目次Contents
なすのカロリーと糖質量
なす100gのカロリー・糖質量
まずは、なす100gあたりのカロリーと糖質量をご紹介します。
カロリー | 糖質量 | |
---|---|---|
なす(100g) | 18kcal | 2.9g |
サイズ別なす1本のカロリー・糖質量
次になす1本のカロリーと糖質量を、サイズ別にご紹介します。廃棄率を10%とし、大きめのなすを170g、標準的ななすを95g、小さめのなすを60gで計算します。
カロリー | 糖質量 | |
---|---|---|
なす大(170g) | 31kcal | 4.9g |
なす中(95g) | 17kcal | 2.8g |
なす小(60g) | 11kcal | 1.7g |
なすの調理別カロリーと糖質量
生・茹で・油炒め・天ぷらで比較
ここでは調理法別で違いを見ていきます。比較するのは生・茹で・油炒め・天ぷらの4種類。すべて100gあたりでなすのカロリーと糖質量を見ていきます。
カロリー | 糖質量 | |
---|---|---|
生 | 18kcal | 2.9g |
茹で | 17kcal | 2.4g |
油炒め | 73kcal | 3.7g |
天ぷら | 165kcal | 10.1g |
水分量が増えた分、生より茹でのほうがカロリー・糖質量とも若干少なくなっています。油炒めは油を使用した分、天ぷらは油や衣を使用した分、カロリーと糖質量が増えています。
なすとその他野菜のカロリー・糖質比較
ズッキーニやきゅうり、ピーマンなどと比較
なすのカロリーや糖質量はわかりましたが、この数値は野菜の中で高いのでしょうか、低いのでしょうか。日本人によく食べられる野菜と比較していきます(すべて100gあたり)。
カロリー | 糖質 | |
---|---|---|
なす | 18kcal | 2.9g |
ズッキーニ | 16kcal | 1.5g |
きゅうり | 13kcal | 1.9g |
ピーマン | 20kcal | 2.8g |
トマト | 20kcal | 3.7g |
白菜 | 13kcal | 1.9g |
キャベツ | 21kcal | 3.4g |
玉ねぎ | 33kcal | 6.9g |
じゃがいも | 59kcal | 8.4g |
にんじん | 35kcal | 6.5g |
西洋かぼちゃ | 78kcal | 17.1g |
ブロッコリー | 37kcal | 1.5g |
カロリーが低いことで知られるきゅうりと比較しても、なすはそれほど差がありませんね。ダイエット中、過度にカロリーや糖質を気にする必要はありません。
なすに含まれる栄養素と効果
食物繊維→腸内環境の改善
なすには食物繊維が2.2g含まれています。食物繊維食材として知られるごぼうやモロヘイヤほどではありませんが、なすに含まれる食物繊維は野菜の中で決して少なくありません。
実際、ズッキーニは1.3g、きゅうりは1.1g、白菜は1.3g、セロリは1.5gの含有量です。
食物繊維は腸内環境を整えてくれるだけでなく、血糖値上昇の抑制や血中のコレステロール濃度の低下作用も期待できます。
現代人に足りない栄養素のひとつなので、積極的に摂取しましょう。
カリウム→むくみの防止・解消
カリウムは、体内の塩分濃度や水分量を調整してくれる重要なミネラル。
ほぼすべての食品に含まれているため、通常の生活をしていれば不足することはまずありませんが、過度な食事制限を行ったり大量の汗をかいたり、下痢や嘔吐といった不調により喪失する可能性があります。
体内ではつくり出すことができないので、しっかり食品から摂取し、健康な身体を維持しましょう。
ポリフェノール→免疫力アップ
なすにはナスニンというポリフェノールが含まれています。
このナスニンには強力な抗酸化作用があり、シワやたるみといった肌老化を食い止めるアンチエイジング作用のほか、がんや動脈硬化を予防したり、免疫力をアップさせたりする働きも期待できます。
ナスニンは実ではなく、皮に多く含まれているため、なすを調理するときは皮ごと使うのがおすすめです。
ダイエット中のなすの食べ方
油を使いすぎない
なすと油の相性は抜群です。油を使用することで、なすの皮に含まれるナスニンの流出を防ぐことができるうえ、えぐみを緩和しよりおいしく食べることができます。
しかし、ダイエット中のなすと油の組み合わせは注意しなければいけません。
なすは吸油率の高い食材です。水分の含有量が多く、炒めると水分が抜けると同時に油を多く吸収してしまう特徴があります。
そのため、なす自体はカロリーも糖質も低めですが、調理した途端、高カロリー料理ができあがってしまうことはよくあるのです。油を使用するときはできるだけ少量を、なすが油を吸ってしまってもつぎ足さず、じっくりと炒めていきましょう。
油を控える場合はスープがおすすめ
なすに含まれるカリウムやナスニンは水溶性の栄養素であるため、加熱により栄養素の一部が流れ出てしまう可能性があります。
流れ出てしまった栄養素もすべて摂るには、スープやお味噌汁にしていただくのが◎。
水に浸けすぎると栄養素が流出してしまうため、アク抜きで水にさらす調理工程にも注意しましょう。
緑黄色野菜も食べる
なすは淡色野菜に分類されます。
皮の色が濃いため緑黄色野菜と判断されることが多いですが、βカロテンを100gあたり600μg以上含有している野菜でなければ緑黄色野菜と位置付けられません。Βカロテンは、抗酸化作用による病気の予防や、皮膚・視力・粘膜の健康維持に効果が期待されている優秀な栄養素です。
健康な身体の維持には、なすのような淡色野菜とβカロテンを多く含む緑黄色野菜をバランスよく摂っていく必要があります。理想は1日の野菜摂取目標量350gのうち、約35%の120gを緑黄色野菜にすること。
ちなみに、厚生労働省が行った令和元年国民健康・栄養調査報告によれば、日本人はここ10年有意な増減がなく、推奨される野菜の摂取量「350g」を実際に摂取している割合は20代30代とも全体の15%未満と、野菜の摂取量自体足りていないと指摘されています。
ダイエットは健康な身体あってこそ。まずはしっかりと野菜を摂ることを意識し、徐々に淡色野菜と緑黄色野菜のバランスも考えていけるようにしましょう。
なすはダイエット向きの食材。調理法に注意して
低カロリー・低糖質ななす。ダイエット中食べやすい食材であることがわかりました。しかし、問題はなすの調理法。なすは油の吸収率が高いため、ダイエット中は注意しなければいけません。また、一見緑黄色野菜ですが、淡色野菜に分類されるため野菜の摂取バランスにも気をつけたいところ。ぜひ、ヘルシーななすをヘルシーなままおいしく活用してくださいね。
りの
栄養士・運動実践指導者・ダイビングインストラクターとしてフォットネス業界に10年勤務。趣味は筋トレと海外旅行(渡航国数50カ国以上)。現在はWebライターとして世界中でノマドライフを満喫中。著書『拝啓、世界であわてふためく女子たちへ』。