ビジネスシーンで、「アドバイス」という言葉を使う機会は多いもの。自分がアドバイスをした場合や、他人からアドバイスをされたときなどいろんな場面で口にする言葉です。だからこそ、「アドバイスを目上の人に使ってもいいの?」「アドバイスの言い換え表現は?」などと疑問に思うこともあるはず。
「アドバイス」という言葉は、敬語として目上の人に使っても問題ないのでしょうか? そこで本記事では、「アドバイス」の意味や使い方、言い換え表現などを解説します。
「アドバイス」の意味
「アドバイス」は、英語で「advice」と書きます。日常生活で当たり前のように使われていますが、そもそもどんな意味を持つ言葉なのでしょうか? 辞書によると、
[名](スル)忠告や助言をすること。また、その言葉。「先輩として―する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
となります。相手のためを思って、ミスや欠点を指摘したり、ためになる意見を伝えることを「アドバイス」と言います。今の状態をより良い状態にレベルアップさせるために使われる言葉で、自分がする場合と、相手からしてもらう場合とがあります。いずれにしても、相手のためを思ってする行為であることがポイントです。
「アドバイス」は目上の人にも使っていいの?
先述したように、「アドバイス」には、「忠告」「助言する」「教え導く」という意味があります。そのため、目上の人に対して使うのは、上から目線に捉えられてしまう可能性もあります。ビジネスシーンでは、自分の同僚や部下に何らかの助言をするときに使いましょう。
1:先日、Aさんに接客の仕方についてアドバイスをしました。
自分が後輩にアドバイスをしたことを、上司に報告するときもあるでしょう。あくまでも後輩に対して助言をしたという意味なので、失礼には当たりません。
2:何かアドバイスができるかもしれないので、何でも相談してくださいね。
後輩や同僚に対してアドバイスをするときのパターンです。特に新入社員が入ってきたときには、このように声をかけることで相手が話しやすくなりますね。相手に対する配慮や思いやりが伝えられる表現と言えるでしょう。
アドバイスをもらったときの返し方
アドバイスをもらうということは、相手が自分に力を貸してくれたということ。そのときには、適切な言葉遣いでお礼を伝えたいですよね。日常生活で使えるフレーズを紹介します。
1:「〇〇さんのおかげで助かりました。アドバイスをいただきまして、ありがとうございます」
相手からの働きかけにより救われたという意味を込めて、「助かりました」と一言添えてみましょう。しかし、ややカジュアルな表現なので、同僚や親しい先輩などに使うのが自然です。上司や取引先の人に対しては、「おかげさまで目標を達成することができました」などとより丁寧に伝えるといいでしょう。
2:「Bさんのアドバイスのおかげです。本当にありがとうございます」
相手からのアドバイスをもらったおかげで、いい結果が得られた時はこのように感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか? 相手によっては、「ありがとうございます」を「深く感謝いたします」に置き換えると、よりかしこまった表現になります。
3:ご教示いただきまして、誠にありがとうございます。
「教示」とは、「知識や方法を教え示すこと」。丁寧語である「ご」をつけて「ご教示」となります。多くの場合、目上の人から何かを教えてもらった場合のお礼として使われます。「アドバイス」がしっくりこないと感じる目上の相手に対しては、こちらの表現を使うと丁寧な印象になりますよ。
「アドバイス」の言い換え表現は?
「アドバイス」は、人によっては偉そうに感じられることもあるため、他の言い換え表現も覚えておくと役立つでしょう。シーンによって、うまく使い分けてみてくださいね。
1:提案
「提案」とは、議案や意見を提出すること。会議で自分の意見を述べたいときに「1つ提案があるのですが…」などと使います。何か特定の問題を解決するために、意見を言う場合に用いられるケースが多いですね。カタカナ語であるアドバイスよりも、きちんとした印象が与えられるでしょう。
(例文)
・我が社には豊富な実績とノウハウがございます。きっとお客様のお部屋選びに様々なご提案ができるかと思います。
・WEBページのデザインにつきまして、何パターンかご提案いただけませんでしょうか?
2:意見
「意見」とは、「ある問題に対する主張や考えのこと」。「意見を述べる」「意見が分かれる」などと使いますね。そしてもう1つ、「自分の思うところを述べて、人の過ちをいさめること」という意味もあります。人のミスを指摘する点では、「忠告」と同じような意味を持つため、言い換え表現として使うことができるでしょう。
(例文)
・お客様からの率直なご意見をお待ちしております。
・この件に関しまして、意見したいことがあるのですがよろしいでしょうか?
3:勧める、おすすめ
「勧める」には、「人が行動するよう促す」という意味があります。例えば、営業でお客様にあるサービスを勧める際にも、「お客様のご要望を考慮すると、こちらのプランがおすすめです」などというように表現できますね。さりげなく相手に対して働きかける時には、このように柔らかい言い方をすると角が立ちません。
(例文)
・あなたにぜひおすすめしたいものがあります。
・先輩からおすすめの方法をお伺いしたいです。
最後に
「アドバイス」とは、自分が教えたり、相手から何かを教わるときに使われる言葉です。「助言する」「教え導く」という意味合いがあるため、使うシーンや相手には配慮する必要があるでしょう。「アドバイス」の正しい使い方を覚えて、相手と気持ちのいい関係性を築けたらいいですね。
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