脚が一直線になる姿勢を取ります。右足の裏でしっかりと床をとらえ、姿勢を安定させましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】上体を前に倒す
▲左膝を持ち上げながら、上体をゆっくり前に倒していきます。右手の指先~左膝は一直線、床に対して水平の姿勢を取りましょう。右腕は、耳の横から動かさないようにします。
STEP 3:【息を吸いながら】背中を起こす
▲左脚を後方に蹴りながら、左手で足の甲を真上に引きます。背中を起こして、手脚で弓状の弧を作りましょう。右手の親指と人差し指で輪を作り、手を遠くに伸ばします。反対側も同様におこないましょう。〈回数:呼吸を5回〉
大腿四頭筋をストレッチするときの注意点
大腿四頭筋は大きな筋肉なので、ついストレッチの強度も高くなってしまいがちです。ストレッチをするときは、次の項目に気をつけながら安全におこないましょう。
・痛みがでるまで強く、長く伸ばさない。前もものストレッチ種目だけに偏らない
(ストレッチの目安は20秒以上、慣れてきた場合でも長くて90秒ほど)
・腰が反りやすくなるので、姿勢に気をつけながらおこなうこと
・膝を床につく場合、タオルを敷くなどして関節への負担を軽くすると〇
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。