食べすぎた! 食後のストレッチ、何分後ならOK?
ついつい食べすぎてしまったとき、罪悪感とお腹の苦しさを軽減させるために体を動かしたくなりがちですが、ちょっと待って! 食後すぐの運動は、胃に負担をかけて消化不良を起こすことがあるため、避けるのがベターです。
食後の運動・押さえておきたいポイント
では、食後に運動をしたいときは、どれくらい時間を空けて、どのような運動をするのがいいのでしょうか。
2~3時間は空けてから運動する
胃の中の食べものが消化され、消化器官の働きが落ち着いてくるのは、通常食後2~3時間ほど。早くても1時間、最低でも30分は運動を控え、安静に過ごすしましょう。
消化に時間がかかるものを食べた場合や、個人差もあるので、お腹の張りが収まってきていることや、不快感が軽減していることを運動開始の目安にするといいでしょう。
強いねじりや上下の動きは控えて、軽めの運動をする
食後、ある程度時間を空けても、食べたものが消化しきれていないことがあります。特に、腹部の強いねじりや内臓を上下させるランニング・縄跳びのような運動には注意が必要で、気分が良くないと感じたらすぐに中断しましょう。
食後、できるだけ早く体を動かしたいときは、ストレッチのような軽めの運動を選んだ方が安心です。
食後の軽い運動に! お腹まわりのストレッチ3選
ここからは、食後におすすめのお腹まわりのストレッチを3種類紹介していきます。
【側屈のストレッチ】暴飲暴食で疲れた胃・肝臓周辺の筋肉を緩める
消化の要である胃や、食べものの摂取から分解・消化・吸収・排出に働く肝臓に負担がかかると、周辺の筋肉も収縮することがあると言われています。食べすぎたあとは、十分に時間を空けてから側屈のストレッチをおこなうと、胃・肝臓周辺の筋肉が緩んで気持ち良さを感じられるでしょう。
STEP 1:あぐらで座る
骨盤を起こし、左右の坐骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて座ります。
STEP 2:体の中心でひざを重ねる、【息を吸いながら】右腕を頭上に伸ばす
左脚が上にくるように、体の中心でひざを重ねます。姿勢がツラい場合は、脚を少し緩めましょう。右腕は頭上に伸ばし、左手は指先をお尻の横につきます。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左に側屈する
右手の指先を遠くに伸ばし、肋骨の下~骨盤までの長さを出すように側屈します。左右のお尻には、均等に体重を乗せたままキープ。目線は右腕のほうに向けましょう。【回数:呼吸を5回】
STEP 4:【息を吐きながら】右腕を床に下ろし、背中を丸める
吐く息に合わせて、ゆっくりと右手を下ろす&背中を丸めます。右手は左手の前あたりにつき、あごを引いて体がアルファベットの“C”の字になるように丸くなりましょう。反対側も同様におこないます。【回数:呼吸を5回】
【後屈のストレッチ】前かがみの姿勢を正し、腹部の血流UP
食べすぎたあとによく見られる、膨満感から背中を丸めて前かがみになった姿勢。この姿勢は内臓が圧迫されて、腹部の血流が悪くなりがちです。上体を後屈させて、押しつぶされていた内臓本来の働きを取り戻す&腹部の血流を促して代謝アップを狙いましょう。
STEP 1:ひざ立ちになり、お尻をかかとに乗せる
脚は腰幅程度に開きます。腰が反りすぎないように、尾骨(背骨の延長線)を引き下げましょう。頭頂~腰をスッと真っすぐにします。
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を頭上に伸ばす
指先で天井を押すようなイメージ。腹部が縦にシュッと伸びるのを感じましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を後屈させる
両腕を頭上に伸ばした姿勢から、胸を突き出して軽く後屈します。ポイントは、縮こまっていた腹部に心地良い伸びを感じること。腰を痛めないように、後屈の角度を調節しながらおこないましょう。【回数:呼吸を5回】
【ねじるストレッチ】優しい刺激で腸の働きを活性化
食後の強いねじりは気分が悪くなってしまう可能性がありますが、優しいねじりであれば、腸を刺激して働きを活性化させる効果に期待できるでしょう。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り、ひざを立てる
脚は軽く揃えておきます。両手の位置は、お尻のうしろあたり。上体をややうしろに倒します。
STEP 2:【息を吐きながら】両脚を右に倒す
ポイントは、両手と肩の位置を変えずに脚を倒すこと。そうすることで、腹部にねじりによる刺激を感じられます。ただし、苦しいと感じるほど強くねじる必要はありません。
STEP 3:上体を左に向ける
倒した脚とは反対側に上体を向けて、お腹まわりをもうひと絞り。反対側も同様におこないます。【回数:呼吸を5回】
【注意点】食べ過ぎたあと~2時間の過ごし方
食べたものが消化され、消化器官の働きが落ち着いてくるまでには2~3時間ほどかかります。そのあいだに気をつけたい、過ごし方のポイントはこちら。
☑︎腹部の締めつけを緩める
→ゆったりとした洋服に着替える、もしくは差支えのない範囲でファスナー・ホックを外す
☑︎すぐに横にならない、すぐに寝ない
→食後、すぐに眠ってしまうと、消化活動の妨げになることがある
☑︎背筋を伸ばして過ごす
→食べすぎの苦しさから背中を丸めて過ごしていると、消化活動中の内臓が圧迫されてしまうので注意!
最後に
食後すぐに激しい運動をするのは、消化不良の原因になるため効果的ではありません。食べたものは、そのまますぐに脂肪に変わるわけではないので、ダイエット中であっても焦らず、体の様子を見ながら無理のない範囲で軽めの運動を取り入れるといいでしょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。
https://www.instagram.com/saori_takagi/