なかなか悩みが尽きない会社の人間関係ですが、具体的にどのような悩みが多いのでしょうか? よくあるケースを一緒に見ていきましょう。これを読むと、「悩んでいるのは私だけではない」という気持ちになるかもしれません。
会社の人間関係の悩み3選
代表的な悩みを見ていきましょう。
1:厳しい上下関係
上下関係が厳しく、とにかく気を遣わなければいけない職場に、「めんどくさいと感じる」という声も。もちろん、上司部下などの役割の違いはありますが、行きすぎた上下関係には疑問を感じてしまいますよね。中には、「休憩室は先輩が使うもので、新人は使ってはいけない」という独特の風習があるという会社も、あるようですよ。このような不合理な上下関係に、息苦しさを感じるという人もいらっしゃるようです。
2:噂話や悪口
悪口や噂話が多いというのも、よくある悩みの一つのようです。休憩室や給湯室で、同僚の噂話に花を咲かせている集団を見たことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか? こういった様子を見ると、「私も言われているかも」と、不安になってしまうかもしれませんね。
また、日頃から噂や悪口が行き交う職場となると、どうしてもギスギスした雰囲気になるでしょう。居心地の悪さや、働きにくさを感じてしまう人も、少なくないようです。
3:仲間外れや孤立
職場で特定の人を仲間外れにするというケースも。例えば、特定の人だけ、飲み会や職場の行事に誘わないという事例もあるようですね。また、更に悪質なケースでは、仕事に必要な情報をあえて伝えないということもあるようです。こうなってしまうと業務に支障が出てしまいますよね。
これを聞くと、なんだか幼稚だと感じてしまう方も、いらっしゃるのではないでしょうか? ですが、残念ながら、職場でのいじめや、仲間外れに悩んでいる人は、後を絶ちません。さらに、これがエスカレートすると、いわゆるハラスメントに発展してしまうこともあるようです。
職場で孤立した時はどうする?
職場で孤立してしまっている時は、どのように対応したら良いのでしょうか? ここからは、会社で孤立した時の対応方法を解説します。「出勤するのがしんどい」と感じている方は、ぜひチェックしてみてください。
まず、孤立している時に気を付けたいのは、一人で抱え込んでしまうことです。もちろん、孤立しても気にならないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、悩んでいるのに誰にも言えず、一人で耐え続ける傾向がある人は、特に要注意です。そのまま心のバランスを崩してしまうことや、仕事に支障が出てしまうことも考えられますよね。まずは、困っていることを整理して、上司や人事に相談してみましょう。
なお、厚生労働省は、以下のポイントを全て満たしているものを、「職場のパワーハラスメント」として定義しています。
1:優越的な関係を背景とした言動である
ここでいう優越的な関係とは、上司部下などの上下関係に限られないことを、ご存知でしょうか? 例えば、業務の知識や経験が豊富で、その人の協力がなければ仕事が円滑にできないというような場合も、優越的な関係に含まれます。ということは、同僚同士、もしくは部下からでも、パワハラになることがあるということですね。
2:業務上必要かつ相当な範囲を超えている
例えば、仕事上で、本来伝えなければいけない情報を、わざと特定の人にだけ伝えないなどは、この要件に当てはまることも。このように、意図的に人を孤立させるようなことは、仕事上必要とは考えにくいですよね。こういったケースは、「業務上必要かつ、相当な範囲を超えている」と判断される可能性が高いでしょう。
3:労働者の就業環境が害される
集団での悪口や仲間外れなどは、「就業環境を害している」とされることも。このように、誰かを標的にしていじめるような風潮が職場に広がると、仕事にも悪い影響を与えてしまいかねませんよね。また、周りの人たちも「次は自分がターゲットにされるのでは」と不安になってしまうでしょう。結果的に、人が続かないなどの悪循環になってしまうケースもあるようですね。
ちなみに、パワーハラスメントの防止措置は、全企業に義務付けられています。とはいえ、なかなか状況が改善しないということも、あるかもしれません。中には、「どんなに注意をしても、いじめや仲間外れをやめない問題社員に悩んでいる」という会社もあるようです。その背景には、「同僚同士だからパワハラにはならない」と誤解している人がいることも、あるかもしれませんね。
このように、どんなに対策しても変わらない場合、思い切って職場を変えることも一つの手です。我慢し過ぎて限界になってしまう前に、そのような人たちから離れることも、考えて良いでしょう。
もちろん、すぐに転職するのは難しいという人もいますよね。ですが、「ここにいるしかない」と思い詰めるのは要注意。いざとなったら離れられるように、日頃から転職情報などを見ておく、転職しやすいような資格を取る、スキルアップをしておくなども、必要かもしれません。
気にしない人の考え方
職場での人間関係にストレスを感じる人がいる一方、「全く気にしない」という人も。では、このように気にしない人の考え方には、どのような特徴があるのでしょうか? 気にしすぎてストレスを抱え込んでしまっているという方は、参考にしてみてくださいね。
まず、職場の人間関係を気にしない人の多くは、「ずっとこの関係が続くわけではない」という考え方をしているようです。確かに、職場での人間関係は、一時的なものですよね。部署異動や転職などで、周りの人もどんどん入れ替わっていく可能性があります。
たとえ異動や人の入れ替わりが少ない職場だったとしても、一生一緒にいるわけではありません。このように、割り切った考え方をしているというのが、気にしない人の特徴の一つです。
また、「職場以外に居場所があるので、職場の人間関係は気にしていない」という人も、いらっしゃるようですね。もちろん、職場の人と良好な関係を保つというのは、働く上で重要です。ですが、あまりにも気にし過ぎてストレスになってしまう場合、適切な距離感を保つのも大事ですよね。そのためにも、別の居場所を作っておくのがおすすめです。
最後に
この記事では、職場の人間関係の悩みや、孤立した時の対応方法、職場の人間関係を気にしない人の考え方などを解説しました。会社での人間関係に悩んでいるという方は、参考にしてみてくださいね。
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塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。ライター所属:京都メディアライン