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筋トレとタンパク質の関係とは?
タンパク質は筋肉の形成に必要なもの
そもそもタンパク質とは、炭水化物や脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。人の体の20%はタンパク質で成り立っていると言われています。
筋肉の合成だけでなく、皮膚や髪の形成にも関わっており、筋トレのみならず生きていく上で欠かすことのできない栄養素です。
筋トレ後にタンパク質を摂ればよいと言われるのは、筋トレによって破壊された筋細胞を修復するのにタンパク質が役立つから。
筋肉は一般的に、筋トレによって破壊された後、修復される過程でさらに強くなる「超回復」を繰り返すことで大きくなっていきます。この超回復のサポートに、筋肉を合成する役割のあるタンパク質が有効というわけです。
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筋トレ後、タンパク質を摂るベストなタイミングって?
筋トレの30分以内がベスト
筋力アップを目指す方は「回復のゴールデンタイム」とされる、運動後30分以内にタンパク質を摂るのが良いと言われています。
このタイミングは傷ついた筋肉を修復するため、身体がちょうど栄養を必要としている時間。ここでタンパク質を摂ることで吸収率が高まるとされています。
これにより傷ついた筋肉がより早く回復、そして強くなることが期待されます。
筋トレ後以外にも摂取すると効果的なタイミングがある
筋トレ後30以内のタンパク質補給は有効ですが、タンパク質はそもそも朝昼晩コンスタントに摂りたい栄養素。
筋トレ後だけタンパク質を摂っても、全体的にタンパク質不足の生活を送っていては、効率よく筋肉は合成されません。
そこで筋トレ後だけでなくバランスよくタンパク質を摂ることを意識して、ぜひ以下のタイミングでも補給を心がけましょう。
1. 朝食時
一般的に朝は1日の中でもっとも栄養不足の状態です。睡眠中枯渇してしまった糖質・タンパク質を補給するため、朝ごはんではしっかり栄養補給することが推奨されています。この朝ごはんのタイミングでタンパク質をしっかりと摂っておきましょう。ただし、飲むタイプのプロテインだけを朝食にするのはNG。さまざまな食品と合わせてタンパク質も上手に補給するのが理想。
2. 食事前後や就寝前
栄養バランスの改善が見込める、食事前後のタンパク質補給も効果的だと言われています。
普段の食事で不足しがちなタンパク質を、飲むタイプのプロテインなどで食前、または食後に手軽に摂取するのがおすすめ。寝る30分くらい前にプロテインを飲むのも有効です。
「寝ているときに成長ホルモンが分泌されるため効果的です。就寝直前だと胃や腸に負担をかけてしまう場合もあるため、就寝30分前までに飲むことをおすすめします」(筋肉食堂オーナー・谷川俊平さん)
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タンパク質を効果的に摂る方法
基本的には食事から摂る
筋トレ後のタンパク質補給が有効と説明しましたが、基本的には日常的に食事から補給することが理想です。
タンパク質は意識しないと不足しがちなので積極的に摂ってほしい栄養素ではありますが、タンパク質食品だけをかき集めて食べるのではなく、幅広い食品をバランスよく食べることが大切。糖質や脂質、ビタミン、ミネラルなどバランスよく摂ってこそ、人の体は健康や美をキープできます。
「筋トレ後にタンパク質を摂ったからよし」ではなく、朝昼晩食事からコンスタントにタンパク質を摂取することをベースにしましょう。
1日の摂取目安量は体重で決める
医学博士の増富健吉先生によると、タンパク質の1日摂取目安量は体重を参考に決めるのがよいと言います。
「現時点の体重で始めます。○○kgの女性なら一日にとるタンパク質量は最低○○gと設定してください(50kgなら最低50gのタンパク質をとる)」(増富先生)
では、タンパク質50gとは食材に置き換えると何をどれくらい摂ればよいのでしょう。
「これができるようにならないとなかなかダイエットが成功しないんです。ざっと思いつく、タンパク質含有量の多い食材を羅列すると、とりのささみ、とりの胸肉、牛の赤身、マグロ赤身、かつお、卵の白身部分、ほっけやさば、あじ、シーチキンなどの白身(青い)魚、大豆など、の名前があがってくる。
それでもタンパク質含有率(すなわちプロテイン含有率)は10〜25%(豆腐はほとんど水分だけ)。そのうちの最強食材がささみ(約25%)ということでよく計算の指標にされる。
タンパク質(プロテイン)1日摂取量50gといえば、ささみに換算すると200gになるわけである」(増富先生)
また、筋トレを日常的にする方はもう少し多めのタンパク質補給が推奨されています。
一般的には軽めの筋トレをする人は体重1kgあたり1.2〜1.4gのタンパク質を、強度の高い筋トレをする人は体重1kgあたり1.6〜1.7gほどのタンパク質を摂るのがおすすめされているようです。
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タンパク質が豊富に含まれる食材
高野豆腐
大豆から作られる豆腐を凍らせ熟成、さらに乾燥させた高野豆腐は栄養満点な食材として知られています。
通常のお豆腐よりも植物性タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンがギュッと凝縮。とくにタンパク質は、高野豆腐に含まれる成分のなんと50%を占めており、同じ大豆食品の木綿豆腐と比べても7倍ほどの含有量です。
納豆
納豆も大豆食品なのでタンパク質が豊富。
植物性なので悪玉コレステロールの心配がなく、必須アミノ酸もバランスよく含んでいるのが特徴です。また納豆は食物繊維も豊富。非常に優秀な食べ物なので、ぜひ積極的に摂りたいところ。
牛肉
牛肉もタンパク質が豊富。ほかにも、美容ビタミンと言われるビタミンB2、吸収されやすいヘム鉄、余分な脂肪を分解しエネルギーに換えてくれるL-カルチニンなど、女性に嬉しい栄養素が満載です。
ヒレやもも、肩は、脂肪が少なく鉄分が多いのでダイエットに適しています。サーロイン、カルビ、ロース、バラは脂肪が多いため、タンパク質豊富ではありますがダイエット中は避けた方が無難。
鶏肉
脂肪が少なめかつ、牛や豚と比べカロリーが低い鶏肉はアミノ酸バランスも◎。
むね肉・ささみにはタンパク質がとくに豊富に含まれています。さらに、タンパク質の代謝に欠かせないビタミンAやB群、Kなどのビタミンも豊富。効率的に筋肉をつけたい人におすすめの食品です。
黒豆
黒豆は豆類の中でもタンパク質の含有量がトップクラス。体内で合成できない必須アミノ酸もバランスよく含んでいる食べ物です。
さらに「アントシアニン」という色素成分が含まれており、老化の原因となる活性酸素の発生を抑制する効果が期待できるため、エイジングケアには欠かせない食べ物としても知られています。
アボカド
アボカドは、果肉に脂肪分を多く含んでいることから「森のバター」と呼ばれている食材。
脂肪と言ってもアボカドに含まれる脂肪は、体の中で酸化されにくく、悪玉コレステロールを減らすオレイン酸。腸内環境の改善、高血圧や動脈硬化を予防してくれる成分だと言われています。
またタンパク質の含有量は、果物類の中でトップクラス。食物繊維はバナナの5倍、ミネラル14種、ビタミン11種と健康にも美容にも必要不可欠な成分を、たっぷりバランスよく摂ることが可能なのです。
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過剰摂取も×。タンパク質を摂りすぎるとどうなる?
タンパク質も摂りすぎは当然太る
不足しがちなタンパク質なので、筋トレ後以外でも定期的に摂ることが推奨されますが、摂りすぎは当然太ります。
タンパク質は1gあたり4kcal。消費できず余ってしまったカロリーは、脂肪として体に蓄えられるので注意しましょう。
手軽に摂取できるプロテインも、あくまでタンパク質補給するためのものであって、飲んだから痩せるというものではありません。
「プロテインはあくまでタンパク質であって、『飲めば痩せる』類のものではありません。なのでトレーニングなどと組み合わせながらいただくのが上手なつきあい方かもしれません」(Oggiエキスパートエディター・岩崎僚一さん)
日常的にバランスよく食事を摂りながら、筋トレにより破壊された筋肉合成のサポート役にプロテインを取り入れるなどして、タンパク質を上手に摂取していきましょう。
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