そもそも「割り切り」とは?
みなさんは、自分のことをどのように捉えていますか? どのような性格か、と言い換えても良いかもしれません。
例えば、お洋服のショッピングに行ったとき。いくつかのお洋服で迷ってしまった経験はありませんか? そんなとき、すぐにどれにするか、もしくは買うか買わないかをすぐに選べる性格の人もいれば、なかなか決められない… という人もいます。
それは、人間関係や物事の捉え方でも同じこと。この場合、サクッと決断できる人のことを「割り切りが良い」と言うのです。
本記事では、「割り切り」という考え方について、詳しく見ていきましょう。まずは、辞書的な意味合いや、「割り切り」という考え方のメリットについて紹介します。
記事の後半では、具体的に友人関係・職場の人間関係・恋愛関係における割り切りについて、一緒に迫っていきましょう。
「割り切り」の意味
「割り切り」とは、簡単に言ってしまえば「きっぱりと結論を出すこと」。詳しく言うと、「ある一定の原則に則って物事の結論を導き出す」という意味の言葉です。
ただし、この「ある一定の原則」というのは、人間関係や好みにおいて言えば、その人の価値観や尺度によって異なってくるため絶対的な原則はないと言っていいでしょう。
「割り切り」という考え方のメリットを紹介
人と関わりながら生きていく上で、この「割り切り」という考え方が意外と重要だったりします。なぜなら、当たり前のことですが自分と他者は同一ではないからです。
つまり、価値観や好み、物事の見方は十人十色で衝突しあうことがあります。そんなとき、お互いが一歩も譲らなければ、話は先に進みません。
そんなときに必要な考え方が「割り切り」という考え方なのです。ここでは、割り切ることのメリットについて、見ていきましょう。
1:精神的に安定する
「割り切り」という考え方は、精神的な余裕を生み、安定させる効果があります。先ほども述べましたが、人の考えは千差万別です。自分が良いと思ったことが、相手も良いと思うとは限りません。それでも自分の考えをお互いに押し付けあっていたら、いつか疲弊してしまします。
ひとりの相手とならまだしも、そんな相手が四方八方にいれば、余裕がなくなるのも無理はありません。
そんなとき、譲歩し、相手の意見を受け入れる「割り切り」ができるようになると、心の負担はいくらか消えます。そう思うと、割り切ることは、良い意味で一種の「諦め」や「妥協」と言えるかもしれませんね。
2:良好な人間関係が築ける
「割り切り」の考え方は、人間関係をも良好にしてくれます。お互いがお互いの意見を尊重し、ある程度割り切ることで、必要以上の衝突を避け、相互の理解も深まるからです。
3:自分の時間を確保できる
悩み事や不安なことがあっても、「この時間は好きなことに没頭しよう」と割り切る時間をつくることでストレスを緩和することができます。
仕事とプライベートな時間を割り切ることでメリハリがついて、仕事の効率が上がるというメリットもありますよ。
さまざまな人間関係における割り切り
さて、「割り切り」という考え方への理解は深まりましたか? ここからは、具体的な人間関係における割り切りについて見ていきましょう。
1:友人関係における割り切りについて
まずは、友人関係における割り切りについて紹介します。いくら親しい友人といえども、時には割り切って付き合うべきケースもあるでしょう。「親しき中にも礼儀あり」という慣用句をご存じでしょうか?
例えば、あまりにもひどい言葉遣いをしてきたり、お金を貸してほしいと言ってきたり、約束を守らなかったり…。「大切な友達だから」と思ってしまいがちですが、だんだんとエスカレートすることだって考えられます。
そんな相手に傷つけられるくらいなら、割り切って距離を置くほうが良いということもあるでしょう。
2:職場の人間関係における割り切りについて
職場での人間関係もなかなか難しいものです。例えば「年上の後輩」問題。職場の役職的な立場で言えば自分のほうが上だけれど、年齢という世間一般の枠で見たら自分が相手を敬う立場なわけです。
もちろん、相互にそのことを理解した上でふさわしい対応ができれば一番ですが、職場では割り切って上司として求められている行動をすることを心がけましょう。
3:恋愛関係における割り切りについて
恋愛における割り切りについても見ておきましょう。恋愛における割り切りは大きく二つに分けられます。
一つ目は、恋人に対する割り切りです。付き合いたての頃は相手の素敵なところばかりに意識が向くものですが、次第にいやなところにも気付きます。とくに、同棲や結婚をして、常に相手が近くにいるようになると気になるものです。そんなときは話し合ったり注意したりして、お互いに歩み寄ろうとすることが大切ですが、何度言っても変わらないこともあります。そんなときは「こういう人なんだ」と割り切って接することが求められるかもしれません。
二つ目は、関係性における割り切りです。例えば、「割り切った関係」と形容されます。「割り切った関係」とは、いわゆる体のみの関係のことです。お互いが、交際や結婚を前提としないことを納得した上で結ぶ関係を指します。
したがって、恋愛関係において「割り切り」という言葉が出た場合には、相手がどういうニュアンスで使っているのかを理解する必要があると言えるでしょう。
最後に
「割り切り」とは、「きっぱりと結論を出すこと」。とくに人間関係においては、割り切りを大切にして人と付き合うことで、心の安寧が保たれることが往々にしてあります。これは時間の使い方にも応用できる考え方です。
その一方で、恋愛関係においては注意が必要。本当は好きなのに、割り切った関係に陥ってしまうこともあります。
また、割り切った考え方は時としてまわりに冷たい印象を与えてしまうことも。見極めながら慎重に取り入れていきたい考え方です。
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